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私たちは知らないことすら知らない

私たちは知らないことすら知らないことが多い。

特に日本人は、日本語という英語圏からは隔絶した世界で生きているため、海外からのニュースはほんの一部しか知らない。

ニュースの仕入れは、日本のメディアの都合の良いものしか行わない。そこには「都合」というフィルターがかかって、その網目を通過したものだけが、「日本語」となって、私たちの目や耳に飛び込んでくる。

それを見て、私たちは「知っている」と言っている。

本当だろうか?

私たちが「知っている」ということは、ほんの一部である。しかし、「知らないことすら知らない」ことの方が圧倒的に多い。

そして、「知らないことすら知らない」ことは、私たちには「存在しない」ことと同じになる。

事実としては「存在している」けれど、「知らないことすら知らない」人には、「存在しない」ことと同じなのだ。

しかし、事実としては「存在している」ので、結果が分かり、大きな出来事となり「知らされた」時に、「知らなかった」となる。

日本人として、日本語を使う者として、日本語は素晴らしいと思っている。

と、同時に日本語しか知らないと、「知らないことすら知らない」ことに気が付けないとも思っている。

例えば、ハマスとイスラエルの軍事衝突のことで、気になることがあった。

ハマスはテロ組織であり、イスラエルに対する奇襲攻撃で多数のイスラエルの方々亡くなったことは許しがたい行為である。

それに対してイスラエルも反撃をしている。気になったのは、イスラエルの国防相のガラント氏の発言である。

ガラント氏は“We are fighting human animals and we are acting accordingly,” 「われわれは人間という動物と戦っており、それに応じて行動している」と述べている。

パレスチナ人やハマスを「human animals」と読んでいる。

日本のメディアはこの「human animals」(これは私は「人間という動物」と訳した)という表現はほぼ出てこない。

しかし、ガラント氏は「human animals」と戦っており、それに応じて行動している、と述べている。

だから、「人道支援」はあり得ないということだろう。人ではなく、「人間という”動物”」なのだから。

それを裏付けるように、エネルギーの供給が止まり、発電所が停止。医療品も無くなり、ガザ地区の病院で成す術も無く、亡くなっている人が出ている。

イスラエルという国のここに至るまでの経緯、中東の複雑な事情、パレスチナの人々のこれまでの苦しみ、私たちには、わかりにくい事情もそこにはあるのだろう。

だから、私たちも中東の歴史や、そこに至った経緯をもっと知る必要があると思う。

ただ、私がとても心に引っかかるのは、このガラント氏の「human animals」という言葉だ。ここに、イスラエルの現政権の中で、ガザ地区への報復の根本的な考えがにじみ出ているように思う。

ここは、非難すべきではないだろうか。一般人には罪はない。ましてや未来ある子供に罪などあろうはずがない。

私たちは、ガラント氏が「human animals」と考えている対象に向かって、報復攻撃をしていることを、「知らないことすら知らない」。

これは、問題だと感じる。

パレスチナの人々も、イスラエルの人々も「人」である。「human animals」ではない。

フィルターのかかった日本語だけの情報では「知らないことすら知らない」ことが多いままになってしまう気がする。

視野を広げる必要があるように感じる。


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