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【解説マズローの欲求5段階説】企業と転職者のズレはこうして生まれる

今日は企業(採用)側の求めることと、転職者の求めることのズレを、マズローの欲求5段階説を用いて、構造的に説明したい。

マズローの欲求5段階説

コメント 2020-01-12 011407

マズローの欲求5段階説とは、心理学者アブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階に理論化したもの。上のサイトが分かりやすかったから、こっちを見てもらうとして、詳細は割愛します。

転職者側から見た欲求5段階説

図1

このマズローの欲求5段階説で捉えると、転職者は低次の欲求から高次の欲求に上げていきたいと思っている。例えば、ブラック企業に勤めていて、あまりにハードワークで休みがないとか、残業が多いとかだと、そもそも「寝たい」とか「お風呂入りたい」とかの生理的欲求が満たされていないので、それが満たされればOKとなる。

余談だけど、コンサルは高次の欲求である「自己実現」や「承認欲求」が満たされているのに、上記のように「寝たい」「家に帰りたい」といった生理的欲求が満たされてなかったりして、マズロー殺しの職業である。

それはさておき、普通に考えれば、生理的欲求が満たされてない人は、それを満たしたうえで安全欲求を満たしたいとなるので、正社員になりたいとか、長く落ち着いて働きたい、会社の業績が安定している会社がいいとか、給与、勤務条件がいいところに行きたいとなる。

その上で、親和欲求、承認欲求、自己実現、自己超越と発展していく。個人的には一概には言えないんじゃないかなと思うところもあるけど、まぁ、これ自体、概ね理解できる。

やりたいことなんてない

とにかく今の会社を辞めたいって思っている人で、やりたいことが明確な人なんて多くはない。これは当たり前で、目の前の低次欲求から抜け出すことが先決で、高次の欲求の承認や自己実現なんて考えている余裕がないから。幸せレベルがとても低い状態。

これが実情だと思う。

80%くらいの人がこっちのパターンで、やりたいことが明確にあって、そのためにチャレンジしていける人って20%くらいなんじゃないかなって思う(実感値として)。

辞めたい理由が先にある人は、その後やりたいことを考えていくことになるし、残りの20%は辞めたい理由は特にないけど、やりたいことが見つかったから辞めるというステップになる。卒業か、入学か。

企業側から見た欲求5段階説

図2

今度は企業側から見た欲求5段階説を考えてみる。個人側の欲求が下から上に上がってくるのに対し、大体、採用側というのは高次の欲求を持った人がお好みである(もちろん、全ての企業ではないけど…)。

低次の欲求を脱したい人より、高次の欲求を実現したいと努力している人の方がどうしても前向きで、よく見えてしまう。。。

採用側が「本音の転職理由を教えてください」って言うから、転職者が本音の退職理由(低次欲求)をそのまま言うと、採用側はそれを「ネガティブ」とか、「逃げ」とか感じてしまう。

構造的にズレているのである。

個人的には、転職理由は本音であればいいし、個社への志望理由なんてなくてもいいと思ってる派。何が出来る、何がやりたい、どうなりたいが、入社することで叶うのであればお互いhappyかなと。

だからやりたいことがある人は強い

画像3

上記の通り、80%くらいの人はやりたいことなんてない。

そして、企業側は高次欲求である承認欲求や自己実現欲求のある人が好き。

つまり、「やりたいことがある」だけで、企業が求める上位20%になれる可能性があるw

やりたいことがないことが別に悪いとは全然思わないんだけど、やりたいことがあるとなにかとお得なことが多い。だから、まずは仮置きでもいいから、やりたいこと(旗)を考えてみるといいと思う。

それで旗を立てたらその方角に向かえる。それで十分。もちろん、向かっている途中で、やっぱり違うかもって思ったら、そこで立ち止まって、もう一回旗を立て直せばいい。

旗は達成するために立てているのではなく、向かうためのもの。だから永遠に達成しなくてもいいと思うし、達成しそうになったら、再度、置き直したらいいと思う。そしたら、ずっと追いかけていれるから。これって幸せな状態だなーって思う。

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