人生は20代で決まる①(仕事編)
おはよう、こんにちは、こんばんは!
今日はTEDの名スピーカーメグ・ジェイ博士の「人生は20代で決まる」という本の中から、社会に出たての私たちがこれから自分たちの人生をデザインするにあたり、「仕事」「恋愛」「脳・肉体」について考えていくとよさそうなことを、私がこの本を読んだ上で自分なりの解釈と考えを交えつつ書いて行こうと思う。
この本の著者であるメグ・ジェイ博士はどんな方なのかというと、まぁ色々と肩書きはあるのだがヴァージニア大学の准教授であり、発達心理学、特に20代の若者の心理を専門として研究する心理学者であり、カウンセラーだ。
この「20代で人生は決まる」という本は、2012年に出版され、瞬く間に全米でベストセラーとなった。
ご本人が学者、そしてカウンセラーとして第一線を走っていらっしゃるということもあり個人的にはかなりエビデンスに基づいた本なのではないかと思う。
実際、読んでみてもとても良い本だと感じたので今回取り上げてみた。
この本では、ちょっと恐ろしい話だが『仕事選びと生涯賃金、出会いと結婚、脳と肉体の成熟』のどれもが『20代の10年間がカギである』ということを訴えている。
この本は「仕事」「恋愛」「脳・肉体」の3セクションに分かれているのだが、1記事があんまり長くなってしまうと書くのも読むのも大変なので、私のブログでは3回くらいに分けて紹介して行く予定だ。
あんまり前置きが長くなるのもあれなので、もし興味のある方はメグ・ジェイ博士について調べてみてほしいと思う。
では、早速本題に入ろう!今日は「仕事」についてのセクションだ。
なんで20代の10年間でキャリアが
決まっちゃうわけ??
21世紀に生きる今の20代は、仕事も恋愛も、容姿もすべて自分の好きなようにクリエイトするチャンスにあふれている。
だからわたしたちの多くは、こう思うかもしれない。
「年を重ねれば、さらに経験値もふえて今よりももっと自分の思い通りにうまくいくようになるだろう!」
しかしそれは幻想だ、と著者は訴える。
実際、年を重ねるほど、家族は増え、家を買い、色々な責任を負い、だんだんと身動きが取りずらい状況になっていく。
キャリアを伸ばして行くか、そうしないかの選択くらいはあるが、30代になると人生の重要な出来事が起こるペースが落ち始めるという。
人生をもっとも決定する出来事の80%は、35歳までに起こります。生涯賃金の伸びの3分の2が、キャリアの最初の10年間に起こります。わたしたちの半数以上が、30歳までに結婚しているか、だれかと付き合っているか、将来の伴侶と同棲しています。自分を変えたいなら、パーソナリティーは人生のどの時期よりも20代でいちばん変化します。脳は20代で人生最後の成長を遂げます。女性の妊娠率は28歳がピークです。
おー、、なかなか強烈な内容だ、、
かなり「言い過ぎじゃね?」と一瞬思ってしまうこともあるが、言い過ぎがちょうどいいくらいかもしれない。
過去記事でとりあげたが、孔子も30代までの積み上げの精度をいかに高くするかが大切だ、と説いていた。
詳しくは、以下のトピックから⬇︎
20代という年月は人生を決める上でとっても大切な時期だ、という事は本当にこの本を読んでいけば理解できると思う。
おそらく著者はカウンセリングをしていく過程で、多くの20代の若者たちがこの10年間を無駄に過ごし、たくさんのことをやり残したままで30代、40代になり、仕事やパートナー探し、経済面で苦労をするのを目の当たりにしていたのではないかと思う、というかそういった記述があった。
ソクラテスは「無計画の生は、生きる価値がない」といっているし、アメリカの心理学者シェルドン・コップは「本当に生きていない生は考える価値がない」といっている。さらにフロイトは「愛と仕事、仕事と愛・・・・・・それがすべてだ」といっている。
一見厳しく聞こえるが、簡潔に言うとそういうことだ、と納得する。
あたりまえっちゃあたりまえだが、人生を造り上げるチャンスをものにするなら、計画的な行動と適切な情報が必要なのだ。
アイデンティティ・キャピタルと
アイデンティティクライシス
よく「自分探しの旅に出る」という人をみかけるだろうか。
「アイデンティティ・クライシス(自己喪失)」という言葉が当てはまる。
エリク・エリクソンという精神分析家によって提唱された。
エリクソンは、このアイデンティティ・クライシスに陥る事は正常なことであり、経験すべきものというように述べた。
そして若者はしっかりと自分探しをする猶予期間を経て一人になって自分を見つめなおし、自分自身の人生を造って行く必要があると言った。
しかし、この「アイデンティティ・クライシス」に陥って現実社会に戻ってこられなくなると社会参加から遠のき20代を無駄にしてしまう危険性がある。
アイデンティティ・クライシスに陥る事は正常なことではあるが、また同時にアイデンティティ・キャピタルを手に入れようとすることが非常に重要だ、と著者は説く。
ではアイデンティティ・キャピタルとは何なのか??
