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トラムで起こった出来事 in Manchestar

イギリス、マンチェスターに到着してから2週間が経過し、少しずつ新しい環境にも慣れてきました。


セールシャークスが本拠地を置くマンチェスターは、以前住んでいたウスターよりも雨が多く、寒いです。新しいチームメイトには「ここから6か月間、スパイクが乾くことはないよ」と言われました。なんてこった!!笑


シャークスの練習場は人工芝ではないので、基本的に芝は濡れていて、地面は緩いので練習が終わる頃には泥まみれです。このような練習環境は高校一年生以来です。ウォリアーズはシックスウェイズスタジアムという人口芝で常に活動していたので恋しいです。ただ、雨と泥でボールもとても滑りやすくなっているので、雨の中でのボールゲームにも強くなれると思うといい環境です。





さて、本題に入りますが、先日、イタリア人のチームメイトとお茶するために街に出かけていました。彼女のオススメのカフェで楽しい時間を過ごした後、行き先を決めずに歩いて楽しい時間を過ごしていました。


帰りに、トラムに乗って座ると、私たちの後ろの方でドアを蹴り続ける少女がいました。私たちは音に気付いて後ろを少し振り返りました。恐らくその少女はそれが気に入らず、「こっちを見てくるな!」と言ってきました。


すると、私の友達は「音がしたからあなたを見ただけだし、正しい行いをして」と言うと、少女はヒートアップしてしまい、それに対して私の友達も一切引きませんでした。そして、少女は私の友達の顔に向けて唾を吐きだしました。一瞬で空気が凍りつきました。


少女の母親と思われる人が現れて少女を止めようとはしますが、あまりそこに情熱もなく、私の友達も立ち向かうことを止めません。少女は私の友達を殴ったり、髪を引っ張ったりしましたが、彼女はやり返したりはせずに全て受け止めていました。


私は突如起こった事件にどう対処したら分からず、現場を見ているだけでした。それが歯痒かったけど、今でも何をするのが正解だったか分かりませんが、ただただ私の友達が勇敢でした。





少女が母親に連れられて下車した瞬間に、現場を見て警察に電話を繋いだ女性が寄ってきて、警察に状況を説明していました。私たちの後ろにいた女性も私の友達にティッシュを渡していました。


警察に電話をしてくれた女性は少女が暴れる現場を携帯で撮影しており、それを警察に提供すると言い、少女が下車した後に涙を流していた私の友達の肩をさすっていました。私の友達は「私はただあの少女が既に問題を抱えていて、それをどう解決するかを分かっていなかったし、それを助ける人もいないと思ったから同情している」と言っていました。


女性が少女や母親を説明する際に「スラム(slum)」という単語を使用していて、その言葉に納得できるような格好を二人はしていました。





日本では見かけない光景と人々の行動力に私は何もできなかったけど、学びの多い経験になりました。私の友達の勇敢さと心の大きさ、駆けつけてくれた女性の冷静な対応と他人事を自分事と捉えて行動できる強さに触れて、私を人として成長させてくれる機会となりました。誰かが怪我を負うなどの被害が出ることがなかったのは良かったですが、私の友達をサポートしていきたいと思います。もしかしたら私が心配する必要のないくらい強いかもしれませんが…。


イギリスにいるとこういう出来事に遭遇するのは少なくないです。





そんなマンチェスターでの一日でした。





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