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日本は独立している国なのか?日米地位協定の条文を見てみよう。

日本は独立している国なのでしょうか?

このような話をすると、「陰謀論」とされます。でも、私たちは、事実を知らされているのか否か。

日米安全保障条約が存在します。これは、1960年(昭和35年)1月19日、アメリカ合衆国ワシントンD.Cで締結されました。いわゆる日米同盟の根幹を成す条約です。正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」。

条約締結時の総理大臣は岸信介氏です。安倍総理の祖父。

この条約の第6条の規定に従って「日米地位協定」、正式名称は「正式名称で日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」が締結されています。

形式的には1951年(昭和26年)に署名され、翌1952年(昭和27年)に発行した旧安保条約を失効させて新たな条約として締約・批准されましたが、実質的には安保条約の改定とみなされています。この条約に基づき、在日米軍と米軍の日本駐留を引き続き認めました。

重要なのは、前述の日米地位協定です。ここで、米軍の地位を定めているからです。

この日米地位協定を外務省のホームページから見ておきましょう。以下にURLを。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/kyoutei/index.html

特に第七条を見ておく必要があります。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/kyoutei/pdfs/07.pdf)

第七条
合衆国軍隊は、日本国政府の各省その他の機関に当該時に適用されている条件よりも不利でない条件で、日本国政府が有し、管理し、又は規制するすべての公益事業及び公共の役務を利用することができ、並びにその利用における優先権を享有するものとする。

(出典:外務省HP/日米地位協定第七条)

この内容は、日本政府の施設と領土、公益事業と公共の役務(政府の行うこと)に対して、米国(=米軍)は、米軍が要望すれば優先的に利用できることを保証したものです。

公益事業と公共の役務とは、政府の行う政策のすべてを指すと思われます。政府の政策は特定の個人ではなく、公共の福祉を目的としてものであり、それが公益事業と公共の役務です。

「日本政府のすべての政策」ということは、一般会計と特別会計の純計269.7兆円(財務省HP)の財政全般を指します。(https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/special_account/fy2022/2022-souron-4.pdf)

この第七条をそのまま文字通りに素直に読めば「日本は米国が政策の優先権を持つ植民地」と規定されたということでしょう。

この第七条を根拠に作られているのが「日米合同委員会」です。この日米合同委員会の組織図も外務省ホームページに公開されています。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100060689.pdf)

(出典:外務省HP/日米合同委員会組織図)

日本側の代表は、外務省北米局長。他に防衛相だけではなく、主要な省庁の審議官クラス(次官の下)がメンバーです。財務省大臣官房審議官、外務省北米局審議官、法務省大臣官房審議官、農産物の輸入を所轄する農林水産経営局長も代表代理として主要メンバーです。

米国側の代表は、在日米軍司令部副司令官です。代表代理は在日米大使館公使(大使の下)と米軍の参謀長クラスです。

各委員会には軍事的な防衛には直接関係なさそうなものあり、「財務分科委員会」という者もあります。

米国大使館の目的は、武官の面の軍事的防衛だけでなく、文官としての米国の経済安全保障です。

米国大使館と米軍と日本の官僚が会議をしているのです。何を審議、検討しているのでしょうか?

性自認差別を禁止するLGBTQの法案も、日本の国会で大した審議もなく、短時間で通ったことに違和感を覚えた人も多いと思います。その際に、ラーム・エマニュエル駐日米国大使がかなり横柄な態度で、要求をしていましたが、それもそのはず、日米合同委員会で審議されていたからです。日米合同委員会は日本の政策に優先権を持っていると解釈できる協定(日米地位協定)が存在するからです。

この内容を書くために使った資料は外務省のホームページで公開されている内容です。しかし、多くの日本人は見ていないと思います。そのため、日本が独立している国かどうかなどと書くと、陰謀論扱いをされるのですが、そうではなく、外務省のホームページにもしっかりと公開されています。

日本人が政治や国際社会のことに関心を持たないことで、独立している国といえないような協定が存在していても、「知りもしない」し、「見たこともない」ことが問題ではないかと思います。

やはり、知ることは大切だと真剣に思います。

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