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息子の脳出血~普通に生活するって?

再発による脳出血。

ちょうど医学部受験の3浪に入ったときです。

それが5回目のの出血。5月に出血して半年は使い物にならない状態だった。11月ごろようやく繋がったのかなんとか勉強を始めていた。

そして翌年、晴れて大学に入学して、張り切っていたころです。

前期試験の直前に6回目の脳出血でした。大学で発症し、意識がもうろうとする中、自分でタクシーで附属病院まで行きました。病院の入り口でもう歩けない状態だったので運転手さんが病院の人を呼んで車いすで入ったようです。その後病院から職場に連絡がありました。駆けつけた時は落ち着いていましたし、主治医からの指示書を大学に提出していたので、すぐに女子医大の主治医と連絡を取ってくれていました。対応と処置の仕方に問題があれば今までの治療が無駄になりかねない。指示書は大事だと思いました。

ほぼ一月入院と自宅療養。

そして追試のお願いをして、8月に追試を受けました。

結果は殆どダメでした。本人曰く、まったくわからなかった・・・数学も化学も・・・英語も・・・全部だよ。と嘆いていましたね。

あんなに頑張っていたのにね・・・

あの後、主治医とはできる限り早く治せないかと話し合ったのですが、

私の気持ちは経過観察。ガンマナイフを受けてまだ1年

とてもほかの治療をすることは受け入れることができませんでした。

本人はとても焦りを感じていたので、早く治療結果が欲しかったようですが。私の希望の通り経過観察になりました。


あれから半年後、息子は、何とも疲れる。といいます。

朝も辛いし、とにかくいつも疲れている。

そして頭痛。めまい。安定しない感触・・・・

本人も再発の可能性を考えていたのか・・・・でも病院に行くことを気持ち避けていたように思います。

そして、1月

あまりにも状態が悪くなったので、女子医大に連絡。

主治医と連絡を取り、状況を説明するとすぐに来るようにと

病院ではベッドの確保もしてくれた。

でも、気持ちそれはいやだよね・・・・って私たちも本人も思いは一緒。

検査結果は出血ではなかった。

ガンマナイフの経過も良かった。

先ずはほっとした。もちろん私たちだけじゃない。先生も同じ思いだったと。

ではなぜ、そうなるんだろう・・・・

私の憶測だけど、やっぱり6回も出血していると

脳の機能は損なわれているところがあるのは避けられない。

血腫は消えているけれど・・・

出血して手術されてた方たちが連絡をくださった人達のなかに

映画館で気分が悪くなったり、頭痛が酷くなったりということがありました。

既に病巣はなくなっているのにです。

何らかの影響があるということですよね。

病理学的には、異常はないという結果になっています。

どこにも異常は見られない。

でも疲れやすいとか、ちょっとしたことで頭痛が始まるとか

気持ちが悪くなるとかあるようです。

精神的なことというドクターもいるようですが、子供に精神的なことというのはありえないのです。

元気なら意識せずに遊ぶからです。

異状があるからおかしいと思う。

脳に傷があるということは、やはりどこか普通ではないのかもしれません。

普通とは

意識せずに生活できること・・・かな

私はひどい片頭痛持ちです。

トリプトン製剤を欠かすことができません。イミグランかレルパックスは常備しています。

毎日飲んでいるような感じです。

かといって、脳出血をしたこともなくMRIでも異状はありません。

でも子供のころからずっと持っている持病のようなものです。

これも異常なんだろうね。

なので、傷があればもっと何かしらの異常があってもおかしくないと考えます。

ただ、これだけは言えます。

完璧な脳なんてたぶんないのでしょう。

天才にありがちなアスペルガー。サヴァンなどもそういうことの極端な例です。

怒りやすい、泣きやすい、感情の管理がうまくできない・・・・普通にいますね。

覚えられない、忘れる・・・・これの最たるものは認知症。

そう考えると、人は不完全な脳をもって生まれてきていると思う方が自然かもしれません。

職場にもよくいる問題ある人・・・・

人間関係がうまくいかない、あるいはできない

単純に感情論でかたずけることはできないのではないかと思います。

異状があるから、病気ですか?

それは違います。

ただ生きにくい・・・そういうことになるかもしれません。

そう考えると、脳に傷を持ってしまっても、気にすることはないのかなって

思います。今の時代はなんでも病名がつきますが・・・病名がない時代ではちょっと変わった人の範囲だった。

脳出血とか脳腫瘍とかとにかく脳に傷をつける病気はたくさんありますが、

とにかく回復すればいい・・・回復したら普通に生活を・・・

この普通に生活というところに

自分たちの勝手な思い込みがあるように思えます。

息子は、脳出血、血管異常・・・・そして治療・・・・そうやって乗り越えてきた。

だとしたら、何かができて何かができなくても不思議ではないなって思う。

できることがあれば十分すごいことなんです。

治療を終えた皆さんが次に思うこと・・・・

「普通に」

でもこれは病気があってもなくても大変なことだと思っています。

さて、普通ってどういう状態を言いますか?

息子には、疲れたら生活改善すればいいといいます。

健康は基本食事からです。

睡眠・食事で回復できるようにできていますから。基本は

くよくよ考えない。これはうちの家族の共通の姿勢。

だから今日も良い日だったと言えるし、明日も楽しいだろうって思える。

そう、今は普通に明日のことを語れるから。


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