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Never for Ever

「大人になってからの音楽の好みは、14歳の時に聴いた音楽で形成されている」

そうかもしれないな、と思ったので、一番最初に買ったCDというテーマで書こうとしたのだが、考えてみるとわたしが14歳の頃にコンパクトディスクというものは存在しなかった💦

一番最初に買ったレコードなら覚えている。Queenの3枚目のアルバムの「Sheer Heart Attack」だったと思う。ラジオで「Killer Queen」他何曲か聴いて、なんてカッコイイんだ!と思ったのだ。ロックも何にも知らず、周りに聴いている人もいなかったのだが、今まで全く知らなかった世界に触れた喜びがあった。

わたしは高校1年だったと思うので15か16だ。本当は向いていないスポーツへの憧れからまたもや運動部に入ってしまい、毎日部活のハンドボールの練習に励む生活だった。部活の人間関係は悪くなかったし、練習するのは嫌いじゃなかったのだけど、何故かいつも心が重かった。ちゃんと説明できる理由もないのに、毎日が息苦しくてたまらなかったのだ。

Queenの音楽はわたしにとって、そういう現実を忘れさせてくれる何かがあった気がする。

それから何年かたって、高校を卒業して大学生になったころ出会ったのが、Kate Bush で、あの独特のヴォーカルと詩の世界にいっぺんで持っていかれた。これも最初はラジオで聴いて、すぐさま駅前のレコード屋に行き、ファーストアルバムをゲットした。

一番初めに買ったCDといえば、Kateの3枚目のアルバムの「Never for Ever」だったと思っていたのだが、調べてみるとこれは1980年のリリースなので、まだLPの頃だ。

LPは表面積が大きいからジャケットにもインパクトがあった。この「Never for Ever」(邦題は「魔物語」)はおびただしい数の異形のモノたちが彼女のスカートの中から出て来るという絵のコンセプトが秀逸。

そういえば1枚目のアルバムの「Kick Inside」は発売時ジャケットが3種類あって、いちばん素敵なイギリス版のジャケットのものを買い求めたのだった。輸入品で、値段は日本版よりだいぶ高かったのだけど。

そういう、ジャケットを見る楽しみというのも今は昔。しかし、彼女の曲は現在は配信サービスでほぼすべて聴くことができる。それはそれで便利な世の中になったものだと思う。

昨日今日は再び何枚かのアルバムを聴いてみたのだが、どれも全然古びて聴こえないことに驚いた。やはり時代の流行みたいなところとは彼女は一線を画していたのだなと感じる。

熱心に聴いていたころの自分の記憶や感情が蘇ってくることはあっても、当時とはすこし違った印象がするというのもまた面白い。

上手く言えないけど、彼女が曲と向かいあっている、生身な感じは今の方がよくわかる気がするのだ。聴きこんでいくと、もっと自分の感覚や感情を掘り下げてそれを表現していいんだよと、そんなことを言われているような気さえしてくる。

とまぁつらつら書いてきたが、始めて買ったCDについては書けなかったな。実のところそれが何だったのかがよくわからないのである💦

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