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未来を創るには、まずは想いを知ることから始めよう。

まもなく4月。将来への期待や不安を抱えながら、社会人になる人も多いことでしょう。そんな方々へ。

未来を描くには、今を知ること。

身の回りで、当たり前に思える物事でも、何かしらの理由があります。自然界もそうですし、人間社会においても、誰かが何かの想いを持って実現したものが、今私たちが目の当たりにしているものだと思います。

全ては、誰かの想いから始まる

例えば、街であっても。東京という街の骨格は、関東大震災の後に、大きく現在の形に近付きました。当時の東京市長が医師の視点から、衛生観点や未来の交通である自動車が通れるようにと、幅広の道路を設計したりしました。今や古臭いと叩かれている、低賃金・長時間労働も、戦後に何とか一時はアイデンテティーが無くなりかけていた日本を立て直そうと、今の団塊世代が必死になった結果、高度経済成長をもたらした成果から来ています。

時代は変化する

それが誰かの想いだとしても、時代によって変化します。長時間労働は健康衛生上の問題もありますし、日本全体、企業で賃金を上げる未来が見えないならば、低賃金で働き続けるには限界があります。想いは、やりたいことをやりたい、好きな人と一緒にいたい、という普遍的なものもありますが、時代のニーズによるものも多くあります。

理不尽さはどこからくる?

社会人になって会社にいくと、訳わからない、古臭いルールがあったりとか、どうでもいいと思えるような細かいことを指摘されるとか、なぜか自分のせいじゃないことで上司に怒られたりとか。まあいろいろあると思います。僕にもありました、というか今でもあります。

歴史上、国の不満を革命という形で、仕組みを作り替えて解決しようとした人が多くいました。いくつかは成功し、というか現在の世界は、様々な「革命」によって成り立っているといってもいい。誰かが、未来をより良いものにしようとした、結果の積み重ねの現在。

確かに、現代の日本にはアップデートが追いついていない部分が多くあります。ただ、それを全て完璧にこなしたとしても、どこかで限界は残るのです。テロを起こすのもいいけれど、結局のところどこかで踏ん切り付けないと、延々と争いは絶えない。

だから、逆に世の中の仕組みを理解して、そこに合わせた方が早いんじゃないか、と思うんですよね。社会を変えるより、自分を変える方が圧倒的に早いんじゃないかと思うんですよね。

会社や世の中、周りに合わせろという話じゃないですよ。「仕組み」に最適化していくという意味で、それとは別です。

教育システムで、世の中の仕組みは理解できない

社会の仕組みは、「社会」で習ったよと。

「社会」人ですからね。「社会」をマスターしていれば話は早い。経済や政治や経営を、大学の選考で学んだならさぞ。社会人になる前に、既にプロの域になる訳です。

それでも、僕の周りには経済学を専攻しても、もう一度世の中の仕組みを学び直している人がいるのですが、それはなぜでしょう。それは、教育システムがどう作られたかを知る必要がありそうです。

以下が、学校教育法「義務教育として行われる普通教育」の文章です。昭和22年の法律です。

第21条 義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成18年法律第120号)第5条第2項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
・学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと
・学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと
・我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと
・家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
・読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
・健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
・職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。

僕たちが受けて来た義務教育の主目的がこれらです。態度を養う、生活に必要な、という言葉が多く見受けられますね。

なぜこのような教育システムができあがったのか?

考えられた1947年当時、明治生まれの大人たちは、恐怖感を味わっていたそうです。敗戦して、天皇処刑、分割統治、日本語全廃、氏名改正の噂まであったようですね。日本人としてのアイデンテティ自体が、存亡危機にあった状態であったようです。

ここからは、実際のところは僕の推察になるのですが、何とか、日本を国際社会に復帰させるための、次世代の育成に必死だったんだと思います。何が何でも、守り通すと。結果として、団塊世代の育成に成功し、高度経済成長、バブルを達成することとなりました。

1億人の人口が、必死になって、長時間労働、低賃金で働く訳です。他の国が追随できるわけがない。

今の教育システムの課題

先程の学校教育法には、「義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成18年法律第120号)第5条第2項に規定する目的を実現するため」と書かれています。目的は、平成18年にアップデートされているのですが、なぜか具体的な手法はアップデートされていない。目的に対して、やるべきことって変わるのに、これっておかしくないですか?

そもそもの目的があまりアップデートされてないか、手法のアップデートが追いついていないかどちらかという状況です。

現代は東南アジアも勤勉な人が多いし、日本人以外でも長時間・低賃金で働く人は大勢います。教育基本法に書かれている国家維持という観点では、世界最強のパスポートを発行できている時点でそこまで重点におく必要も無いし、現代は社会形成というよりも、それをどう発展させていくか社会変革を起こせる人が重宝されます。就活でも、やらされ仕事やるだけの人は要らない、と言われているはずです。

自分の未来を作るために ー尊重の上のイノベーション

未来を作るには、どんな仕組みの上に自分が立っているか、を知る必要がありそうです。そして必要であれば、おかしいと言って自分の道を突き進むか、仕組み自体を変える取り組みをすればいい。

ただ個人的には、単なる仕組みがおかしいということではなくて、誰かがどんな想いで始めたかも知って、その上で進んでいくといいと思っています。新しい道に進む、仕組みを変えることは、自分の先人たちも同じようにしてきたし、これからの人たちもそうでしょう。そこまで重要な話じゃ無いのです。

それ以上に大事なのは、新しいに向かうとき、過去を尊重しているか。想いを理解した上で次代に繋げるからこそ、仕組み以上に強力な想いが、さらに次世代に強く影響するのでは無いでしょうか。

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