どうする、子ガラス。

 こんにちは!カラスの巣立ちを見守り頂き、ありがとうございます。
 巣から落ちた子ガラスを保護してから早、2週間近くが過ぎようとしています。ここまで無事に来れた事に、感謝しています。

 前回の最後で、自治会のゴミ当番の方にカラスハウスの設置許可をお願いする旨を書きましたが、なんとかOKいただけました。

 資源ゴミ回収日の朝。
 念のため、カラスは前夜からお兄さんに預かってもらいました。目の前に「現物」があると、予測不可能なので、ちょっと心配だったため。あくまでも、子ガラスのイメージから話をもっていく作戦です。

 ちなみに、当番のボスは、落ちた翌日に段ボール箱に入った子ガラスを見ているので、存在は知っています。
 カラスハウスをのぞきこんでいるボスに、「そのカラスの事なんですけど…」と声をかけると、「死んだん?」と、ひとこと。
 よし!この一言を聞いた時、私は大丈夫だと思いました。
 死んだのか、と聞くという事は、殺す気(処分とか)は無いということですから。

 カラスは一応、野鳥なので、野鳥保護法が適用され、勝手に処分などはできませんが、害鳥扱いされると、業者もいて、油断できないのです。

 ボスは、カラスが巣立つまで、カラスハウスと雨避けシートの設置を許してくれました。
 期限いついつまで、ではなく、あくまでそこはふわっとさせて、見守る事の了承を頂きました。ひとまずは、よかった…

 この日は、不法投棄のゴミがいつにも増して多く、その方の気がそちらに向いていたのと、そのゴミの片付けを私も手伝っている時に、ゴミの中から、10円玉とか100円、1円などの小銭が入ったコンビニ袋が見つかり、数えてみたら、全部で1300円くらいあって。。
 まあ、多分間違えて気づかずに捨ててしまったか、海外から来た人のゴミだった可能性もありますが。
 この物価高、不景気の中でも、お金をゴミに出す人がいるとは、びっくりです。
 ともあれ、カラスから気がそれる要因になって、こちらとしてはラッキーでした。

 そんなこんなで…
 子ガラスのくちばしの中も、真っ赤だったのが、先の方から少しずつグレーに変わってきたり、エサも、虫に興味を持って食べはじめたりしているとの事で、成長を感じます。

 ただ… 本当に人なつこくて、警戒もしないので、少々心配になってきました。
 人にかまってほしいようで、鳴いてアピールしたりします。
 誰にも相手にされないと、後ろを向いてうつむき、拗ねます(笑)。

 元気になったので、もう、ハウスでじっとしている事もありません。
 この間、道にいたカラスを抱き上げたら、羽根をばたつかせる力が思ったよりも強くて、そうして、カラスの身体がすごくあたたかくて。
 生きている、命の力を感じました。

 もうそろそろ飛ぶ練習に入ってもよさそうです。でも、教える親はいない。緑地帯に木はあるものの、せまくて、すぐ横は車道。
 なかなかに難しい巣立ち問題。 

 カラスがいると、立ち止まって見る近所の人が増えて、そこで会話が生まれ、ちょっとしたカラス・コミュニティが生まれています。
 道路の真ん中にいたりすると、わざわざ車から降りて、ハウスに戻してくれる人までいるのです。
 何より、子どもたちが、見に来る。カラスのエサやりで、くちばしに指を突っ込んでると、「いたくないの~?」
「歯はないからいたくないのよ~」
 突然軍手をはめた少女が現れ、道の向こうまで行ってしまったカラスを戻してくれたり。
「このカラスが大きくなったら、ゴミを荒らすんだね!」と、本質を鋭くついた正直な意見を言ってくれたり… (´-ω-`)

 そうだよね、やっぱり、これは夢物語。
 いくら、虫や木の実を与えても、そればかり食べるとは限らない。現に、通りすがりの人にもらったパンを食べてるし。食べるものがなければ、ゴミもあさるだろう、生きていくために。
 それに、カラスの鳴き声は、結構デカイので、うるさく感じている人も、いるはずだ。
 
 お兄さんも、やはりそのあたりを心配しているようで。理想と現実。
 この子ガラスが、人に迷惑をかけずに、なおかつ独り立ちする事は、果たして、できるのだろうか。
 そこまで心配するのは考えすぎかもしれない。とりあえず、飛べるようになったら、野鳥なんだから、放して、あとは本能で生きていくだけ。人間の都合は、カラスには関係ないのだ。

 それでも、でも~。
 いつの間にか、子ガラスに感情移入している私たち。世話をしているお兄さんは、なおさら、である。
 カラスの成長とともに、難しい局面も見えてきてしまったのだった。

 どうする、子ガラス!
 どうする、われわれ。
 


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