【エッセイ】おじいちゃん先生の壮大で遠い話
先日、風邪を引いた時のお話。
晩御飯を食べているあたりから、何だか熱っぽさを感じ始めた。いつもより食欲もない。体温を計ると案の定38.5度あった。夜間救急に行くほどでもないので、常備している市販薬を飲んでその日は寝た。
翌日、明らかに体調が悪化している。熱を計ると38.8度だ。仕事が休みだったので、午前中の用事を済ませて、近所の内科に行くことへ。
受付で発熱していることを伝えると、別室のベッドに通され、改めて検温した。38.5度あり、身体の怠さや頭痛は朝の状態とはあまり変わっていない。
しばらくすると小柄な「おじいちゃん先生」がやってきて、問診が始まった。喉に痛みはなかったが、おじいちゃん先生が言うにはかなり赤くなっているという。
ゆっくりとした口調で「血液検査しましょう」と言われた。一旦ベッドへ寝て、血液を取られた。状態を調べるのに少し時間がかかるので横になって待っていた。
血液検査が終わり、改めておじいちゃん先生がやってきた。レシート用紙のようなものにアルファベットと数字が書いてあるものを見せながら、話が始まった。
「この世界には無数の細菌やウイルスで溢れてて…」
えっ!?『この世界の話』から始まるの???壮大な…そして遠い。「おれの風邪の話に辿りつくまで遠くないですか?」と心の中でツッコミを入れつつも、ぼんやりとおじいちゃん先生の話を聞いていた。
「……細菌の数が通常の5倍もあるのね。それで今、それを減らそうと熱が出てるわけ……」
(おれの話に戻ってきた……)
とにかく体内の細菌が増えているが数字や症状を見る限り、コロナなんかではない。
結局、普通の風邪ということで、抗生物質と風邪薬が処方された。
薬の飲んで安静にしていると翌日にはだいぶ熱も落ち着き、普段通り仕事をしたのだった。
「ありがとう!おじいちゃん先生。また風邪を引いたら壮大な話を聞きに行くよ」
「おじいちゃん先生」のお陰で詩も書けたのでした。
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『改めて手洗いうがいをしっかりしようと思う者」
ミノキシジルでした。