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冬までいい子にして待っていると言ったはずだった。会えないのは、寂しかった。 *** いつもわたしから連絡してはあのひとが返事をくれて、あのひとは決して自分がボールを持ったままにしないからわたしがなんとなく引いてラリーを止めてしまうのが常だったのに、冬にまた仕事でミオちゃんの住む町に行くよと、珍しくあのひとのほうから連絡が来た。 わたしが願を掛けずとも、あのひとが己の思いの強さだけを縁にしてわたしとは無関係にまたこの町にやってくる日が来るだろうということは分かっていたもの