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#3 夫婦それぞれの書斎、「マイクオン/オフ」「在宅人数」で考える

こんにちは。南九州で注文住宅を建設中のリモートワーカー、若橋未央です。複数回の記事に分けて、私達が試行錯誤した「夫婦共に在宅勤務するために適した家づくり」についてつづります。
 ▷過去回はコチラ。 第1回第2回
3回目となる今回は、W書斎の間取りを決めるポイントとなった「音」について、私達夫婦の経験と考察をご紹介します。

「書斎と音」私たちの考察ポイント

1 在宅勤務者は、マイクオンで発声をする業務をするのか?
2 勤務時間に、何人が同時に在宅しているのか?

この二点に関して、夫婦の業務をしっかり分析できたことが活路となりました。

夫の業務はマイクオン中心、私の業務はマイクオフ中心

夫は業務時間の半分はマイクオンでオンライン会議をするような仕事をしています。いわばマイクオンワーカーです。
これは間取りのヒアリングを受ける時から自覚していました。

誤認していたのは、私の仕事の「マイクオン業務」についてです。

私は、業務の大半が自分1人の作業(答案添削やパンフレット編集)で、質問や報告・メンバーとのやりとりもslackのテキストチャットでほとんど完結します。つまり、マイクオフワーカーだと思っていました。
だから、私の仕事場は個室の書斎でもいいし、オープンなダイニングやリビングでもどちらでもよい。なんなら、ダイニングテーブルに仕事場が近いほうが、資料を広げて書き物をするときにはいいかも?とさえ思っていました。

…この、業務の大半は、というのが落とし穴でした。

確かに私の業務の8割以上はマイクオフ業務なのですが、よくよく考えれば、週に2回の定例会議はマイクオン。この時間だけはマイクオンワーカーになるのです。

その重要性を自覚したのは、間取り作成が迷走している期間のある日、借家で夫婦ともにマイクオン業務をしたときでした。

頻度は少なくても、マイクオン業務が2人重なるとストレスが激増

第1回目で触れましたが、引っ越し前の私たち4人家族の生活は、
・夫が最寄り駅のシェアオフィスに出勤。
・上の子は小学校&学童。
・下の子は保育園。
・日中、私1人で在宅勤務。
というものです。
よって、平日昼間、私は家に1人。マイクオン業務もマイクオフ業務も境目を意識することなく、寝室の片隅のデスクとダイニングテーブルをフレキシブルに移動して仕事をしていました。
(断熱性に乏しい古い借家だったので、夏は1階の北側にあるダイニング、冬は日が入る2階の南側の寝室にいることが多かった、というのもあります)

しかし、ある日、夫が通うシェアオフィスのブースが満席だったため、夫も私も同時に在宅で勤務する日が発生。
会議を多くこなす夫に2階の寝室(個室)を譲り、私は1階のダイニングテーブルで仕事をしました。

私がマイクオフ業務の間は、寝室(ダイニングから階段上ってふすま1枚)から聞こえる夫のマイクオン業務で多少気が散りつつも、大きな問題なく作業が進みました。夫が階下に降りてきてトイレに行ったり、ダイニングでちょっと休憩したりということも問題ありません。多少の雑音や会話はリフレッシュにのきっかけにもなり、それもたまにはいいな、という印象です。

しかし、数時間後。
私の週2回のオンライン会議の時間がかぶり、ダイニングでマイクオン会議に入ると、途端に困ってしまいました。夫が会議の切れ間にダイニングに来ると非常にストレスなのです。

夫はカメラに映り込まないようにノートPCの前を避けて移動してくれますし、うっかり私に話しかけないよう注意はしてくれます。それでも、トイレの音、洗面所やキッチンで水を使う音、冷蔵庫の開け閉めやアラーム、飲み物を電子レンジで温める音等、マイクの向こうに聞こえていそうで、なんだか気まずい、気を張る…。そして、マイクオンに気づかなかった夫に生活のことを話しかけられてヒヤリ、という場面も発生。

頻度は少ないながらも、同じような日を数回経験し、やっと気づきました。これは夫の在宅やふるまいが悪いのではありません。ダイニングという、家人の皆が使う(そして集まりやすい)パブリックスペースで、マイクオン業務をすること自体が不向きなのです。

ここに気づいてから、
・夫婦2人ともマイクオンワーカーとしてカウントする。
・2人分、パブリックゾーン(リビングや廊下、ホール)から扉を隔てた仕事用の個室を作る。
・ダイニング学習スペースは、サブの用途。オフィスで言うギャザスペース。
という条件が私たちの意志となり、間取りにおける書斎の位置づけがようやく前進していきました。

これからは、誰もが「個室書斎」が欲しくなるのかも

コロナ禍より前、家の「書斎」でなにをするかといえば、
・PCでインターネットの閲覧
・家計簿をつける
・残業、休日業務を片づける
・資格勉強や読書
・ 1人で趣味に没頭
など…いずれもマイクオフのことだったように思います。
だから、書斎は個室にするか、パブリックゾーンの片隅に書斎コーナーとして設けるか、そこまで大きな問題とならなかったのではないでしょうか。

しかし、私のケースを読んでお気づきかもしれませんが、基本マイクオフワーカーの人も、部分的にマイクオンワーカーに変化することがあります。

私自身、コロナ禍前は、マイクオフ業務(答案の添削請負) 100%の働き方でした。それが、コロナ禍でリモートワークの契約社員登用が可能になったベンチャーに誘われ再就職決定。業務時間のうち~20%程度は、マイクオンの会議をする働き方になりました。
そして2022年夏からは、フリーの編集/添削業も開始。この打ち合わせにzoomでオンライン会議を使う時間も出てきています。

現在無職(主婦・主夫)だとしても、お給料の上がらない令和のご時世、副収入や収入アップを求めて、マイクオン業務を含む在宅の仕事を始める事は大いに考えられます。在宅のコールセンター求人も多くなりました。
個人でも、stand.fmなど音声収録を配信し、ブログと並行させるなどして収入を得る方も増えています。

さらに、在宅での仕事を一切しなかったとしても、遠方の友人、SNS上の友人と、オンライン・マイクオンでつなぎながらランチやお茶会、飲み会、勉強会などをする機会が一般化しました。オンラインで外とつながるいまどきの暮らし方には、パブリックゾーンから仕切られた「マイクオンできる個室」確保の重要性が増しているように思うのです。

次回記事予告 2つの個室書斎を、戸建内にどう配置する?

ここまでをまとめると、マイクオン業務主体の夫、部分的でもマイクオン業務をする妻(私)、2人が同時に在宅するのだから、両方に個室の書斎を作ろうというのが夫婦の結論になりました。

次回は、この2つの書斎をどのように家の中に配置したのかをご紹介します。結論としては、私たちは、いくつかの選択肢から、「夫には2階に個室書斎」「私には1階に寝室と兼ねた書斎」という決定をしました。

第4回は、そこに至った検討プロセスをお話しします。

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