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○○メソット、○○式健康法

すごく好きな染めから鞄を作る女性作家さんがいらして私も何年か前に購入して経年変化を楽しんでいた。

一度お逢いしたこともあって

SNSで相互フォローの関係で作品を見たりするのが
とても楽しかったのだけれど、最近の雲行きが若干怪しくなってきた。

私が二度目の乳がんが出て入院することになった時に某精神科医の書いた栄養メソッド本を勧められた。「自分はコレをやってからとても健康だ」…と。

私はその時は「そうですか、私はあまり興味がないです。標準治療が1番だと考えてますから」的な返信をしたと思う。

そのあと、ちょいちょいその精神科医のメソッドをタイムラインに落としはじめ、

「何回も病気になる人なんでだろう…
○○先生の本読んだらいいのに」

…と「え?決め撃ち?」な投稿が増えてきた。

おそらく、本人は心から心酔してるし
そのメソッドで疲れやすかった身体が元気になったと信じておられるので
そっとしておくか…と思ってしばらくは様子を見ていたが気になりますやん。興味本位でamazonで
書籍を見てみることに…

何冊も出している本を見てみたが相当ヤバ目。
自分の栄養学で「がん」「うつ」「発達障害」「多動」「学習障害」などありとあらゆる病気が治る…というのだ。
帯には「新型コロナも怖くない」だって。大きく出たね!
…俗に言うこの世には存在しない「マジックフード」そのものじゃないの。
きちんと医師免許も持っていて精神科医らしい…。かなりの香ばしさ。

なんでも知りたがりのワイ、
○○先生についてTwitterや Googleなどで調べてみた。その精神科医本人もTwitterやってるけどまともな医者からのフォローが1人もいない。(あ!察し!)

やってみたけどアレはインチキと着地した方のブログなどで知ったが本の冒頭に
まず「この健康法をするにあたって主治医に絶対相談するな」的なことが書いてあるらしい。

クロやんけ。

講演に行った人によると
「このやり方で治らなかった人は1人もいない、
全員完治した」と断言されるそうだ。

クロやんけ。

あかんヤツ、100%とか絶対治るはインチキ医学フィルターだぞ。

amazonのレビューの星も多く、
どういう現象やねん…と思っていたが相当入れ込んでいる方が星付けるよね。amazonの星の数はマジあてにならない…。でも星の数で買うよね。
増刷かかってるよね…。嗚呼。

がんになって1番萎えるのが
親切心だが無知な人たちの
「良かれと思って」…をいなす事。
ガンを知らなすぎるが説明する義理もない。

もうね、余計なことが面倒なのよ。
考えること山ほどあるっちゅうの。
論破もできるけどヤル気もない。


こっち側にしてみたら…「病気になってかわいそう」目線も必要ないし

プロテイン飲んでサプリメント飲んだら治るとかそんなに単純な話かね……とも思う。

そんなに簡単なら私の信頼する乳腺外科センター長ナイスミドル先生が私に教えてくれるはず。


彼女について申し訳ないけど人はいいんだと思う。
だけどこっち側の悲哀を知らなすぎだ。


乳がんとは宣告されてからが選択の連続だ。
おそらく彼女の想像する「がん」と我々が知る「がん」は別物だろう。想像を越える選択肢を短い時間で決定して行かねばならないのだ。


そして、若い世代の苦しさも知らない彼女が
あまりに滑稽に思えてだんだん辛くなってきた。
私はこちら側の事情を知り過ぎている。
だって、こちら側だから。


もちろん闘う気もないし「コレがすごくいいんだから!」と天真爛漫に
浅いモノを見せ続けられるのも心削られるな…と
エロ以外で初めてブロックをした。

どうかそのメソッドでずっと健康でいて天真爛漫でいてくれることを願う。
こっち側に来ちゃダメだよ。あなたはまだがんになってないし、がんは「糖分」が原因だと思い込んでいる。がんに由来がいろいろあるのも知らないのだろう。

私はこっち側にきて「がん」ってお金になるんだな…と思った。それは「うつ」も「発達障害」もそうだろう。治せるものなら治したい。この辛い気持ちを取り除いてくれるならと溺れる水面から手を伸ばして我々はお金を払うのだ。

残念ながら、そんなにうまい話は無いんだけど…


藁にもすがりたい気持ちの隙間にスッと入る輩が
巷には溢れていて、それをなんとか駆逐したいと考えて正しい医療情報発信を頑張っておられる先生方もいらっしゃる。

自分に情報精査力をつけて行くしかないのだ。
信じるのは自由だが発信元は責任は絶対に取ってくれません。

インチキ医学に時間取られてガン治療が遅れた…なんてことがないように願うし、今回のことで多少なりとも流石の私もダメージ受けてるな…と思った。

きっと彼女のことも作品も好きだったからだ。
残念だったな…それでもあなたの幸福を祈ってる。


花に嵐の例えもあるぞ、さよならだけが人生だ。


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