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日記再開

2月3月と立て続けに大事な人を失って、日記とか書いてる場合じゃなかったので、だいぶブランクがあいてしまった。さんざんな2024年だ。2月はおばあちゃんを見送ったのだった。96歳だった。96歳なので、もういつお別れの日が来てもおかしくない。家族は皆覚悟はできていたのだが、詳細は書けないがおばあちゃんを取り巻く親戚同士の揉め事がこじれにこじれ、何度「おばあちゃんもう早く逝って!」とひそかに胸の内で叫んだだろう。去年から続いていたその長い長い闘いがやっと終わったともいえる。母も私も、家族一同もくたびれ果てていたので、おばあちゃんとのお別れの寂しさ半分、安堵半分が正直なところだった。

私が台湾旅行に行くフライトの搭乗ゲートが閉まる数分前に母親からLINEが来て、祖母の訃報を知った。そのわずか数分で私は戻るか乗るかを迷い、乗る方を選んだ。いずれにしても後悔はない。台湾でおばあちゃんが無事天国に行けた知らせも受け取った(私のスピリチュアルセンサーで)。

おばあちゃんを見送って10日もしないうちに、私は大事な人を失った。人生で一番衝撃的な出来事だった。このことはまだ書いたり人に話したりする気持ちになれないし、この先もできるかどうかわからない。人生で一番衝撃的な出来事だったのに、書くことができない。

台湾から帰国しておばあちゃんの葬儀に出た。そのわずか10日後の雛祭りの日にその事件は起こった。ゆっくりとおばあちゃんの死を悼むということができないまま、嵐のような日々が過ぎていった。

今日おばあちゃんが夢に出てきた。鮮明な夢だった。しっかりとおばあちゃんの声で私に話しかけていた。先日も夢でおばあちゃんが夢に出てきた。すこしずつ心にゆとりが出てきた私に、おばあちゃんが会いにきてくれたんだと思う。おばあちゃんに会いたい。この世で私の下の名前を呼んでくれる数少ない人。私の大事なおばあちゃん。

とにかくそんな大きなことが立て続けに起こった上に、私は転職までした。すごいとしか言いようがない(状況が)。7月から新しい職場だ。

広告代理店に勤めはじめたのは2021年3月コロナまっさかり、スイスから帰国したての頃だった。激務だったけれど仕事は楽しかった。しかし会社は業績悪化の一途をたどって、ドラスティックな人員整理を始めた。それが2023年のこと。何年も会社に貢献してきた古いスタッフも容赦なくレイオフされていく。職場は戦々恐々。次は自分では?という恐怖と足の引っ張り合いで人間関係も悪化。働いても働いても給料が上がらないと嘆く先輩。ここは長く居る場所じゃない。。っていうか、いつ解雇通知がきてもおかしくない。そんな場所がハッピーなわけがない。ごっそり辞めていく人の残務で、私を含め残ったスタッフの負荷が増えた。仕事が増えても残業が増えても、昇給も見込めないのに。

精神的に不安定になった残った社員たちから「転職活動をしている」という声を聞くようになり、実際首を切られる前に自分から去っていく人も増えた。そんな中、私も身の振り方を考えないとと考えていたところ、ある人から紹介された会社の面接を気軽に受けてみたらトントンと採用まで漕ぎつけることができた。

希望の外資系ではないし、仕事で英語も使わない。一番のネックは完全在宅で快適に仕事をしてきたこの3年間にサヨナラを告げなければならないことだ。今度の会社は社長がアンチ在宅勤務のおっさんなのだ。

しかし、この年齢で正社員で雇ってもらえて、小さいながらも安定した企業でやりたい仕事ができるというところに感謝して、新しい縁を受け入れることにした(受け入れる!)。そう。自らつかみ取った縁というより、転がってきた縁のように感じている。あまり期待もしていなくて、また新しい地獄が待っているんだろうぐらいに思っている。ほんとに。私はそれぐらいの気持ちで働いてきた。これまでも。

2024年6月8日(土)

今回の生理はかなりヘビーだ。初日は頭がガンガンして割れるかと思った。仕事もそんなに忙しくなかったので、会議の時間以外はほとんど横になっていた。これこそ在宅勤務のメリットだ。2日目と3日目は腹下し。もともと腹が弱いがそこに生理のダブルパンチでフラフラだった。7月からの出勤が不安だ。在宅ならちょっと腹の様子がおかしくなればすぐにトイレに駆け込むことができた。今度の会社のトイレは綺麗だろうか。個室の数は?もよおした時にすぐにトイレに駆け込めないのは過敏性腸症候群の私にとって絶望的だ。

そして4日目の昨日は吐き気だった。仕事を終えてベッドに横たわり、インスタのmeetcutesnycという、街を歩くカップルに馴れ初めなどをインタビューするアカウントを眺めながら、世の中のみんなはなぜこのように最高な相手を見つけて幸せそうなのに、私は44歳にもなって夜の8時まで部屋にカンヅメで働いたあと、ボロボロの顔ででこんなもの眺めているのかと思うと胸がズキズキ痛くなってきてさめざめと泣いていたのだが、だんだん本当に気分が悪くなってきた。胸の真ん中がズキズキしすぎるし、吐き気でむかむかする。風呂に入って気分を変えようと思ったが気持ちの悪さは悪化する一方だ。これは気分の問題じゃなくて体調が絶望的に悪い。這うようにして風呂場に向かうも、胸の痛さと気分の悪さが辛くてしゃがみこんでしばらく泣いた。つらすぎ、44歳。

そんなわけで土曜日は自宅入院をやることにした。

たまにやる廃人day a.k.a. 自宅入院。なにをするかというと、とにかくなにもしないのだ。自然に目が覚めたあとも、布団にいたかったらいつまでもいていい。食べたいと思った時に食べに行けばいい。スマホを見続けてもいい。そういう自分をダメとか言わない。部屋を快適にするために、廃人dayをするためだけでもクーラーもつけていい。廃人としてベッドに横たわっているだけなのにクーラー代。。。という罪悪感が頭をよぎるが、今日に限ってはそのストイックさもいらない。とことん自分を甘やかす日なのだ。

スマホを眺めては睡魔に襲われるまま再び眠りにつき、また目を覚まし、またスマホを見て眠りに戻りを繰り返しているうちにうっすらお腹がすいてきた。でも布団から出るのが面倒臭い。自堕落すぎる。廃人も板についてきた。夕方ちかくの昼飯を食べて、私はまた布団に戻った。入院なのだからベッドにいて当たり前なのだ。

今日はずっと寝ていたのに、布団に入ればまた眠れる。夕方にオムライスを食べたので夕飯はスキップして、そのかわり三ツ矢サイダーとポッキーをコンビニで買ってきた。

昨日の吐き気も胸の苦しさもすっかり消えた。一人ってなんて快適なんだろうとまた思えてきた。私には彼氏も夫も子供もいない。今日は自宅入院やるゾ!って思い立ったらそれができる。仕事を辞めたら有給を使って一人海外旅行も行ける(韓国かハノイかで迷ってる)。新しいリュックを買おう。ヘアオイルとボディクリームも新しい香りのものを買おう。私、ちょっと疲れすぎていたみたいだ。入院一日にして、また元気が戻ってきた。

今年こそパートナーを見つけよう。

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