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不器用だけど自力でカメラベースを作る


せめて痛みを知らずに安らかに死ぬがよい

ミオハヤテです。北斗有情破顔拳の構えから失礼します。




やあ

これは僕のミラーレス一眼カメラ、OLYMPUSのOM-D E-M10 Mark IIです。





自画自賛したくなるいい写真

6年前に購入してから、旅の思い出を記憶し続けてくれたイケてるヤツです。




満身創痍

しかし最近はガタがきていて、この養生テープを剥がすと・・・





あっ

パッカーン。

電池フタの留め具が壊れて、閉まらなくなっちゃいました。



くそう

残念ながらこのカメラは終売してしまっており、個人ではアクセサリーパーツが手に入りにくいです。アリエクで互換品が6000円くらいで売ってましたが、電池フタだけに6000円を出すのは・・・。




せめて痛みを知らずに安らかに死ぬがよい

正規ルートで修理に出す手もありますが、新宿まで行かなければならなかったり、宅配費用を出さなきゃいけなかったりしてちょっとタイヘン。もっとコスパよく、愛着ある形で直せないかな?




赤いところね

そこで着目したのはココのネジ。本来は三脚にカメラを固定するときに使うものです。




ガッシャーン

このネジを利用して下から板みたいなのをくっつけ、電池フタを閉じるのはどうだろうか。

電池フタを閉める用途ではありませんが、カメラの土台としてつけられるこのような製品は『カメラベース』と呼ばれます。ついでに握りやすくなってくれたら一石二鳥じゃん。いいねえ。今回はこれを作ります。




ずいいっ

さっそく作ってみましょう。





ネジ穴をあける


道具はだいじ

近所の東急ハンズで調達してきました。

・細工用のこぎり(細くて薄いやつ)
・紙やすり(#80,240,400)
・端材(センノキ)
・水性塗料

余談:木材はやわらかいものを選んだ方が加工しやすいらしい。センノキはなんとなくで選びましたが、比較的DIYに向いているそうです。



シャキーン

まずは木材にネジ穴をあけてしまいましょう。




型紙はべんり

カメラの土台部分を厚紙にうつしとり、型紙を作ります。

余談:買うべき端材のサイズがわかりやすいので、型紙はお店にいくときも持っていくといいぞ。自分のサイズ感覚を信用してはいけない。




ぽんっ

これを端材にのせて・・・




穴はここだ

ネジがとおる穴の位置を決めます。




お前のドリルで天を衝け

ここで登場するのは電動ドライバー。




電ドラはぜひ一家に一台

『ウチに電動ドライバーなんて置いてないわ!』って人、マジでもっといた方が良いです。DIYだけじゃなくて家具の組み立て・解体にかかる労力がダンチだから。

そして安いものではなく、そこそこのやつを買いましょう。工具は安物~そこそこ品のあいだで性能がまったく違います。ちなみにこの電動ドライバーは2万くらいのやつです。




目標捕捉

狙いを定めて・・・




キュイン

らァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!




でんきのパワー

すぐに穴があきました。マジで簡単。





ぎゅっ

ここに紙やすり(#80)を丸めて入れて・・・





オラオラオラオラオラオラ




地道な方法が一番はやい

穴が広がりました。良い感じの大きさです。




ぴったし

ネジがとおるか試してみましょう。工具箱の中に眠っていたネジを入れてみると・・・良い感じ。





じゃきーん

カメラにつけてみるとこんな感じ。

ちなみに、穴は形状を切り出す前にあける方が良いです。この荒っぽいやり方だと穴位置の精度を出すのは難しいからです。穴あけを後回しにしてしまうと、最後に穴の位置がずれてしまえばすべての作業がパア。なので先に穴をあけてしまいましょう。




形状の切り出し


かきかき

カメラに板を取り付けて固定し、切り出す形状をマークします。




人として線がブレている

できました。これをのこぎりで切り出しましょう。





木材加工ショーの始まりや

やるぞ!!!!!!!!!




