発達障害をもつ生徒への学習指導

【問題】
「15分と1時間の比を求めなさい。」

教科書的に解説するなら、まず1時間を60分と直し、15:60=1:4となるのでしょう。ちなみに比は、小学6年生で学習する単元です。小学校の上級生ともなれば、「1時間は15分の4倍」という発想ができるでしょうから、上述のような面倒な計算はせず、1:4と即答できるはずです。

小学生が学ぶ算数の単元は、生活に密着したものばかりです。算数的には少々荒っぽいやり方であるはありますが、15分:1時間=1:4と即答することは、生活の知恵という観点に立てば、ごく自然なことです。日々の学習が単なるお勉強で終わらず、生活の中で活用できているというふうにも解釈できます。

ただし、発達障害をもつ子どもの指導となると少し話が変わってきます。発達障害のタイプにもよりますが、ASDなどの子どもたちは思考や言動に柔軟性がありません。「1時間は15分の4倍だよね」とヒントを出しても、「そんな解き方は習ってない!」と頑な態度を示します。問題によって、柔軟に解き方を変えるということが難しいのです。そうした傾向は対人関係にも表れます。あいまいなものを許さず、空気を読むとか、相手の感情に配慮するということが極端に苦手です。

発達障害を持つ子どもたちが、環境に適応するための肝は、パターン学習にあります。例えば対人関係のトレーニングにおいては、一般的に人はこういう場面ではこういう感情を抱くものなのだということを一つ一つ根気よく学習してもらうのです。

「15分と1時間の比を求めなさい。」

お勉強ができる子の何倍もの時間をかけてもいいのです。一つのルールを守り、愚直にそれを繰り返す根気を養ってほしいと思います。

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◆お知らせ
学習教室ミライエの運営母体であるNPO法人子どもの未来を紡ぐ会は、発達障害の子どもを持つ家族のためのセミナー「発達障害とともに軽やかに生きる」を開催します。

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□日 時:10月20日(日) 13:00-15:00
□場 所:調布市市民プラザあくろす3F/ホール2
東京都調布市国領町2-5-15 (京王線国領駅徒歩1分)
http://chofu-npo-supportcenter.jp
□参加費:1000円
□内 容:
□ご予約:下記WEBサイトよりお申し込みください
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