せいかつの軌跡(13)

パワースポットな人

子どもたちと一緒に、友人家族の家に遊びに行った。彼女たちは金北山の麓で、馬や牛と共に自給自足の暮らしをしている。
セルフビルドのお宅は大きな窓から陽の光が差し込み、木の柱や土壁から手仕事の暖かみが感じられる。素敵なマイホーム。

掘り炬燵の堀を池や海に見立てて遊ぶ子どもたちを横目に見ながら、彼女と話をする。今日のテーマは学校教育。他愛のない話をしているだけで、いつも彼女から元気をもらっているように感じる。彼女は私にとって、パワースポットのような人だ。

そのうち、小学生たちは隣の森に遊びに出て行った。相手の居なくなったトモシから工事現場ごっこに誘われる。言われるままに、ダンプカーとショベルカーの役を交代で演じた。穏やかな良い時間だな、と思ったその時。

突然、「コケーー!!!!」

大きな鳴き声が森に響いた。声のする方には、対峙する二羽の雄鶏。羽をバタつかせ叫びながらぶつかり合う度、抜けた羽毛が舞う。動物同士の本気の喧嘩だ。

「これ、止めたほうが良いのでは、、?」と思いつつも、その激しさに圧倒され、五分ほどみんなで見入ってしまった。剥き出しの本能ってスゴイ。

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お昼すぎに帰宅し、畑の青紫蘇を入れた炒飯を作って食べた。

私の中の野性が、チャージされた一日だった。

【今日のうた】

畑から来た紫蘇はまだ柔らかい

夏の尻尾を飯と炒める



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