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ニセてんとう虫のお話し


てんとう虫のタイキ君。

みずみずしい新緑の葉っぱに乗っています。

ムシャムシャムシャ。

おいしいなー。この葉っぱ。柔らかくてフカフカしている。

タイキ君はツヤツヤとした柔らかい葉を美味しそうに食べています。

ブーン。トンッ。

隣の葉にてんとう虫の親子がやってきました。

「僕の名前はタイキ。ここの葉は美味しいよ。一緒に食べようよ。」

タイキ君が言いました。

「うん。一緒に食べよう。」

てんとう虫親子の子供が言いました。

すると、てんとう虫親子のお母さんは嫌な顔をして言いました。

「ダメよ。彼は私たちの仲間じゃないから。」

「どうして?お母さん。タイキ君はてんとう虫だよ。僕たちと同じ模様が背中にあるよ。」

「背中にある黒い点の模様の数が本物のてんとう虫より多いのよ。それに背中の色が赤ではなくてオレンジ色でしょう?あれはニセモノの証なのよ。」

タイキ君は悲しくなりました。

今まで自分をてんとう虫だと信じてきたのです。

僕はてんとう虫じゃなかったんだ。

「タイキ君ごめんね。お母さんが仲間としか遊んじゃ行けないって言うから。」

そう言うとてんとう虫の親子は、タイキ君を無視してムシャムシャと葉っぱを食べ始めました。

また別のてんとう虫親子が近くの葉っぱにやって来ました。

タイキ君は今度はその親子に声をかけることはしませんでした。

タイキ君はだんだん寂しくなってきました。

自分がニセモノてんとう虫という事よりも、仲間に入れてもらえないことの方が悲しいのでした。

タイキ君はとうとう耐えられなくなり、その場から飛び去りました。

ブルーベリーの木の葉っぱに羽を休めたタイキ君はキョロキョロとあたりを見回しました。

ブルーベリーを摘んでいる少女がいました。

「なんて可愛らしい虫なんでしょう。
オレンジ色の背中にたくさんの黒い点々の模様があって、宝石みたい。」

その女の子はタイキ君を手に乗せて、まるで宝物を見るように眺めました。

タイキ君は嬉しくなりました。
とても幸せな暖かい優しい気持ちになりました。

背中に当たるお日様の柔らかい陽射しがタイキ君のオレンジ色の背中をキラキラと照らしました。

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スタークマンミキ
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