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helpを出す勇気で得るもの

先日、ロケ撮影中にその日撮影しないといけなかったサングラスたちとわたしのメイク道具が入ったスーツケースが
ランチに行ってる間に車を開けられ、盗まれた

もちろんその日は撮影ストップで警察に行き、
近所を探してみたけどもちろん出てくるわけでもなく
イタリアではスリやこういった盗難があり得るので
もちろんいつも気をつけているけど

でもまさか、車に置いてて盗られるとは思ってもなかったし、一緒にいたみんなも初めての経験だったけど
その後いろんな人に稀なケースだけど車は簡単に開けられるから
ぜったい中に置いて離れたらダメだと言われた

平和な日本で生まれ育った自分には
この’あり得る’の感覚すら正常と思えないものである

その日は何というか、何が起こったのか
よくわからなかったというのが本当のところで
取り乱すこともなく
なんとなくフワフワして
まだ現実を受け入れられなかった

その後どんどんと事態を把握して現実になっていき、
今もなお、何とも言えない喪失感と闘っている

メイクを始めた20代から約10年
お金がない中ちょっとずつ買い足して最近ようやく出来上がってたわたしのメイクkit
長年愛用してきた手に馴染んでるブラシやプロダクト
もう手に入らないもの
悔やんでも戻らない現実

財布やお金をすられるよりも、わたしは今回のほうがダメージが大きい

まぁ、自分の心情などはどうでもいいんだけど
今回のことですごく感じたことがあって
それをここに書きたくなったので久々に更新しようと思いまして

今回、一緒に撮影してた仲間たちがhelpをSNSで拡散しようとの一言から始まり
それらを見たたくさんの人たちから連絡があり
この数日で本当にたくさんのプロダクトを譲ってもらったり、メッセージをもらったり
おかげで今のところその後の仕事もどうにかできている

ミラノに来てから初めてこんなに自分の側にたくさんの人がいてくれてることを知り、
暖かさを感じて、
ずっと孤独を感じてたはずなのに
皮肉にもこんなことがあったおかげでこういうことに気づけている現実

わたしは性格もあると思うし、日本で育ってなかなかの縦社会で生きてきたと思うので
人に弱音を言うこととか
なかなかできなくて

それでも今回はまわりのイタリア人に乗っかってというか、
そうじゃなきゃ崩れ落ちそうだったけど
自分でhelpを出した
連絡して、盗難にあって仕事が困難だからもし使ってないものがあれば譲ってくれないかとか
つらいとただ嘆いた時もある

みんな当たり前のようにすぐ動いてくれて
抱きしめてくれた

こういう経験をしたから
今まで頼ることが苦手だった自分が頼って
人前で感情をあらわにして泣いて
ができたのかもしれないけど

日本は、がんばれ
っていう言葉があるから
何となくつらくてもがんばらなきゃいけない
って気分にさせられるのかもしれないなと思って
(もうわたしみたいな問題を抱える人たちは時代的に少ないのかもしれないけど)

みんな戦ってるよ、とか
前向いてがんばろう、とか
感情を表に出すのは大人としてNGだとか

そのときのつらいところに寄り添うより
前を向かそうとする言葉が多いような気がするし
常識的にこうでなければってのが強い気もする
もちろんそれも優しさなんだけど

でも、だから大丈夫じゃなくても大丈夫って言っちゃうし
何も言えなくなって溜め込んで
ひとりで思い悩んでストレスで体壊したり鬱になったり
最悪には死を選んでしまったり
するんじゃないかな…
と考えていた


何でもかんでもよくしゃべり
自己アピールの強めな感情表現豊かなイタリア人からしたら
わたしのhelpを出すこと、つらいと嘆くこと、
に勇気がいることについては
あなた何言ってるの?
みたいな世界の話


何かあったこと、感じたことはすぐ口にするし
元気?
と聞いて元気じゃないときはちゃんと元気じゃないんだ、ちょっと疲れてるとか言う

このストレートな人種と生きてると
日本での元気じゃないのに元気に振る舞うとか
思ってることは伏せてその場を乱さない発言をする良さって何なんだろうと思う


今回学んだことに関しては
イタリア人の持っている愛の深さとか
コミュニケーションの取り方は忘れてはいけないなと思う

日本だと察する文化というものがあるから
受け身になりがちだし、
一般的常識から外れるとダメな人
みたいな見られ方をしたり言われたりすることもるけど
それがより感情や言葉を表に出しにくくさせてる気もするけど
ちゃんと自分からhelpを出すと
必ず誰かが手を差し伸べてくれる
予想以上に大きな愛を持って

そして伝えることによって理解される幸せを感じたり、距離がグッと狭まったりする

そういうことが普通にしやすい世の中になれば少しでも生きやすくなるんじゃないかと思う

つらいことも楽しいことも人それぞれだし
こうじゃなきゃいけないってことはひとつもない

よくなんでも言って、甘えてって言われるけどできないのって
できない自分が悪いというよりは
たぶん受け取り手にも問題があって
ただ聞いて抱きしめてもらえれば乗り越えれることをがんばれとかもっと、みたいな言葉で言っちゃうからよけいバリケードはってしまったりね

言える人には言っていいのよ
恐いもんじゃない
伝えて理解してもらうのもすごく大事なこと
と自分にも言い聞かせながら
今後もう少し自分ももっと素直にナチュラルに生きれるように努力したいところ


Mio


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