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変化 進行

生きていると常に変化は付き物。
例えどんなに退屈な変哲のない毎日でも、バタバタと過ぎていく日々でも。必ず全く同じ日なんてない。
天気や気温も変わる。話す相手がいたりいなかったり、その相手も違う人だったり。食べる物が違ったり。体調も変化したり。外出する日もあればしない日もあったり、1日のやる事によって色んな事が変化している。

そして『体』も日々変化している。
私は小学生低学年まではありふれた生活を送り毎日楽しく学校に行き体育もして元気いっぱい走り回っていた。でも年齢が上がると意味も分からず運動が苦手になっていった。それは今思うと無意識の体の拒否反応だったのだと思う。そしてケガをする頻度が増えていき、別の様々な体調不良が続いた。高校3年生からはネットで買った簡易的な車いすを購入し登下校や外出で使うようになった。私は学校に車いすで行く事自体も抵抗があったがその頃の私の体はボロボロで限界を迎え日常を痛みに支配されていた。

そして高校卒業後はリハビリセンターに通いながらの療養生活がスタート。リハビリセンターのスタッフから提案されたのは電動車いすだった。
もちろん私も自分で車いすを自走で操作しようとするとエーラスダンロス症候群の症状の影響から関節を痛めてしまったり、脱臼してしまう事もしばしばあったので限界は感じていた。それに自分のペースで買い物がしたかったり介助をしてもらうとなるとなかなか気を遣う部分も大きかった。でも。それでも私にはまだ…と思ってしまう自分がいたり。自分の体の状態と向き合えない自分がいた。進行してしまっている事実から逃げたい自分がいた。
スタッフから紹介された車いす業者さんは元々ヘルパー経験があったり体の扱い方をよく分かってくれている方でデモ機に1度乗ってみると重力がなくなったかのように体が軽く感じた事を今でも鮮明に覚えている。それに今までイメージしていた電動車いすは大きくて見た目からして重量感のあるロボットのような物だったが、業者さんが持ってきてくれた電動車いすはコンパクトでスリムな感じだった。それでも機能はティルト・リクライニングが出来る優れもの。コンパクトな分、車と同じで小回りが利きやすくその場で向きを変える事も出来た。
元々乗っていた車いすに戻りたくないと体も気持ち的にも思った程。あれ程抵抗感があった電動車いすだったが業者さんの人柄や経験値(他のエーラスダンロス症候群の方の車いすも作った事があるので症状の特性を理解してもらいやすい)体の状態で必要性が有無を言わさず実感出来た事が私の中では大きい。
電動車いすを作るにあたっては様々な手続きや審査があったりしたが無事に私は「私専用の電動車いす」の仮合わせまでたどり着いた。デモ機とは違い私の体の特性に合わせてクッションを付けてくれたりしていて、ヘッドレストの高さを合わせる時に少しティルトを倒していたら眠くなってしまった程!

きちんと体に合っている物を、というのは薬だけではなく自分が使う身の回りで使う物を選ぶ事がとても重要で生活の質に大きく関わっている事が分かった。
それでも私はまだ完全に自分の体の状態や病気を受け止められているか、というと先の見えない不安で難しい面もたくさんある。エーラスダンロス症候群という難病だからこそ人によって症状の種類や出方がバラバラで程度も違う。本当に自分で何が自分に合うのかを見つけなければいけない事もたくさん。フルオーダーメイドを自分で見つける。

納車の日程まで決まっているのにいまだに複雑な気持ちも残っていたり、でもやっと自分で自由に動ける喜びも大きい。気持ちの折り合いは難しいけれど何事もメリット、デメリットは付き物。
受け止めきれてない自分に気付いたり色んな事を考えるキッカケにもなった電動車いす。これから私の移動手段として足になり、ティルトやリクライニングで自由に体を休ませる事が出来る。
これからを生きていく為に必要不可欠な存在。

全ての事にありがとうの気持ちを…🍀

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