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森林を通して私が伝えたいこと

こんにちは!
今日はひさしぶりに長文で書きます。

皆さんは森に対してどんなイメージを持っているでしょうか?
木漏れ日が綺麗だったり、川のせせらぎが聞こえたり、踏み締めた土の香りや鳥の鳴き声など…

では、家の近くの山に対してはどんなイメージをお持ちでしょうか?
熊やイノシシの被害や土砂災害の被害、もしくは辛かった山登りの思い出が浮かぶでしょうか。
もしくは、身の回りにある当たり前の風景を思い浮かべるかもしれません。

日本は国土の7割を森林が占め、フィンランドに次いで2番目に森林率の高い、世界有数の森林大国です。
一方で、国内での木材自給率は40.7%(2022年)と、輸入している木材のほうが割合としては多いわけです。

ここ2,3年で大きく変わった国産材事情

ここ2,3年、特にコロナ禍において起きたウッドショックも影響してか、国産材の需要は回復しつつありますが、国内では盗伐事件や林業従事者の高齢化、獣害の深刻化、関西では鹿の食害など、さまざまな問題を抱えています。

自伐型林業が盛んに行われ、街全体が林業に真剣に向き合っている地域もありますが、その温度感は地域によって異なるのではないかなと私は考えています。

そんな中、今私が一番懸念しているのが、ボランティア活動によって成り立っている森林が本当に多いことです。
学生時代からずっと森林ボランティア活動に取り組んできましたが、林業は本当にお金がかかります。林内を走る車代や燃料、チェーンソーなどの機材代、作業する人の保険料、ロープやのこ、なたなどの消耗品、ヘルメット、など、備品を揃え、作業する人の安全を確保し、林内の地形に合わせた機械の導入など、本当にものすごい桁で毎年支出があるのを私も知っています。

一方で収入として大きく柱になるのは、切り出した木々と、その加工品、そしてきのこなどの副産物、そして、助成金です。
これまではボランティア活動で成り立っていた森林も、参加できるボランティアの大半が高齢者であり、このまま若い世代が現状の森林を知らずに林業の担い手が減っていけば、日本の森林は荒れ果て、各地で土砂災害が起き、熊やイノシシの獣害が今よりも多発し、街の生活が脅かされる現状が待ち受けている可能性もあると私は考えています。

また、森が荒廃すれば森林が吸収する二酸化炭素の量も減っていき、ゆくゆくはその影響は川を下り、もしくは大気を通じて海へと循環していくでしょう。

「共存」とは

昨今、生物多様性や多様性の尊重など、「一人一人がそれぞれ個性を持っていること」についてフォーカスされがちですが、人も動物の一部であり、植物や菌類などとの優劣はつけられないと私は考えています。

例えば、ヴィーガンに最近スポットがよく当てられますが、動物が意思を持つのであれば、植物も意思を当然持っていると私は思うのです。
野菜もその命を刈り取られ、人の体内に吸収されていく。
食物連鎖は自然界の摂理ですから、ある日全人類が突然牛や豚を食べることをやめてしまったら、自然界のバランスは崩れてしまうでしょう。

森林も同様で、これまで人が手入れしてきた森林をいきなり手放してしまったら、森林の生態系は崩れ、林内で生活していた動物たちは食を失うかもしれません。
食を失った動物は、人の住む街中に出てくるかもしれませんよね。

熊や鹿の被害がここ数年増えているのは、当然森林内の豊凶もあると思いますが、そういった事情も否定はできないのではないかと私は考えています。

生物多様性とは、自分が今生きている環境において、行動を変えることで起きうる影響を想像した上で、自分自身がどういう価値基準で生きていくのか決定していく…このゴミを道端に捨てたら地球全体にどういう影響があるのか、思いを馳せながら生きる、例えばそんなことだと思っていて、共存するとは、お互いに影響し合いながら生きていることを常に意識することだと私は考えています。
物事は全て表裏一体で、メリットデメリットが必ず存在することを意識することが大事だと思っています。

森林は普通に日常生活を送っていると忘れがちなことを教えてくれる

この「共存」という概念は、人間同士の関係性の構築においても欠かせない考え方だと私は思っています。
ですが、日頃自分の生活のために一所懸命生きていると、自分の発言や行動、何気なく発した言葉が周りに莫大な影響を与えている可能性を忘れがちです。何気なく発した言葉に傷つき、また傷つけもしてきた私ですが、人も動物ですから「共存」の意識を持って生きるだけで、世の中は今よりずっと誰にとっても生きやすい世の中になると私は信じています。

森林は私たちの目には見えないですが、高い木々の下には下層植生が広がっていて、その下にはたくさんの虫たちがいて、さらにその下の土にはもっとたくさんん菌類や微生物が共存して暮らしています。
何か一つ微生物がいなくなるだけでも、森林内の様子はどんどん変わっていきます。
森の中に入ると自分がちっぽけに感じるのは、人間も生態系の一部でしかないことを味わうことができるからだと私は思っています。
このような機会は、ボランティアから引退する高齢者が増えるにつれて、どんどん失われていくと個人的に考えています。荒廃しすぎた森林は、枯れ枝や落木・落石の危険があり、人が簡単に入れる場所ではなくなるからです。

森林について私が目指していること

森林について、日々考え、また周りの方々に広く知っていただくことで、私はまずは森林の多様性に触れ、自然と共存するとはどういうことか、それぞれが考えるきっかけを作って欲しいと考えています。
そこに答えはおそらくありません。それぞれが自分の考えを持って行動することで、地球環境は自ずと良くなっていくと私は信じています。

そして願わくば、この活動をきちんとビジネスとして確立させ、ボランティアではなく地球を良くするための「仕事」として、マネタイズできるようにしていきたいと考えています。
ボランティアは金銭も発生しないため、どうしても自分自身の生活や趣味・遊びを優先してしまいがちですが、ビジネスにすることで金銭のやり取りが発生します。山に来ていただいて、いただいたお金を元手に180年後も日本の里山が人と動物の共存する場所にしたい。
私はそう思っています。

まずは地域ごとの現状を知ることから

とはいえ、日本は南北に長い国ですから、各地でその地域に自生する植物や木々は本当に多種多様です。各地域ごとに生態系が成り立っています。
私は京都の大学で森林を学んできましたから、関西地方の森林事情はよく知っていますが、千葉県内の森林事情はまた関西とは全く変わってきます。

各地で抱える事情は違えど、全国で共通して言えるのは、やはり林業従事者やボランティアの高齢化が大きな課題であること。
27歳の私の視点で、どうしたらそこにまず問題提起できる人が増えるのか。考えた結論が、各地で森林・里山・竹林フォトウォークを開催すること。

SDGsに特化したクロスロードゲームも実は販売されていますので、今後年内にそのクロスロードゲームを主催できるようになりたいとも考えています。

今後も主にInstagramにて活動を発信していきますので、よかったらフォローお願い致します🙇🏻‍♀️



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