見出し画像

仕事が出来ない人がやらないこと(ボトルネックの解消)

■仕事のボトルネックとは?
 仕事ができない人の特徴の一つは、仕事のボトルネックを把握していないということです。ボトルネックとは、空き瓶のような入れ物の一番狭いところです。例えば、ジュースのビンに棒を入れる場合を考えてみましょう。この場合、ビンの入り口よりも太い棒というのは入らないですよね。つまり、ジュースの空きビンのボトルネックは、ビンの入り口の部分ということになります。

 これは仕事にも当てはまります。例えば、会社のPRの一環として動画コンテンツを作成していくという仕事があって、1カ月で20本の動画を作成しなくてはならなかったとします。しかし、現状、2日で1本ペースでしか動画を作成できませんでした。これでは、1カ月(20営業日)で10本しか動画の作成ができません。この時にボトルネックの把握と解消が重要になるのです。

■ボトルネックの特定と解消
 ボトルネックの特定と解消には5つのステップがあります。

①目的の把握
 まずもって大切なことというのは、仕事の目的を把握するということです。今回のケースは、1カ月で20本の動画を作成するということが目的となっています。しかし、実際の仕事においては、このように分かりやすいケースばかりではありません。報告書をまとめてほしいとか、顧客へのプレゼンを準備してほしいといったような形でアウトプットや期限が曖昧に提示される場合もあります。ですから、まず、本当に求められていることをしっかりと把握することが重要になります。

②仕事のプロセスの把握
 次に大切なことは、仕事のプロセスを明らかにすることです。仕事の最終的なゴールを達成するためには、いくつかの工程に分かれることがほとんどです。今回の動画コンテンツ作成のケースでは、A~Eのような5つのステップに分けることが可能です。

 A. 企画(2件/日)
 B. 撮影(3件/日)
 C. 編集(0.5件/日)
 D. テロップ(2件/日)
 E. アップロード(10件/日)

③作業工数の明確化
 仕事のプロセスを明らかにした後には、各工程の作業工数を明確にします。上記の「カッコ内」の数字が作業工数を表しています。今回は、1日当たりに何件処理できるのかということを作業工数として示しています。

④ボトルネックの特定
 このように、プロセスごとに処理件数が明らかになると、どこがボトルネックになっているのかが分かります。今回のケースでは、Cの編集に時間がかかっていることが分かります。C以外のタスクがどれだけ早く終わっても、編集作業が2日で1件しか終えることができませんので、1カ月で作成できる動画の件数は、10件ということになってしまいます。このように、仕事はボトルネックに引きずられて、遅くなってしまいます。

⑤ボトルネックを解消するための対策
 ボトルネックが把握できれば、ボトルネックを解消するための改善策を検討します。今回のケースであれば、編集のやり方を変える、編集する人を追加するなどの対策が考えられます。そして、ボトルネックが解消されれば、仕事の効率を実際に上げていくことが可能となるのです。

 仕事ができる人というのは、このボトルネックの把握を無意識で行っていることが多いです。そういう人というのは、仕事の目的を達成することに対して、執着とも呼べるほどの強い意志を持っています。そして、目的を達成するためには、ボトルネックを解消することが最も近道であることを知っています。ですから、ボトルネック以外のことについては目もくれずに、ボトルネックの解消に集中します。仕事で成果をあげる人の行動を観察していると必ずボトルネックに対してアクションを起こしていることに気が付くはずです。

 いきなりボトルネックの解消をして仕事の生産性を高めることは難しい場合が多いです。まずは、第一歩として日々の仕事の目的とボトルネックを把握すること、そしてボトルネックの解消に集中することから始めてみてはいかがでしょうか。

(第3回 2021/4/6)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?