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「既読」というシステム



「既読」


既読がついてもう1日が立つ。いわゆる[既読無視]というやつだ。たった1日、されど1日。私にとってはとても長く感じる1日だった。

内容は今度の週末会えるかどうか、という質問だった。お泊まりに行きたい、と言ってみたものの渋られたので、ご飯だけでもどうか?とたずねてみたLINEだ。

無理なら無理、と言えばいいだけの話なのに、何を悩んでいるのだろう。どうせ会う気なんてないくせに。

「無理」と言われたら言われたで自分がへこんでしばらくめそめそするであろうことは目に見えているし、「どうせ会うわけない」と思っているのならなぜLINEをするのか自分が不思議でならない。めんどくさい女だな、と思う。

でも何も言われず放置されているのは1番嫌いだ。何かしらのアクションが欲しい。



、、ふと思ったが、「既読」も何かしらのアクションなのかもしれない。



少し前に彼が「俺LINEあんまり見ないんだよね」と言って、スマホの画面を見せてくれたことがあった。

開かれていないLINEがずらりと並んでいた。誰からのLINEなのか目を凝らして見たいところではあったが、そこはさすがに我慢した。

リズムゲームの妨げになるから、と全て非通知にしているらしい。だから私のLINEにも気づかない事が多いようだ。

彼はそんな中でも私のLINEにはわりと早めに「既読」をつける。

返事が返ってくるか返ってこないかはおいといて、とりあえず開いてはくれているわけだ。そこは少しポジティブに、いい事だ、と思うことにした。アクションを起こしてくれていると感じたからだ。

そうしたら少しだけ「既読無視」が嫌じゃなくなった。


、、というのは強がりで

本当はすぐにでも返事が欲しい。これが本音である。見たのであれば返事をしておくれ、と思う。

だからといって「未読」のままだともっと気になって1日そわそわしてしまう。仕事も手につかなくなる。何かあったのじゃないか、と不安になる。彼は今日も無事に生きているのだろうか、と心配する。

スマホのたった一つの機能におどらされて、なんて馬鹿なんだろう、とつくづく思うが、私は今もまた「既読」の2文字を見つめながら返事を待っている。


まだかなあ



みおり