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女に生まれた罰金

「女に生まれた罰金みたい」
薬局で3ヶ月分の低用量ピルと引き換えに、紙幣を渡しながら思いました。

社会人2、3年目、25歳を過ぎた辺りからPMSが重くなり、ピルを服用し始めました。

私は生理中の腹痛や腰痛に加え、精神的に不安定になるPMSの症状がとてもつらかったです。他人の些細な一言で壁にパンチしたくなった次の瞬間、自分なんか死ねばいいのにと奈落の底へ。
生理が始まれば一転、無敵のヒロインモードでした。自分で自分が怖くなるほど、生理前後で性格が変わるのです。

低用量ピルを服用して一番嬉しかったのは、気分のジェットコースターがなくなったこと。生理前、生理中を合わせたら月の半分くらいは体調不良だったのが、いつも一定の体調と気分で過ごせるのです。

お金の話に戻りますね。
私の場合は、3ヶ月に1回婦人科に行き、3ヶ月分のピルを処方してもらって約5000円。
年間約2万5千円の出費です。
保険適用の薬を処方してもらっていますが、体に合わずに保険が効かないピルを服用している方もいるでしょう。
閉経までのナプキン費用はおよそ30万円だという記事を、以前どこかの記事で読みました。
人によってはカイロが必需品だったり、漢方を飲んでいる方もいますよね。

毎月のランニングコストはなるべく抑えたいと思いつつ、ピル服用前の状態に戻ると思うと、ピルをやめる決断がなかなかできません。

女に生まれなければこの出費はかからなかったのに…!
元気に働くために、稼いだお金をピル代に変えている…!
と思ってしまいます。快適に過ごせているのも現代医療のおかげなんですけどね。

でも、「女」って楽しいです。少なくとも私は。
正確には「生きていることは楽しい」
気が合う友達とおしゃべりするのは楽しい。面白い演劇に出会うと楽しい。美味しいご飯を作れたら楽しい。
少なくとも、生まれ持った生殖機能によって「生」を否定する人を1人でも減らしたい、、と思っています。

ナプキンは軽減税率の対象になっていませんよね。
生理の貧困問題もコロナで浮き彫りになりました。
この2つの事実を前にすると、私には「自己責任」という四文字が浮かびます。
ナプキンを買うことは女性の「自己責任」なのでしょうか。
ナプキン代を切る詰めて食費に回さないといけない女性も「自己責任」で受け入れないと行けないのでしょうか。
これは社会構造の問題ではないのでしょうか。

なんとかするから待ってろよ。




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