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早く教えてよ!朝が起きれないのは睡眠タイプのせいだった

こんにちは、睡眠研究家みんたつです。

今回は睡眠タイプがオオカミ(夜型)さんの話を実際に伺った経験から、睡眠タイプは人によってこんなにも違うと言うことを知って頂くきっかけになれば嬉しいです。

「どうしても、朝は起きられない。2個も3個も目覚ましを使って、やっと時間ギリギリになってから起きる。学生時代は朝一授業や朝練とか絶対無理。朝活とかできる人カッコいいなぁと思って、朝型生活にしようとも頑張ったけど辛いだけでした。」

朝からミーティングしたいと言われたら

「先に言っておきますが、私全然使い物になりませんけどいいですか?」

というように、前置きしたうえでじゃないと朝からのミーティングも参加したくないというのが、睡眠タイプがオオカミさんの方から聞いた実際の話です。

睡眠タイプについて知ろう

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画像引用元:動物別睡眠タイプを知ると見えてくる、最高の自分の出し方 gugublog

さて、皆さん自分の睡眠タイプをご存じですか?

え?睡眠タイプって何?という方もいらっしゃるかと思いますが、実は人の睡眠には、大きく分けると朝型・夜型があり、さらに最近では4つのタイプに分類されることが提唱されています。

正式にはクロノタイプといわれるものになります。

クロノタイプ、いわゆる朝型夜型とは、個人が一日の中で示す活動の時間的指向性である。一般に朝型の個人は目覚めが早く、活動のピークが日中の早い時間帯に表れ、夜の早い時間帯に疲労を覚えて早々に就寝するのに対し、夜型の個人は逆に、朝はなかなか起きられず、午前中は調子が上がらないまま過ごし、夕方から夜間にかけて元気になり、そのまま夜遅い時間帯まで眠気を感じない。出典:http://chronobiology.jp/journal/JSC2012-2-068.pdf

こちらのサイトで簡易診断が可能です。https://16test.uranaino.net/others/sleep/test/

4つのタイプはわかりやすく4つの動物(ライオン・クマ・イルカ・オオカミ)に置き換えて紹介されていることが多く、その中の一つにオオカミタイプがあります。

ちなみに、私はライオンタイプでした。朝型であることは自認していたので概ね納得ですが、特徴を読むと私は仮眠も必須なので、どちらかと言えばクマさんじゃないかなとも思っています。

簡易診断のなので、若干の差異はありますが、まず自分の睡眠タイプを知るきっかけにはちょうど良いと思います。

朝型推奨社会への疑問

朝型と夜型の比率は、全人口の70%くらいが朝型の人で、夜型は残りの30%程度とされています。10人いたら3人は夜型だと考えると、実際には結構夜型タイプの人がいるんです。

それにもかかわらず、朝型が多数派である為に、日本でも早起きは三文の徳や朝活という言葉に代表されるように、どうも朝型推奨社会になっているなと感じます。

結果、冒頭のオオカミさんのように朝型社会に合わなくて、「自分の自堕落な生活が悪いのかなぁ」、「どうして起きられないんだろう」、「他の人たちはどうしてちゃんと起きられるんだろう」と、朝型生活が合わない自分を責めたり、悩んでいる人は潜在的に沢山いるんじゃないかなと思います。

睡眠タイプの違いも相互補完しあう関係づくり

仕事スタイルについても話を聞きました。オオカミさんはエンジンがかかりだすのは午後に入ってから、むしろ昼過ぎから徐々に調子がよくなって、ピークは17時~19時頃になるんだそうです。

えっ、それっともう就業時間終わってるじゃん!?という時間からが、頭の動き出すゴールデンタイムなんだそうです。

これに朝型人間の私はちょっと驚きました。

私は、誰もが夜寝て脳が最も休んだ後の午前中が、数字を扱ったり、文章書いたりする頭使う系のゴールデンタイムだと思っていました。

しかし、夜型の人はそうじゃなかったんですね。

逆に、朝型人間にとっては夜型の人のゴールデンタイムは、もう今日のエネルギー使い果たしました~という時間です。あとは、コーヒーなどを使って強引に働かせるか、むしろ遊んでいたいという感じになってきます。

ここに物凄いギャップがあるというのを今回初めて知りました。

どっちが良いか悪いかではなく、このギャップを知っていると言うことがまずは大事です。

ギャップがあることを踏まえて、あなたの周りの友人や同僚を見て見てください。そうして見ると、朝はからっきしだけど、午後から夜にかけて俄然パワーアップするという人いませんか?

