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のんびり鎌倉紀行 4番『長谷寺』月下の紅葉ライトアップ

 次はいつ、鎌倉に行けるのだろう・・・

 と、遠い目をしていましたが、案外早くその日はやってきました。

 空ちゃんから

「長谷寺で紅葉のライトアップがあるらしいんだけど、どうする?」

 というお誘いが。

 これまで、夜の外出というのをずっとしていなかったみらっち。

 このご時世ということもありましたが、なんとなく気が引けて、夜は避けていました。

「あのさ。お母さん、今度夜出かけてくるわ」

 1週間くらい前にもじもじしながら息子に言うと、

「は~い。どうぞ~」

 というどうでもよさそうな返事。
 ていうかむしろ歓迎。笑

 それでもなんとなく1週間ばかり、「お母さん、夜出かけるから」を会話の合間に時折ジャブのようにさしはさんでいました。

 幾分、うきうきしていたのでしょう。

 夜遊びでもないのにね。
 ていうか、子供生まれるまで、夜遊びしかしてなかったのにね。笑

 そんなわけで、久しぶりの夜のお出かけです。

***

 長谷寺は昨年から、開基1300年の記念で色々な催しをしています。

 私たちが長谷寺に参拝したのは、ちょうど昨年の11月。

  今回は12月にずれ込みましたが、ギリギリセーフで紅葉の季節。

紅葉のポスター



 長谷寺では2022年11月18日~12月11日まで、紅葉のライトアップが開催されていました。

 このライトアップ企画は毎年恒例で、普段は16時30分の閉山ですが、この期間中だけ、夜間もお寺を公開して行っています(ライトアップは日没~19時までで、閉山は19時半)。

 神奈川のタウンニュースによると、長谷寺さんは昨年から始まった本尊造立1300年のイベントを、感染症流行禍の影響を考慮して、企画を1年延長して実施してきたとのこと。

 そのフィナーレを飾る「光のインスタレーション〜あまねく光〜」というイベントが、2022年11月18日~11月27日まで開催されていました。
 空間デザイナーの長谷川喜美さんによる、切り絵のスタイルを用いたイベントだったそうです。

  光のインスタレーションは27日までだったので、こちらには間に合いませんでしたが、なんとか滑り込みで、紅葉ライトアップに行くことができました。

 今回はそのご報告です。

 写真多めでお送りします!
 ますます腕に磨きがかかってきた空ちゃんの写真でお楽しみください✨

***

 さて。

 お参りして御朱印もいただきたいので、閉館時間の少し前には着いておきたい、ということで、15時半頃、長谷寺さんに到着。

1300年記念行事は12月18日まで
金の提灯も見納めでしょうか

 無事お参りをして、御朱印をいただきます。
 相変わらず大きくて荘厳な観音様。
 (ご本尊様は写真撮影できないので、どうぞHPをご覧ください)。

 こちらの巨大な観音様は、なんと1本の巨木から彫られていて、しかもそれは巨木の半分。徳道上人という奈良時代の高僧が、巨大な楠から二体の観音様を彫り上げたと言います。一体は奈良の長谷寺にあり、もう一体をご縁のある土地を求めて海に流したところ、15年後にこの鎌倉の地に流れ着いたという古文書があるそうです。

 御足参り祈願の方も沢山いらっしゃいました。

 普段は観音様の御足もとは覆いをされているのですが、この期間中はそれが外され、素足を晒していらっしゃる観音様。
 その観音様のおみ足に触れてご縁を結び、祈願するものが「御足参り」です(感染症禍のため記念手ぬぐいを敷いて触れます)。

 前回訪れた際、私たちも御足参りをしています。

 御足参りは、1300年行事の納めの日である12月18日まで。
 普段は16時までの受付で16時半までの行事でしたが、この日は19時半までの受付で20時まで開催されるようです。
 詳しくはHPをどうぞ。


御朱印は手書きで書いていただけました。

 ライトアップは一応、日没からということになっていますが、まだ、全然暗くない・・・

ライトアップするとは思えない
普段のたたずまい
少し暗くなるにつれちょっと
青い光が照らし出されました

 とりあえず、ぶらぶらして暗くなるのを待つことにしました。

見事な紅葉!絶景かな
空ちゃんの写真の腕がまた凄い


 本堂近くの展望台からも由比ガ浜が見えますが、もう少し上からのほうがよく見えるかな、と、あじさいの時期には見事なあじさいの道になる山道を登っていきます。

 結構な階段に、息が上がるヘタレなみらっち。

上まで登ると
夕陽のさす由比ガ浜が一望できます

 山道の一番上から臨んだ由比ガ浜は、夕陽に照らされ始めていました。
 ブルーとオレンジのグラデーションがとても綺麗です。

「『鎌倉殿』見て、あの浜に船が放置されてたなんて初めて知ったよ」
 と、空ちゃん。
「ああ、あの細マッチョ義村が脱いだやつね。実は八田のほうがアドリブだったやつ」
「そうそう、なんで脱ぐんだっていうやつね」

