見出し画像

東京大学を出る意味?

ただの自慢に聞こえるかもしれないけど,私は東京大学出身だ。

小さい頃からずっとずっと東大に行きたくてたまらなくて,高校生の頃なんて「東京大学に入れたらもうこの先彼氏できなくてもいいです」なんて心の中で願掛けしてたほどだ。

受験生当時は全身全霊をかけて勉強した。いわゆる東大専門塾といわれる塾にも通い詰めた。その甲斐あってなんとか現役で合格した。

晴れて東大生になって,それなりにキャンパスライフを楽しんだ。その間に,願掛けに反して彼氏も出来たりしたし,サークルにも入ったりして,楽しい思い出を作った。

でも,たくさんの優秀な同級生,先輩,後輩と知り合ううちに気付いてしまった。私の中身が空っぽだということに。

どうやっても叶わない天才がいることはもちろん分かっていた。私がなんとか彼らと同じ大学に入れたのは,お金と時間をかけて,正しい方法を教えてもらって努力を重ねたからだ。

でもこの先どうやって努力していったらいいんだろう?テストがあって合格点を取るという分かりやすい基準じゃない。

もともと勉強は好きだったけれど,それはどうやって頑張ればいいか塾や学校の先生が手ほどきしてくれてその道に沿って行けばなんとか正解にたどり着いてよい評価がもらえたからだ。

この先,もちろん途中途中でアドバイスをくれる人はいるだろうけれど,道しるべも目標も決めるのは自分だ。

私は「東大に入りたい」っていう目標だけでここまで突き進んできたけれど,この先どうしたらいいんだろう。誰も正解を教えてくれない。私は受験勉強ばかりしていて,本当の意味で自分の頭で考えることができないんだなと思った。

もちろん優秀な人と関われるのは刺激になったし,それで自分も頑張ろうという気持ちになったけれど,同時に自分の中身の無さを痛感した。

さらに言えば,至極当たり前だけれど,別に東大を出ていなくたって優秀な人は沢山いる。社会に出たらそんな人に山ほど出会って,ちっぽけなプライドがボロボロになった。

あと10年,20年したらもっと達観した見方ができるようになるのかな?いや,人間の本質なんてそうそう変わるものじゃないから同じように悶々としているんだろうな。

人と比べて落ち込んでばかりいても仕方ないから,まずは目の前のことを一つ一つ,自分にできることをきちんとこなしていくしかないな。