スタンダード:4Cトークン、やろう!

1:どうしてこうなった。


ことのはじまりは《食肉鉤虐殺事件》禁止発表数分前にさかのぼる。
ナヤの人間デッキにいよいよ諦めをつけ、5Cジョダーという伝説デッキへと無謀なる変化を遂げたデッキでも勝ちきれない。
「ああ、なぜ勝ちきれないんだ……!」
原因はわかっていた。
ンな重いデッキ、通用するわけがないのだ。
白と黒にはジョダーを放り投げた瞬間除去され、赤には速攻で轢き殺される。ならばと軽く軽くしていけば食肉鉤の餌食。
ええい、どん詰まりだ。しかし、黒っぽいデッキを握りたくはない!
※今更クソ高い食肉鉤とシェオルを買いたくないだけです。
何かないものか。食肉鉤に負けないパワーはある、除去からはスタンスで守ればいい。何か、何か……!

2:見つけてしまった「ソリューション」

結論を言う。食肉鉤で流されても勝てる要素を見つけた。

イッツソリューション。

クリーチャーが出れば1点をゲイン、クリーチャーがいなくなると1点のルーズ。
食肉鉤着地時のライフ変動はAP-NAP問題でコイツから処理となるため、相手のゲインより前にルーズが飛んでいく。わらわら生成してもよかですか、となる。
ああ畜生め、なんでこんなカードを見つけられなかった……!

そして、《食肉鉤虐殺事件》禁止の報が飛び込んでくる。
それはこのカードを見つけた自分にとって悲報であったが(そもそも食肉鉤に強いという理由があったため)、即座に朗報へと転じる。
《危難の道》《締め付ける瘴気》《集団失踪》。
皆が食肉鉤にかわる全除去を探そうと躍起になったのだ。

トークンなんぞ全滅じゃ
マイナス修正からは逃げづらい
ただのラスゴ。

黒いデッキはおおよそ形を変えて生き残るだろう。《切り崩し》《冥府の掌握》といった優秀な除去、そしてやはりアグロへの害悪として残るシェオル。
これらを絡めつつ、打消しの青、婚礼の発表や邪悪を打ち倒す白を擁するエスパー系、ただのアド取りマシン鏡割り、その下で無限にコピーされては贄となる税血を絡めたラクドス系、除去最優秀の豪火を放つジャンド系、これらの主要パーツが弾かれたわけではないからだ。

しかしながら、トークンデッキの立ち位置は禁止前後で少しだけ向上したといえる。相手のライフを詰め切れないという事態が僅かながら減ったからだ。準備が一気に崩壊し、立て直しの時間がなくなる危険性についてはいまだ減らないが、ほんの少し、そう、ほんの少しだけマシになった。

3:オーケー、ソリューション。でも、なぜ4C?

トークンデッキという中身である以上、緑と白は外せない。最初のラヴニカ期からこっち、緑と白が合わさると数の暴力が正義となる。
そして、それをとどめにできるエラス。ということは緑白黒のアブザンカラーで決まり、とはならなかった。
トークン生成装置が少しばかり少なかったのだ。
現状、トークンを能動的かつ継続的に生成できる白緑となると《天使の拳、トーレンズ》《国王ダリアン四十八世》の2種。
2種、である。
※《婚礼の発表》はいつでもどこまでも生成し続けることは出来ない。

クリーチャーを唱えるとオマケつき。
親しみを込めて「KDR48」。

はっきり言う。伝説であることを差っ引いたところで足りない。ほんの少し足りない。
《信仰を穢すもの》もいることはいる。ただ、5マナでやるこっちゃない。準備段階でトークンの量を整えたい。5マナは決着をつけるタイミングだ。
アブザンカラーに直して緑黒、白黒とみるともう少しいたりするが、ラトスタインのクソジジイ(失礼)やネマタだ。前者は白緑の伝説とマナ域が被る上に切削をしなければならず、ネマタは採用に値するものの、やはり4マナは遅い。
1ターン目か2ターン目に何とかしたいのだ。
実は、これにも解答策があった。ここで1色増えるのだ。

以前は執事でした。

コイツとKDR48が結託すると、毎ターントークンを生み出す。伝説性のためKDR48は4投とはいきたくないため、他のアンセム手段として鏡の箱をほんの少し用意。伝説性の高いトークンデッキでもうまく動ける。
そして、シメにもってこいなジェトミアが素直に入ってこれる。人間で固まるため追加アンセムのシガルダ、マナの不自由を減らせるカティルダだって投入可能だ。ああ、サイドにハラナとアレイナを取ったっていい(速攻付与以外に使える盤面は薄そうだが)。2マナ圏が恐ろしく充実するのならアオちゃんだって機会がある(多分シメにぶん殴ってる)。

4:理想論過ぎるが、マナベースはどうするんだ?

おおよそ4Cなんて狂気、マナベースがガッタガタになること請け合いである。
と思うだろうが、実はそんなにがたつくことはない。
ここで「伝説性」の1文が生きてくるのだ。
そう、《英雄の公有地》である。伝説を唱えるなら5色土地、それさえいれば好きな色の土地として振舞えるため、緊急回避用の門すら要らない。
他方、アブザンという色に絞るとダメージランドやトライランドに難が生じる。ここも4Cにするとなんのその、ダメージランドこそ3種(とはいえ補色になる硫黄泉は使わないが)だが、トライランドは2種投入が出来る。
遅くなるトライランドはジェトミアの庭に絞って(メインの白緑を出せるように)も、緑色の出る土地数枚をジアトラの試練場に差し替えてのちのちサイクリングへ回しても、どちらでも行ける。
ジョダーで悩まされていた問題は一気に解決へ持ってこれるのだ。
※ジョダーデッキは伝説の秘宝を積むため、3マナが恐ろしく膨れ上がる

5:さて、デッキを構築していこう。

土地は23あればいい。カティルダがマナを出してくれるようになる。シメがアオちゃんなら、2~4マナへ全ツッパできるともいえる。

クリーチャーは先ほど挙げたカード群からの選択となるが、
2マナの動きだしを最優先するために
カティルダ4
ベイルド3
エラス3
くらいは確保しておきたいところ。
3マナは
KDR48が3
トーレンズ3
でいいだろう。鏡の箱に頼るので今回は婚礼の発表をパスする。
4マナが渋滞しそうなところに見えるが、どれでもいいから1枚いると戦況が変わりそうだ。
シガルダ2
ジェトミア2
ネマタ2
これでいいんじゃないだろうか。
最後にアオちゃん。まあ2マナが膨れたことを考えても2+2で出せる期待を胸に3投。
これで10+6+6+3=25となる。
追加アンセム枠は鏡の箱。これはまあ、3あればいい。
除去枠も7~8あればいいだろう。ここでは仮にアグロでの基本形、7枚としよう。
23+25+3+7=58
2枚分スロットが余ってしまった。ならばトーレンズのためにも何がしかクリーチャーを投入するというのがわかりやすくてよさそうだ。
ここはジェレンを投入する。3マナが11枚とそこそこな膨れ具合になったが、エラスとの相性がいい。差し引き1点ゲインで人間がついてくる。トークンでない人間が死ぬと人間が出てくる。エラスがいると相手に投げ飛ばしながら、だ。おまけのライフリンクもなかなか偉い。

さて、メインは出来た。全除去よ、かかってこい。
※サイドはあとで考えるが、多分空飛ぶアレは確定投入であることを述べておく。


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