着眼大局

まずは大まかな形状に切り出しましょう。横の部分が邪魔なのでこの辺をギコギコ・・・・




切り終わりがいちばん折れやすいので注意

切れました。この細工用のこぎりは小さいながらも軽快に切れます。いい買い物をしたぜ。




自分 不器用ですから

切るときのコツですが、僕みたいな不器用な人間は曲線を切り出すなんて芸当はできないので、常に直線を意識して周りを切り出していきます。



チップ・ザナフ

つまり、こんな感じを頭の中で描いて切っていきます。




ぜったいに刃を自分の方に向けてはいけません

そしてノコギリを持つほうの手は力を抜きつつ、押さえる方の手に力を入れて切っていきます。この加減が難しいですが、慣れるとスイスイ木が切れていきます。



無心

ギコギコ・・・・・




命が生まれた

外形ができました!隣にいるのは切れっ端から生まれた「はざいくん」です。彼も両手をあげて喜んでくれていますね。わ~い。




じゃきん

固定してみると、うん、「っぽい」ぞ!



きをつけて

ここからは細かい部分を切っていきます。後の行程で紙やすりをかけて落としてもいいのですが、かなりタイヘンなのでできるだけノコギリで処理します。





こまか~い

角をちょいと落として・・・




命がふえた

良い感じに切り出せました。はざいくんも分身が増えて喜んでますね。わ~い。




紙やすりで形を整える


こういう小さなことがだいじ

一番あらい紙やすり(#80)を当て板につけます。こうすると直線が出るので、削る強さにムラが出てしまうのを防げます。



けずる

あとは好みの形状になるよう削ります。ぶっちゃけ紙やすりをかける行程が一番しんどいです。




オラオラオラオラオラオラ!!!!!!!!!!!!!



手がしんどい

ずっと続けると握力が無くなってきますが、耐えます。しんどい。切り出すのはあんなに楽しかったのに・・・。




おお

削れてきたらカメラに合わせて形状を確認します。形になってきたねえ。




なんということでしょう

・・・と、ここで問題発生。EM10 mark2は液晶部分が引き出せるようになっているのですが、ここがカメラベースと干渉してしまうことが判明。




切り出しは休憩みたいなもの

急遽、切り出し行程を行います。まあこれは楽しいので・・・




いいねえ

あっという間に完了。ということで・・・・




削る削る削る!!!!!!!!!!!!




ッシャシャシャシャシャアアアアッッッ!!!!!!





あとはカメラに取り付けて、でっぱりを確認し・・・



細部を調整!削る!!!!!!!!!!!!!




取り付けて、でっぱりを確認し・・・




削る!!!!!!!!!




削る削る削る削る削る削る削る!!!!!!!!!





ヨシ!

液晶モニタがカメラベースと干渉しなくなりました。やったね。




お次は角をとります。だいたいどんな形状にするか角にマークして・・・





削る!!!!!!!!!!!!





削る削る削る削る削る!!!!!!!!!!!!!!




オラオラオラオラオラオラ!!!!!!!!!!!!!




ア アラララァ ア アァ!!!!!!!!!!!!!!!










その瞳も くもってしまった Lost Generation

マジで果てしないです。





竹とんぼを思い出す

なんとか形状を整えました。次にいきましょう。





じゃん

お次は、ひとつ目の細かい紙やすり(#240)に変えて・・・






まきまき

当て木に巻いたら・・・




そう!!!!!削る!!!!!!!!!!!!!






じゃん

そしてもっと目の細かい紙やすり(#400)に変えて・・・




まきまき

当て木に巻いたら・・・・




言わずもがな!!!!!!!!!!!!!!!!




ウッヒョオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!




ッッッッヌルッッポポッポオオオオオオオオオ!!!!!!!