アイデンティティ・キャピタルとは、時間をかけて身につけた、自分の価値を高める経験やスキルのことであり、個人的資産です。自分自身に長い間、じゅうぶんな投資をした結果、自己の一部となったものです。もっとも重要な点は、アイデンティティ・キャピタルは大人の市場に持ち込まれる資質だということ。たとえていえば、仕事や人間関係のほか、望むものを手に入れるための通貨なのです。
先ほど出てきたアイデンティティ・クライシスという言葉を提唱したエリクソンは、自身がアイデンティティ・クライシスに陥りつつも、同時にアイデンティティ・キャピタルも手に入れていった。
彼は高校を出た後、画家になりたいという夢を抱き、ヨーロッパ中を旅しながら美術クラスを受講し、橋の下で寝ることも少なくなかったという。
そして、25歳でドイツに帰ったエリクは美術講師として働き、フロイトの娘アンナの弟子となり、精神分析家の資格を得る。
30代で家族ごとアメリカへ移住し、次第に精神分析家・発達理論家として名を馳せピュリッツァー賞を受賞するまでに至る。
彼は20代のうちに、いや、10代の後半からアイデンティティ・クライシスにしっかりと陥りつつも同時に20代で自己のアイデンティティ・キャピタルを確立していったのだ。
著者はアイデンティティ・クライシスとアイデンティティ・キャピタルを同時に得ることのメリットとして以下のように語っている。
自分探しをし、同時にその途上で社会に関わっていこうとする勇気を持つ20代は、より強いアイデンティティを得ることでしょう。より高い自尊心を手にし、より辛抱強く、現実的になれるでしょう。アイデンティティ獲得への道は前向きな結果に結びつきます。自分というものをより明確に意識し、人生の満足度が高くなり、ストレス・コントロールがうまくなり、想像力が強まり、そして周囲に容易に流されることなく自分をしっかり保てるようになります。
アイデンティティ・キャピタルを育てることにより、人生に前向きになることができ、さらに幸福度が上がるという。
では自分はいったい、何のアイデンティティを確立すればよいのか??と疑問に思う人は多いと思う。
他者と明確に区別できること、これがアイデンティティの基本だ。
でも現実的にお金は稼がなくてはならないし、才能も問題だ。
さらに、アイデンティティを求めて色々職をかわったとしても、もし自分にそれが合わなければその時間や労力はすべて無駄になってしまうと考えるクライアントは多い。
たしかに、「何かを決めること」というのは、一見この選択によってほかの選択肢が閉ざされてしまうように感じてしまうものだ。
しかし、そうやって行動しない事は問題を先延ばしにしているに過ぎない、と著者は言う。
さらに、これまでの20年以上、自己を形成してきた経歴から「何をすべきか」という問題に関してはもう自分の中に答えはあるという。
ただそれは「無意識の知」といって、私たちが自分自身、心の奥底で本当は知っていても、それは表面上表に出てくることはなく普段忘れている事柄のようだ。
感じてはいても言葉にしない真実であったり、昔見失った夢であったり・・・
それらの存在を認めて自分の現実世界に反映させる事は、他者がどう思うのかと考えると怖くてできない、都合が悪いから私たちの多くは知らないことにしたいのだ。
しかしそれに相反するように、人はそれぞれ自分の可能性を追求したいという欲求を秘めている。
著書ではまずは、『自分の才能や得意分野を見極めて、周囲の世界でどう生かしていくべきかを知らなければならない』といっている。
これは私の過去記事で取り上げた、渋沢栄一や孔子も似たような事を言っている。
ただ、それに対して、才能を見極め行動に移し、スタートラインに立ち、積み上げて行くことに成功している人はなかなか一握りなのかもしれない。
多くの人は、うっすらと自分の適正に気がつきながらも、もやもやを抱えつつ、なかなか行動に移すまでには至らないのかもしれない。。
大胆な方向転換がしやすいのは20代なのだ、だから著者もこの10年間の大切さについて説いているのだと思う。
もしこの記事が何かを考え直すきっかけとなれば幸いだ。
仕事のセクションはここら辺にして、明日は恋愛のセクションについて書こうと思う!
ではでは、また明日ー!!
みっぱ
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