見出し画像

【解説】WILL CAN MUSTと年収の関係性

長年リクルートにいて、人事企画も経験して、いわゆるリクルートの人事評価制度のWILL CAN MUSTについては体に染みついている。

さらに、エージェントとして新卒からエグゼクティブの全レイヤーの方々の履歴書を見まくってきた経験を活かして、WILL CAN MUSTと年収の関係性について解説してみる。

年収ってどうやって決まるのか?

新卒で入ってずっと同じ会社で、定年まで働き続ける人の年収決定ルールは、ズバリその会社の人事制度である。

また、転職するとしたら、転職先にはその企業の人事制度があるし、報酬の考え方がある。なので、会社変われば、報酬水準も違えば、報酬に対する考え方も全然違う。郷に入っては郷に従え、ということである。業界によっても違うし、同じ業界でも会社によって違う。

年功序列の職能制度であれば、長く勤めることで年収が上がっていくし、職務制度であれば、ポジションや役割が上がったり、広がったりすることで年収は上がっていく。また、成果主義ということで、パフォーマンスが報酬に反映されるという制度もある。

職能制度、職務制度、成果主義など、どれがいいかというのは、ビジネスモデルにもよると思うので一概には言えないけど、個人的には「やったらやった分、やった人が評価される」制度であり、会社が好き。

で、今日は、この話がしたいわけではないので、サクサク進もう。


WILLとCANと年収の関係性

図3

キャリア面談をしていると、「新しいことにチャレンジしたい!」という前向きな人が多くて、これはこれでとても嬉しい。一方で、チャレンジしたいけど、年収は落としたくないという人が実に多い。これは困る。

そう、ここが採用側の目線と大きくずれているのである。

転職したい個人側からすると、今の会社でやりきったり、マンネリになってきたところもあるから、次のステップとして新しいことにチャレンジしたいというのは当然だと思う。一方で、採用する側からすると、『未経験だったら、社内のメンバーを異動させるわ!(採る意味ない)』って正直、思っている。まして、年収高いのに、未経験で育成からスタートとか意味が分からない。社内にも説明がつかない。。。

特に多いのが、「企画職になりたい!」というもの。その志自体は悪くないし、頑張ってほしい。ただ、認識して欲しいのは「なりたい」というのは、だいたい「できない」ということなのである

なので、「新しいことやりたい×年収はキープしたい!」というのは、構造的に採用側と個人側でニーズがずれていて、なかなか難しいのである。これぞ、幻想である。

採用側としては、現年収をキープして出すのであれば、現在のCANが即戦力として、活かせる役割を期待したいし、むしろ自社にない価値を持ち込んで欲しい。逆に業界や職種など、やったことない未経験のことにチャレンジしたいのであれば、スタートの年収は下がってでもやりたい!という気概のある人じゃないと、ポテンシャルで採用しようとは思わない。

マーケティング発想で、自分が採用側だったら、未経験の自分に年収いくら出すか、考えてみるといいと思う。


じゃ、どうすればいいのか?

画像2

答えはsimpleである。自分の想いに従って、好きなようにしてください!となる。

本気で新しいことにチャレンジしたいのであれば、年収下げてでもチャレンジさせてもらって、経験を積んで自力でCANに変えていくことで、年収を取り戻していけばいいと思う。これからの時代は、この覚悟を持って、自分で意思決定して、チャレンジした回数が武器になる時代になると思う。

一方で、年収下げたくない、下げられない事情があるのであれば、今やれるCANで勝負するしかない。そして、目の前のMUSTで高いパフォーマンスを出していくことで、希望かどうかは別にして、きっと新しいことにチャレンジするチャンスは来るはずなので。そういう積み上げ型のキャリアも良いんじゃないかと思う。

あと、ベンチャーや中小企業であれば、社内で自分のミッションをやりながら、兼務やプロジェクトで新しいことに手を挙げてチャレンジしていくことが出来るかもしれないし、大手であれば事業部や部署はたくさんあるから、異動でやりたいことが叶うかもしれない。ちなみに兼務や社内の異動は年収が下がらない場合が多いから、ノーリスクで新しいことにチャレンジできるのは社内の方である。ちなみに、業務が増えるとか、評価が下がるとか気にしてたら、新しいチャレンジなんてできないよ。

最近だと、副業もいいかもしれない。副業でガッツリ稼ごうさえしなければ、きっと新しいチャレンジが出来ると思う。


一度やってしまえば経験者

僕はこの言葉が好きである。とにかく一度やってみることが大事。そうすれば経験者になれる。そこからチャンスは広がっていくものだし、自力でこじ開けていくものだと思う。

未経験だからできないとか言っていたら、一生何もできない。誰でも最初はみんな未経験だけど、新しいことに一歩踏み出すから経験者への道に進んでいける。そこには覚悟と努力が必要。

なので、未経験だからチャンスが無いというのは嘘で、Never too late(遅すぎることはない)の精神で、新しいことにチャレンジして欲しい。

ただでもいいからやらせてほしい(経験者になりたい)というスタンスでいれば、きっとチャンスは目の前にたくさん転がっていて、今は条件つけすぎて、検索に引っかかっていないだけである。

その時のコツは、「損して得取れ」である。

最初からできないことで稼ごうとせず、やったことないことでは稼げないもんだと腹括って、まずは経験者になるために修行する。そのチャンスがあるだけでもありがたいと思った方がいい。そこで目の前のMUSTに向かっていくと、その経験がCANになり、「自身のやりたいWILLで稼げる!」って状態につながっていくのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?