ガッ

このへんまで作業が進むと削りが「悟り」の境地まできます。

手を合わせて紙鑢神(紙やすりの神様)を拝み、森羅万象への感謝を込めて削りましょう。












一日一万回 感謝の紙やすり

できました。#400の紙やすりになってくるとかなり表面が整ってきます。手でスッベスベで触ると気持ちい~~。逆に言えば、この行程では形状はほぼ変えられないので注意しましょう。




かなり変わりました

紙やすりをかけていない木材との比較です。上の木材が切り出しただけのもの。やすりがけをした下の木材はかなり表面が細かくならされていることがわかります。




水性塗料で塗装する


I have a 木材. I have a 塗料.

さっそく取りかかりましょう。




アサヒペンさんの製品

今回買ったのはペンキュア HAKE de PAINTキャップに刷毛がついているので、これ一本で塗装できるらしいです。便利~。





こちらをよく振って・・・・





手軽に使える

ゆっくりと開けます。マニキュアのごとく、キャップに刷毛がついていますね。




チェック

切り出したときに出た端材に試し塗りをして濃さを確認したのち・・・





塗ります!!!!こういうのは勢いが大事!





???????

表が塗り終わりました。合ってる?ねえこれ合ってるの?全然わからない。





俺たちは雰囲気で木工工作をやっている

気にしてもしょうがないので乾かします。本当は風をあてるとほこりが付着してしまうそうですが、自分用なので気にしない。






ありゃまあ

乾いたものがこちら。表面が刷毛の塗りムラでデコボコしています。たぶん濃すぎました。しかしもう一度、紙やすりをかける行程があるのでそこで修正しましょう。






またかい

完全に乾いたら整地するために紙やすり(#400)をかけます。紙やすりのアンコール。握力を使い果たしたので明日はもう何も持てません。






おお

塗料をすべて剥ぎ取らないように気をつけながら、表面を整えます。つやつやしはじめました。






今度こそは

二度目の塗り。今度は水を差しつつ薄くのばすようにして慎重に塗ると・・・





は?

一緒じゃねえか。

まあいいです。これも「味」ってことにしましょう。己の不器用さを受け入れる・・・これもDIYのコツです。たぶん。





いいんだよこれで

なんだかんだいって、完成!この塗料は半ツヤタイプとのことで、光が当たるとすこしニブく光ります。意外と雰囲気あって良い感じです。





取り付けねじを作る


なげ~

さて本体は完成しましたが、まだ大事なところができていません。取り付け部分です。

これまでは仮止め用のネジを使っていましたが、これは長すぎます。持ち歩くには引っかけそうで危ない。なので、短いネジを用意する必要があります。

ですが、最寄りの東急ハンズには「ミリねじ」しか売っていませんでした。カメラ用のネジは「UNC1/4インチネジ」というものですが、こちらは取り寄せになるそうです。いやあ、わざわざネジだけのために待ちたくないなあ・・・。




キャンドゥでみつけた

と、いうわけで百均で適当なカメラ用三脚を購入し、





ごくり

これを、





きみの命は無駄にしない

こうじゃ。この右下のネジを使います。紙やすりで良い感じに長さを削ります。





わくわく

するとようやく、これまでパカッと開くしかなかった電池フタが・・・






やった~

収まった!!!!!!

色合いもブラックで統一されて良い感じです。






おつかれさまでした

これにて完成!!!





おわりに


制作日数は二日間、総作業時間は6時間ほどでした。そして材料費は細工用ノコギリもあわせて3000円くらい。ノコギリは消耗品ではないので、材料費だけでいえば1500円ほどで作成できました。

木工工作の楽しさを味わうことができるうえ、何より世界に自分だけのパーツってテンション上がりますね!

塗装がむずかしくムラになってしまったのがちょっと心残りですが、所望の機能をほぼ達成したのでヨシとしましょう!やったね!




復活

これからもまだまだ使っていきます。よろしくな、カメラくん。




閲覧ありがとうございました


以上、ミオハヤテでした。


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