【読書エッセイ】『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』から学ぶ寛容さ
仕事帰りにLINEを確認すると、娘から「絵を描くのに水色の芯のシャープペンが欲しいから買ってきて〜」とメッセージが届いていた。「色鉛筆ではダメなの?」と尋ねたが、どうしてもシャープペンが必要らしい。少し面倒だなと思いつつ、帰り道からは外れた少し大きめの本屋さんへ立ち寄ることにした。
シャープペンを購入し、せっかく来たので新刊コーナーを覗いてみる。すると、新刊文庫コーナーで『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』が目に入った。以前、単行本をちらりと立ち読みしたことがあり、文庫で出ているのを見てつい衝動買いしてしまった。
この本は、図書館の司書さんが受けた問い合わせの“覚え違い”によるタイトル集。Q&A形式で掲載されているその内容に、思わず笑ってしまう。例えば、
答えはネタバレになるので控えるが、こうした勘違いの数々に思わず笑ってしまう。元のタイトルを知っているものもあれば、全く知らないものもあり、「その本、読んでみたいな」とも思わせる一冊だ。
ただ面白いだけでなく、巻末には司書さんによる「レファレンスサービス」についての解説があり、日々こうした覚え違いから実際の本を探し出す司書さんの仕事に改めて感心させられる。
SNSなどで、些細な間違いを厳しい口調で指摘する場面を目にするたび、なぜそこまで厳しく反応するのだろうと思うことがある。それに比べて、覚え違いをやさしく正し、対話を重ねて求める本を案内する司書さんの仕事には温かさがあると、この本を通して感じた。
人は誰しも間違えるものだ。だからこそ、面白さが生まれ、間違いを受け入れる寛容さが必要なのだと思う。
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『娘に対しても寛容さを持とうと自分に言い聞かせる者』
ミノキシジルでした。
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