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日銀が政策金利を上げるだろう。でも・・・
日銀はマイナス金利解除を3月18日から19日の金融政策決定会合で決める観測が高まっています。ほぼ間違いなさそうです。
世界で日本だけ、政策金利がマイナス0.1%でしたが、それが終わります。日本と同じくマイナス金利だったスイスは、マイナス0.75%からプラス1.75%へと上がっています。
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日本へよりもマイナス金利を深堀していたスイスですが、政策金利を上げ、マイナス金利を続ける円に対して、2.5ポイントの利上げをしました。結果、スイスフランは131円(22年5月)から168円へと28%上昇しています。米ドルよりも高いです。
世界で日本だけがマイナス金利を続けてきました。ドルと円の金利差が短期金利では約5%、長期金利でも約4%と差が大きい為、円が売られ、1ドル150円もの超円安となったのです。
今回の金融政策決定会合で利上げをしたとしても、ゼロ金利となるだけでしょう。すると、銀行預金の金利もゼロ付近のままとなるでしょうが、やはり金利0%は異常なです。この異常がおよそ25年間続いています。
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1ドル150円は米国経済が絶好調だからドル高というわけではありません。日本も2%のインフレなので、本来であれば1%は超えるであろう短期金利がマイナスだったために起きている円安です。
円安は外為市場では円売りの超過ですから、円マネーが5%の金利のあるドルを買って米国に流れていったのです。ゼロ金利の円を借りて、上昇期待のあるドル株を買うキャリートレードも円売りです。米英系ファンドが、今日も行っています。年間で20兆円くらいはあります。円を売って、ドル、ユーロを買う取引です。
「金利=名目GDP成長率」であることが、中立的な自然金利です。中立的金利とは、経済取引、資産、株の購入を負債で促進することも、抑制することもない金利です。
2%のインフレの中のマイナス金利は、過度の金融緩和であり、負債の増加経済を促進します。日銀が0.2%利上げし、0.1%になっても、過度な金融緩和の継続であることに変わりはありません。
2%インフレの日本の金利は、本来はスイス並みに1.75%付近でなければならないでしょう。しかし、日本には政府債務が積みあがっています。1200兆円超。
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25〜27年度に名目3%の経済成長と、2%の消費者物価の上昇という前提を置くと、10年物の国債の想定金利は24年度の1.9%から27年度に2.4%に上がる。
国債の償還や利払いにあてる国債費は24年度の27兆円から34.2兆円になる。一般会計歳出に占める比率は24年度の24%から28%に高まる。税収は69.6兆円から80.8兆円に伸びるが、増収分は社会保障費と国債費の膨張分に大半を費やす。
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日銀は政策金利を1%に上げれば、長期金利は2.5%にはなるでしょう。すると、上記の試算よりもさらに利払いが上がります。日銀は政策金利を1%以上にすることは困難でしょう。
これが続けば、日本側の要因で円安を食い止めることは難しそうです。米国の金利に左右されるのみです。
日本株は上昇しています。しかし、投資部門別売買状況を見ると、65~70%が海外投資家の売買です。つまり、日本株の上昇は海外投資家の購入によるもの。円安の影響が多分にあります。
株高なのか、それとも円という通貨の下落なのか。株の上昇を喜んでばかりもいられません。
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