「見守り」は転倒防止策になり得るか!~見守りという転倒防止対策③~
ちょうど1か月前の12/16、相談いただいた内容から始まった
『見守りという転倒再発防止対策』のブログ
少し間が空きましたが、その三回目。
素晴らしい報告を相談してくださった方からいただきました!
結論から言うと、見守りは強化せず安心して転倒なくすごされているのです。これってすごいことだと思うんですね。
そして最後に、「見守り対象者が増えると転倒が増える」というロジックを記載していますので、お楽しみに。
※ 初めて見られた方は「???」と思いますので ※
※ ダイジェストとリンクをご覧ください👇 ※
■1回目:12/16「見守りばかりっておかしいよ」
女性の利用者さんに転倒事故。
そして立てた対策が
「転倒しないように見守り強化」
「対策を立てたのはいいけどしっくりこない」
という悶々とした気持ちを抱いたスタッフさんからの相談。
お話をうかがい、いくつかのポイントを託して再度お仲間とディスカッションされた後、アイデアやポイントを共有。
『「1週間限定でヒヤリハット発見強化!とにかく日常をしっかりみよう」を目的に「見守り強化」をする』ことになる。
■2回目:12/29「目標が分かるとと見方が変わる」
『「1週間限定でヒヤリハット発見強化!とにかく日常をしっかりみよう」を目的に「見守り強化」』の実践報告。
1週間みんなでやったことはたった2つ!
①些細なヒヤリハットをとにかく出す。
②気づきはどんなことでも記録(メモ)に残す
〇1週間集中した結果、スタッフさんが見つけたこと
「立とうとしたらなぜか近くにいつも職員がいて手を貸したりしてた。利用者さんが立つ前に呼んでくれてた」
「歩き始めたら安定してる」
「立つときとか歩き始める時に転んだんじゃないかなあ」
〇その後の対策
・安全に立ち上がるために、机など支えになるものがある場所に座る
もしくは座った位置に手がかりの代わりになるものを持っていこう。
・今は一人で歩いてるけどそのうち難しくなる時くるし、歩行車を積極的
に使っていこう。
・スタッフがいないところでも、どこまで安全かを判断されるために、
1週間注視していこう。
そして今回3回目の現在。
「スタッフが過剰に動くことなく、利用者さんも安心して自由にいきいき動いている」という状態がつくれています。
①立つときに手がかりがある環境をつくる。
②立った後、歩行器を使って歩いてくださる。歩行器での歩行もブレーキ操作含めてヒヤリハットなし。
③ほかの利用者さんと同じ程度の見守り意識で継続可能。
1か月前にいただいた相談から、素晴らしい結果につなげてくださいました。
もし、1回目の「見守り強化」のみの対策すすんでいたら、
見守り強化のみに違和感を感じ、相談と行動、実践をしてくださったスタッフさんがいなかったら
そのスタッフさんと一緒に考えてくれ、ここまでやり通してくださった仲間がいなかったら
決して届かなかった世界。
ご利用者さんもスタッフさんもHAPPYって、すごいことですね!
今回の相談やいろんなやりとりの中で、私も多くの学びと気づきがありました。その中の一つ。
スタッフ5人で5名の見守り→1人が1人の注意
スタッフ5名で10人の見守り→1人が2人の注意
スタッフ5名で15人の見守り→ 1人が3人の注意
つまり見守りの人が増えるほど注意が分散されます。
そのうえ、人の注意は不安定で安定した持続性がありません。
だから一人の見守り能力には限度があります。
必ず注意にもれが起きてきて、それが転倒事故につながってきます。
これが「見守り対象者が増えると転倒が増える」ロジックです。
見守り強化という手段には必要な場面は多くあります。
一方で安易な「見守り強化」は、利用者さんも職員も多くの制約と負担を生んでしまいます。(詳細は2回目の投稿で)
今回のいろんな経緯のように「期間限定」「目的をもって」する見守り(というより観察)はアイデアを生んでくれると思うんですね。
人が動けば転倒リスクが、口から食べれば窒息リスクが、運転すれば交通事故リスクが生じます。
最近「生きるとは、リスクを冒して楽しむこと」という言葉と出会いました。
介護って本当にここを支えてるんだなって思ってしまいますね!
※最後まで読んでくださりありがとうございます。
この3回の投稿が、転倒防止対策としての見守りを見直すきっかけになれ
ばうれしいです。
忌憚のないご意見お待ちしていますね!
今度はテーマ変わりますが、又お越しくださいね。