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不動産×キャリコン#5

人生100年時代において不動産事業で生き抜くための知恵袋
今回は「高齢化に伴う独居老人、空き家問題」についてです。

あなたは何歳まで生きると思いますか?

私は1967年4月1日生まれの現在54歳。磯野波平さんと同学年です。
サザエさんが現在の家族構成で連載が始まった1951年(昭和26年)の定年年齢は55歳。男性の平均余命が60.8歳だった事を考えると、キャリアコンサルタントの立場として、もし今後のキャリア形成について波平さんから相談があった場合「定年まであと1年弱、残りの人生 両手で数えられると思われる中、2人の小学生のお子さんがおられる磯野さんとして、ご自宅のローン返済を含めた資産形成に関して、娘さんご夫婦を交えてご家族でお話になりましたか? またそれを踏まえ今後どの様にして人生を締めくくりたいとお考えですか?」と聞くかと思います。

ここまでズケズケとお聞きすると「バカモン!それが分からんから相談に来たんだ!!」と怒られちゃうかもしれませんね(笑)

永遠の54歳である波平さんの事はさておき、リアルな54歳である私の場合は昨年会社を立ち上げたばかりですし、大学院1年の息子と大学1年の娘を社会に送り出す使命がありますので、まだまだ居候する訳にはいきません!(苦笑)

令和3年に厚生労働省が発表した”令和2年調査平均余命”は男性81.64歳、女性が87.74歳となっています。ここで疑問に思ってほしいのですが、皆さんの周囲で最近亡くなられた方の年齢を思い出してみてください。私が思い浮かぶ著名人として、元総理大臣の海部俊樹さん91歳、瀬戸内寂聴さん99歳、日野原重明さん105歳、田中邦衛さん88歳などがあり、もっと年齢が高いのでは?と思っていました。

それもそのはず、平均余命は不運にも病気や事故で亡くなられた方の年齢も計算の母数に入っているため、私を含め皆さんが想像される「何歳まで生きるか?」の数字とは少しづれがあるのです。同じ発表の中で約3人に1人の割合で男性が90歳、女性が95歳まで生存するという統計結果があり、こちらの方が私たちの感覚に合っていると思いますが、皆さんは如何ですか?

「人生100年時代」は迷信では無い

「ガンになる確率は、万が一では無く2分の1」など保険のCMで良く聞くフレーズですが、白血病から奇跡的な復活をされた池江璃花子さんの例の様に医療技術の進歩により、多くの方が病気や怪我から助かる世の中になっています。元Queen フレーディー・マーキュリーの命を奪ったエイズでさえも現在は治療薬が存在し、脊髄損傷の治療としてiPS細胞による治験も始まっており、「100歳まで生きる」事が当たり前の時代になりつつあるのです。

不動産における独居老人・空き家問題

総務省発表による最新の人口ピラミッドは以下の通りであり、第一次ベビーブーム世代である、現在75歳前後の方の人口割合が一番多く、男女それぞれ約100万人いらっしゃる事が分かります。

「人生100年時代であれば、25年後が大変になるからそれまでに手を打てば良いのでは?」と単純に思うかもしれませんが、それは”100歳まで元気ハツラツ”だった場合です。

2020年に「株式会社LIFULLsenior」https://lifull-senior.com/images/news/pdf/201120_3.pdf が発表した「介護施設入居に関する実態調査」によると、70代で約22%、80代で約46%の方が介護施設に入居されているとの事。すでにこの第一次ベビームーム世代の施設入居が始まっている事を意味しており、また総務省統計局調査による持ち家比率60.9%である事を加味し、尚且つ夫婦2人が同時に施設に入居されると仮定すると、単純計算ではありますが、毎年60万戸の空き家と40万室の賃貸空室が発生する段階に、すでに突入していることになります。

今回は一旦ここまでとし、次回も引き続き「独居老人、空き家問題」について考察したいと思います。

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