 若干、美しい夕焼けに相応しくない会話をしつつ、順路に沿って山道を降りました。

 降りたあたりには、『輪蔵りんぞう』があります。

お経が収められています
3年前は、中に入って観ることができました
(回すことはできなかったと思います)
撮影:みらっち


マニ車って
チベット仏教だけのものかと思ってました
撮影:みらっち

 そのお向かいには、3年前に精進カレーを食べた『海光庵』さん。

お坊さんがすべてを取り仕切るレストラン
特別企画のメニューもあったらしいのですが
私たちは食べずに終わってしまいました
撮影:みらっち

 さらに歩くと本堂に出ます。
 こちらは本堂の手前にある「仏足石」。
 ちらりと落ちたもみじの葉。
 風情があります。

仏足石

 立派な錦鯉たちもいます。

なぜか一か所にかたまっていた鯉たち
撮影:みらっち

 さて、一年の中ではかなり日没が早い時期ではあろうかと思いますが、まだまだ暗くなりません。

 空ちゃんと私は、ぶらぶらするのをあきらめて、ベンチに座って待つことに。

 ———結構待ちました。笑

 17時すぎ頃でしょうか。

 いよいよ暗くなってくると、灯りがともり始めます。

石畳に映ってとても幻想的なライト

 そのうち、こんな感じに。

青い~
本堂の周りに青いライトが
沢山おいてありました

 空ちゃんと私は、カイロ持参でかなりモコモコと厚着をしていったのですが、それが正解でした。
 この時間帯になるとかなり冷え込んできます。

 満月の夜でした。

月はどうしても写真に撮るのが難しい
といいながら
空ちゃんの写真は芸術的

 そしてなにより素晴らしかったのは、池に映った紅葉

池の表面が鏡のように紅葉を映しています

 何枚撮っても、どうしてもあの神秘的な池の様子を映し出すことができない、プロの機材じゃないとダメかも、スマホでは絶対無理、と空ちゃんが嘆いていました。

 少し離れた場所から見ると、水面が本当に鏡。
 透き通った鏡です。

 風や魚の動きで池の表面がゆらぐとそれが水だとわかるのですが、近づいてのぞき込むと、まるでなにか、そこに本当に向こう側の世界があるような感じです。
 息をのむような深遠。
 目が離せなくなります。
 吸い込まれそうな妖しい不思議な魅力がありました。

たしかに「映っている」のは
写真にも写るのですが・・・
そうじゃないんだよ~という感じ。笑

 写真には写らない〜
 美しさがあるからリンダリンダ。

 節電の折、こうしたライトアップには色々と思うところがある方もいらっしゃると思いますが、やはりこれほど見事だと、美しい光の演出には世知辛い世情をいっとき忘れて心を和ませる効果があるんだなと実感しました。

水面に浮かぶもみじと流れ込む水の泡
夜のもみじも美しいです


長谷寺の顔、なごみ地蔵さん。
やっとマスクを外してました
まるで誰かが乗っけたような
狙いすましたもみじの葉
空ちゃんの写真、ほんとに綺麗です
うっとり
門の提灯の裏側

 満月の下、美しい世界を堪能しました。

 お寺を離れたら、からだは冷え冷え、お腹はぺこぺこです。

 江ノ電で小町通りに戻り、『峰本』さんでお食事をいただきました。

空ちゃんは親子丼、私は天丼。
安定のおいしさ
長谷寺さんオリジナル
紙のファイルもいただきました

 夜の鎌倉はよほど目的がない限りブラブラ歩くにはちょっと怖いし、あまりお店も開いていないんですが(このご時世のせいかもしれませんが)、長谷寺さんのライトアップはとても幻想的でした。

 リア充カップルや若い方もいましたが、やはりそこはお寺。
 年輩の人が多かった印象です。

 あ、そしてやはりカメラマンがいっぱいいました!
 格好の撮影スポットかもしれません。

 池に映った紅葉は、本当に見事でおススメです。

 長谷寺さんに行きたいな、と思ってらっしゃる方は、ぜひこの時期、少し早めに現地に向かってお寺を堪能した後、幽玄のライトアップをご覧になるのも一興かと思います。

***

 とても長い時間夜の紅葉を楽しんでいた気がしましたが、お寺にいたのはほんの2時間あまり。

 お母さん、夜出かけるね!とあんなに言ってましたが、帰宅したのは二次会前どころか、飲むならこれから出かけますという時間でした。笑



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