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一括査定サイトを活用するときの注意点

一括査定サイトを活用するときの注意点

お世話になります。
京栄コーポレーションの横川でございます。

不動産会社に価格査定を依頼する方法のひとつに「一括査定」があります。
一括査定とは、一度の情報入力で複数の不動産業者に査定依頼ができる
非常に便利なWEBサービスです。無料で手軽に依頼することができるので、近年は利用者が急増しています。

しかし、一括査定サイトは便利な反面、注意が必要なところもございます。

注意①
サイトに参加していない不動産会社もある

一括査定は不動産会社側としても、多くの売却相談を獲得できるチャンスがあり有用なサービスです。しかしその一方で、参加している会社による競争が激しいことや「別の方法で既に十分集客できている」「予算の都合上、導入していない」などといった理由から参加していな不動産会社も一定数存在しています。
不動産会社によっては、数ある一括査定サイトの中で「一括査定サイトAには参加しているけれど、一括査定サイトBには参加していない」という現象が起きます。※実際に弊社も数十社ある一括査定サイトの中から2社しか登録しておりません。そのため、「一括査定サイトの中だけで不動産会社を選ぶことが必ずしも適切ではない」という意識が持っていただいた方が良いかもしれません。

注意②
「査定額」=「売れる額」ではない。

査定額とは、各社が「この価格であれば売れるであろう」と予測する金額です。過去の成約事例や類似物件の売出し事例、物件の特徴を鑑みて、
各社とも「おおむね3ヶ月以内に売却できる金額」を予測して算出します。

「予測」ですから「売れる金額」ではないことは必ず念頭に置いて査定に
臨む必要があると思います。一括査定サイトを活用すると複数社による査定額が一度に集まります。しかし、提示された査定価格に振り回されることなく、売主様が売却価格を決定するための「参考資料」として扱うのが適切です。

注意③

査定額よりその「根拠」と「販売戦略」に注目するべき

査定資料を読み解くポイントをお伝えしたいと思います。
査定資料には、実は「価格」よりも重要な情報が存在しています。
それは、その価格を導きだした「根拠」と担当者が提案する「販売戦略」です。査定価格を見るときは、おおよその価格帯の把握に留めるのが良いと思います。査定価格以上に「査定価格に至った根拠は何か」「売却を進めていく上で、どのような販売方法を考えているのか」といった情報から「信頼できる不動産会社がどこなのか」を判断することが、不動産売却を成功に導く一歩になります。

注意④
「高額なだけの査定」に注意

高額な査定額を提案されると、やっぱり嬉しいですよね。
「こんなに高く売れるの?」「相場が上がっているんだ」と喜ばれる方も一定数いらっしゃいます。この思考に付け入り、「高額なだけの査定」を提示する不動産業者も一定数存在します。特に一括査定サイトの場合、売却の依頼が欲しいが為に、根拠のない査定額を提示する「高取り」「高値預かり」という手法を用いる業者がいます。

◆高値預かりの裏側
例えば、査定依頼を3社にした結果、下記のような査定額が出たとします。

A社:査定額 3,000~3,300万円
B社:査定額 2,800~3,200万円
C社:査定額 4,000~4,200万円

「C社なら高く売ってくれる」「C社は高く評価してくれている」思われるかもしれません。
しかし他2社が3,000万円前後にもかかわらず、C社のみ約1,000万円も高いです。こんなケースでは、C社に対して「なぜその査定に至ったのか」根拠を必ず聞くようにしましょう。そしてその説明を聞くときには「自分が買主の立場だったら、その差額に納得するか」という視点をもって聞くようにしてください。査定価格は主に周辺事例から算出されています。他社よりも明らかに高い査定価格は周辺の相場より高い価格になっています。
買主の立場でその高くなっている理由を聞いて納得できるかどうか。ということです。買主の立場でも納得させられる説明ができるとすれば、C社の担当者は敏腕営業マンですので、販売の依頼をされた方が良いでしょう。
しかし、A社やB社のほうが説得力が高く、C社が特別な根拠もなく「4,000万円~4,200万円で売れるはずだ」としているならば、C社の査定額、担当者は信用に値しないといえます。

「高値だけの査定」をする理由は、売却依頼を他社に取られないため。依頼欲しさに売れる根拠もない高い査定額を提示してしまうのです。売り出し価格が適正価格よりも著しく高ければ、購入検討者は見向きもしません。しかし、依頼だけがまず欲しい不動産会社も、それは百も承知です。売主様が「なかなかお問い合わせがない」「このままで売れるのだろうか」と不安になってきたタイミング見計らって値下げを迫り、結局は時間だけかけて適正価格もしくは、長い時間売り出していたことによって物件の鮮度が落ち、
適正価格以下で売却せざるを得ない。。。というのが末路です。

◆悪質な不動産会社を選ばないために
前述のような悪質な不動産会社を選ばないためには、「正しい情報」を根拠とした「正しい判断」が必要となります。まずは高額なだけの査定に騙されないよう、周辺の相場はどの程度なのか知っておくようにしましょう。そして売却の査定は必ず複数社に依頼すること。をお勧めいたします。

ご自身で販売中の物件情報をインターネットで調べたり、机上査定で受け取った資料を見比べたりすることでも、相場観の把握は可能です。
もし自力での把握が難しいと感じた場合は、我々業者をうまく利用していただけると良いと思います。

売却査定は、単に査定額を知ることが目的でなく、不動産会社を見極めるため、そして適正価格を知るためのものです。「正しい情報を見極める力を付ける」「正しい判断をするための情報収集をする」これらの活動を通し、業者の選定を並行して進めていきましょう。売主様と同じ方向を向いて販売活動を進めていくパートナーとなるような不動産会社を選んでいただけたら幸いです。

今回は以上になります。
次回は査定方法「机上査定」と「訪問査定」についてコメントしたいと思います。お時間があるタイミングでご覧になっていただけますと幸甚でございます。今後とも宜しくお願いいたします。

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