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せいかつの軌跡(24)
トモシの慣らし保育も、もう三日目。毎朝今生の別れのように、親子で泣き別れている。今朝は出発直前、「金井の温泉に行きたい〜!!」と大号泣。さすがにその要望には応えられない。
とはいえ、子どもの適応能力ってスゴイ。担任の先生いわく、「10分くらいすると泣き止んで、遊んでますよ〜。」とのこと。慣れない環境、寂しさにいつまでもメソメソしているのは私だけだったらしい。
今日は時間を延ばして、お昼ごろお迎えに行った。部屋を覗くと、小さな椅子にちょこんと座って給食を食べている彼が見えた。少し離れた所から見る子どもの姿は、また別の可愛さがある。しばらく陰から見ていたい気持ちになったが、私の存在にすぐ気がついた彼が飛びついてきた。近くても遠くても、どこにいてもトモシは可愛い。
毎晩眠る前、彼は今日の思い出を話してくれるようになった。
「給食のお肉と、スープ、おいしかったよ。」
「保育園で、ないたよ。うぇーんって。カカが行っちゃうから。さみしいから。」
「保育園におともだち、いるよ。女の子。かわいいよ。」
なぜかひそひそ小声で話す彼のお話の今日は、面白いもの・楽しいもので満ちていて、それを聞く時間は輝いている。この瞬間が出来るだけ長く続くように、ゆっくり大きくなってほしい。と、自分勝手にどこかに願った。
思い出はねんねの国に瞬いて
カカあのねきょうほいくえんでね、
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