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目の前で人が倒れたとき、動けますか?

救急救命、できますか?

目の前で人が倒れたとき、何をすればよいのでしょうか?

119番通報?
人工呼吸?
心臓マッサージ?
それとも、AED?

自動車の免許を持っている方なら、これらの訓練(講習)は自動車学校で受けているので、最低限の知識はあると思います。
ですが、私は正直、119番通報はできると思いますが、それ以外は適切な対応ができる自信がありませんでした。

過去に2度、目の前で人が倒れた場面に居合わせたことがあります。
ですが、2度とも私以外の『誰か』が近くに居て、救急救命対応をしてくださっていました。

本当に私は、そこに居ただけででした。

このことは、トラウマになっているわけではないですが、ふとした瞬間によく思い出してしまいます。

もし、その場に『誰か』いなかったら?
目の前の人を助けられなかったら?

漠然とした不安はありましたが、どことなく『現実とは違う場所の出来事』と思ってしまっていました。
もしかしたら、「自分だけの場面なんてそうそうない」とか、「きっとまた『誰か』が助けてくれる」と思いたかったのかもしれません。

子供の痙攣を通して、現実を知る

先日、3歳の子供が40度台の高熱で寝込んでいるときに、熱性痙攣を起こしました。
幸い、命に別状はなく大事には至らなかったのですが、『現実とは違う場所の出来事』と思い込みたかった現実が突然、目の前にやってきました。

実はその場には居なかったのですが、もし居合わせた場合、

適切な対応ができただろうか?
その前に、何かしら行動に移せただろうか?

家族の有事を目の当たりにして、急に自分の無知さが怖くなりました。

じゃあ、学ぼう!

ということで、受けてきました『普通救命講習Ⅰ』。
これは、消防署で無料で受けられる約3時間の講習となり、

  • 救命の連鎖

  • 早期認識と通報

  • 一時救命措置(心臓マッサージや人工呼吸、AED)

  • 異物除去(のどのつまり)

  • 止血法

このような、誰かが倒れたりした際に行うべきことを、主に実技中心に学んできました。

心臓マッサージ、実際にやるととても大変。
1分回に100回程度のペースで、胸が5cm沈み込む位の強さで圧迫するんですが、手の力だけではできず、全体重をかけなければなりません。
しかも、救急車が来るまでの間、ずっと。

救急車が到着する時間が、遅くなっている…

出典:総務省 報道資料 「令和2年版 救急・救助の現況」の公表

平成11年の時点では、救急車が到着するまで平均で6.1分だったものが、令和元年は平均8.7分にまで伸びています。
講習で2分間、心臓マッサージをし続ける練習をしましたが、かなり体力を使います。

心臓マッサージや人工呼吸は、救急隊員が到着するまで続けなければならないため、8分以上も心臓マッサージをし続ける必要があります。
長時間続けるので体力も必要ですが、救急救命という『非日常』な場面で、勇気をもって行動に移すためには、きちんとした講習を受け、訓練しておくことがとても大切だと実感しました。

一般市民が行う救急救命の大切さ

今回の講習で学んだことのなかで、一番衝撃的だった内容は、

一般市民により救急救命対応が行われた場合、
そうでない場合と比べて1か月後生存率が「約1.9倍」、
AEDを使用した場合は「約5.7倍」になる

という統計が出ていること。
もう、びっくりしました。

出典:公益財団法人 日本心臓財団「令和2年版 救急・救助の現況 総務省消防庁」

いただきました、『普通救命講習修了証』!

こんなものをいただけると思っていなかったので、テンション上がりました!

これがあるから何か役に立つ、というものではないですが、私にとっては『誰かに何かがあった時』に行動に移せるだけの知識と訓練をしたという証であり、実際に行動に移すための勇気をくれるものになりました。

皆さんも受けましょう、そして周りの方にも勧めましょう

先の日本心臓財団の資料から、令和元年度は126,271人が心肺停止で救急搬送されている、となっています。

この数字、多いと思いますか?少ないと思いますか?

きっと、結構な頻度で救急車を見たりサイレンを聞いたりしていると思います。
試しに、お住いの自治体名と"救急出動件数"で検索してみてください。
ちなみに、私の住む新潟市、令和元年度は急病だけで24,703件、1日当たり67件の出動があります。

これが自分の家族であったり、大切なひとであったら・・・。

そう思うと、他人事で居られなくなりませんか?

自分の大切なひとを助けるためだけの講習ではないですが、すくなくとも私は、自分のかかわる範囲で誰かを助けることができるようになりたいと思えるようになりました。

自分がいくら講習を受けても、その場に居合わせることができないかもしれません。
ですが、講習を受ける人が多ければ多いほど、自分の大切なひとが助かる可能性が大きくなります。

まだ受講されたことのない方は、是非受けてみてください。
そして、周りの方に勧めてください!

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