今回のオオカミさんも社会人になって最初に就職した会社は、始業前の8時30分出社が(暗に)求められる会社で、仕事の内容がどうこうよりもそれがとにかく辛かったそうです。

その後、転職をして、フレックスタイム制の会社になってからは凄く働きやすくなり、助かっているそうです。

このように、夜型の人には働く時間を選ぶことができるシフト制やフレックスタイム制の会社は魅力的ですし、働きやすいと思われています。

朝型・夜型どっちが優れているという事ではなく、午前中に活動的な人と、午後から活動的になる人がお互いに特性を理解して、会議の時間を設定したり、仕事を割り振ることができたらお互いにとってメリットが大きいんじゃないでしょうか。

朝から動けるオオカミになる

そうは言っても、フレックスタイムや働く時間を自分で選べるような環境ではない方は、どうしても、朝からスイッチ全開で過ごせるようになりたいと思っている方も多いのではと思います。

そんな方向けに、オオカミさんが朝から動けるようになるための対策について簡単に紹介します。

最も影響するのは生活習慣です。それが一番難しいんだよと思うかと思いますが、残念ながらこれを避けては通れません。

特に朝起きる時間や日光を浴びるタイミングを調節することで、慣れるまでの時間はかかりますが朝型・夜型をコントロールすることができます。

ポイントを三つに絞ってお伝えします。

①同じ時刻に毎日起床する
②光を利用する
③夜の過ごし方

この三つを意識して過ごすことで、夜型タイプの人も朝から活動的に過ごせるようになっていきます。

①同じ時刻に毎日起床する

起きる時間と寝る時間どっちを基準にした方が良いのかというと、それは起きる時間を基準にしましょう。

土日なども関係なく、毎日起きる時間を一定に保つことを目指してください。

早寝が早起きに繋がるのではなく、早起きが早寝につながります。これは、早起きをすることで、夜の睡眠圧が高まり、起きたい時間に合わせた寝る時間が決まってくるようになります。

慣れないうちは日中に眠くなることもありますので、日中30分未満の仮眠を取り入れてみてください。

②光を利用する

光のコントロールが一番のポイントと言っても過言ではありません。

起きたらまず意識して頂きたいのが、太陽の光を浴びることです。目的は体内時計のリセットです。

太陽を浴びる時間は最低15秒でもOKということも言われています。少しでも良いので、太陽にあたるようにしましょう。

逆に起床後2時間以上、暗い室内にいると体内時計のリセットが行われません。

目で感じた光は体内時計に伝えられ、体内時計のリズムをリセットする。そうすると、そこから約15~16時間後に眠気が出現する。光による朝のリセットが行われないと、その夜に寝付くことのできる時刻が約1時間遅れる。引用:睡眠障害の対応と治療ガイドラインP6

また寝るときには、遮光カーテンなどを使ってできるだけ暗くなるようにすることも、睡眠の質を上げるうえでポイントになります。

0.3ルクスから家庭照明に相当する300ルクスまで寝室の照度を何段階かに分けた条件下で、同じ被験者に繰り返し寝てもらい睡眠の質がどうなるか比較した結果、0.3ルクス(ほぼ暗闇)に比較して、室内照度が明るくなるほど睡眠が浅くなり、50ルクス(薄暗い部屋)程度でも睡眠の質が有意に低下することが明らかになっている。
(引用元:日経ナショナルジオグラフィック社:明るい寝室は不眠のもと、暗い朝は寝坊のもと 

③夜の過ごし方

・夕食を食べる時間
寝る3時間前を目安に食べ終えておきましょう。消化器官が活発に動いていると眠りを妨げたり、質を落とすことに繋がります。

・運動する時間
息が上がるような運動(筋トレなど激しい運動)は3~4時間前の夕食前に済ませておくのが良いです。

これは、寝る前にはリラックスする神経である副交感神経が優位な状態にしておきたいからです。その為には、激しい運動をすると覚醒を促す交感神経が優位になってしまうので、それを避ける為です。

・デジタルデトックス
寝る90分前にはスマホ・PCをできるだけ使わずにブルーライトを避けるようにしましょう。ブルーライトカットメガネやシートを活用することも有効です。


以上の対策をしながら、夜型の人が朝型生活に変えられたとしても、注意しなくてはいけないのが、長期休暇などによるリズムの乱れです。

長期休暇などで、ここぞとばかりに夜型生活に戻すと、それまで時間をかけて朝型にしていた生活習慣が、簡単に夜型生活に戻ってしまう傾向があります。

たまには夜更かししたい!という時も、もちろんあると思いますので、夜更かしする時は、1日だけにして2日連続で夜更かししたり睡眠リズムを乱さないことが大事になります。

最後に

今回は睡眠タイプオオカミさんの話をもとに、睡眠タイプが人によって違うと言うことを知って頂くきっかけになれば嬉しいです。

学校やチーム、組織、パートナー、家族においても其々の睡眠タイプを理解することで、みんながご機嫌に生活できるようになると良いですよね。これも、多様性のある社会の一つの在り方かなと思っています。

あとがき

今回話を伺ったオオカミさんの悩みでもう一つあったのが、朝活ってキラキラしていて、朝活してますと言うとなんかカッコいい。だけど、夜活してますってカッコよさが出なくて夜型の人がカッコよく夜活できるようなネーミングないかなぁと言うことでした。

これを読んだ方で、なにか思いついたら是非教えてください。

それでは、睡眠は日々の習慣が大きく影響しています。現在、睡眠を良くするアドバイスをオンラインで行っています。今よりもっとアクティブな毎日にしたい、何となく眠りに対しても満足してないという方は、はじめての睡眠相談からお気軽にご相談ください。

はじめての睡眠相談


参考資料:
睡眠障害の対応と治療ガイドライン



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