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7.抗がん剤治療2回目 終わらない空腹感と自由を尊ぶ毛

 こんばんは、片肺のがんサバイバーminoriです。
 今回は2回目の抗がん剤治療の話。地味な副作用と脱毛のお話がメインとなります。

<前回までのあらすじ>
人生初の抗がん剤治療=シスプラチンで見事に撃沈した私。数週間の休息期間を終えて、2回目の抗がん剤治療に挑むのだった。

摘出手術 
 ↓ 
シスプラチンによる抗がん剤治療(途中でギブ)←【今回のお話】
 ↓
経過観察
 ↓
右肺に転移、レットヴィモの服用を始める


1.量を減らして再投薬

 1回目のシスプラチン投薬ではかなり体力を削られてしまったので、2回目は量を減らして行うこととなりました。
 前回の4分の3ほどの量です。副作用も弱まるだろうということで、1回目から約3週間ほどの休息期間を設け、再びシスプラチン投薬に挑戦することになりました。

 これで試してみてまだ副作用が辛いようなら、今回の抗がん剤治療は打ち切りです。
 ここから更に量を減らすとなると、抗がん剤の効果が見込めなくなるそうです。

 そしてこの再チャレンジの結果ですが…上にも書いてある通りギブアップしました。
 確かに副作用も前回ほどではありませんでしたが、それでも色々と辛かったです。

2.脱毛ついに始まる

 抗がん剤治療による脱毛ですが、前回書いた吐き気、悪心、食欲不振と違って、遅れてその効果が出てきます。
 時間にして2週間後くらい。
 つまり初めての脱毛は、2回目のシスプラチン投薬を決心した自宅療養期間にやってきました。

 …が、そのときのことは忘れてしまったので省略。
 ただ、

  • 洗髪時

  • ドライヤー時

  • 就寝時

 は脱毛がひどいボーナスステージだったこたはしっかり覚えています。
 それ以外でも気づけばぽつぽつ抜けているのですが、この3つは床を見下ろすと桜の絨毯ならぬ髪の毛の絨毯が敷かれていました。

 入院後もそのたびにコロコロをかけていたので、髪を剃ってくるんだったと後悔しています。
 けど剃ったことによる髪質の変化もやはり嫌なので、せめてベリショにしておけば脱毛のストレスも軽減されたんだろうなと今更になって思います。

 ちなみに私個人の2回の抗がん剤による脱毛の被害ですが、それほどでもなかったです。
 頭の天辺を見せて、「言われてみればちょっと薄いかも…」程度でした。えっ、あんなにおびただしい量が抜けたのに?
 どうやら髪の毛のそもそもの量が多かったみたいですね。

 ただ、再び生え始めて元の長さに戻るまでの過程が地味に大変でした。
 頭の天辺で、中途半端に長い毛がアホ毛みたくピンと立っている!
 不格好なので、しばらくは帽子を被って過ごしました。


3.2回目の投薬による副作用の影響

 前回の4分の3の量で投薬することにしたシスプラチン。
 投薬後の辛さを思い出し、始める前から気を落としていたところ「あまり暗示をかけないでくださいね」とお医者さんからエール(?)を頂き、いざシスプラチンを体内へ。

 結果、前回と比べ回復は早いものの、投薬直後の嘔吐、吐き気はあまり変わらず。
 今回も内服薬の力を借りながら、入院生活を送りました。


おくすり①オランザピン

 前回も登場したオランザピン。
 起きているのが辛いなら眠ってしまえばいい、という教訓をくれる超強力な黄色い睡眠薬です。
 …ごめんなさい、正確には眠気の副作用がある悪心・嘔吐を軽減するお薬です。

 とにかくものすごい引力で眠りに入ってしまうので、気持ち悪さが軽減されているのかどうかてんでわかりません。
 「不思議な国のアリス」も「ミニオンズ」も、オランザピンの副作用の前では視聴を中断せざるを得ませんでした。
 結局2,3日眠っている間に動画の視聴期限を過ぎてしまったので、最後まで観ることはありませんでしたね。

 

おくすり➁デカドロン

 白い五角形をした吐き気止めのお薬。ステロイド薬だそうです。
 今回調べてみて初めて知ったのですが、このステロイドって強力な分リスクが高いようですね。
 副作用の中に満月様顔貌(まんげつようがんぼう)っていうのがある。なんかこわい…。

 私が当時悩まされていた副作用は、食欲亢進(しょくよくこうしん)というものです。
 奇妙な感覚だったのでお医者さんに尋ねたところ、「食欲が増す副作用ですね」と返ってきました。

 『食欲が増す』…?
 理屈としては合ってるかもしれないけど、なんかちょっと違う。
 
 食べても食べても満たされることのない空腹感。
 詰めて消化され排泄されてもなお続く、腹の奥が凍った感覚…。

 食欲が増すというより、持続的な空腹感というのが正解な気がしますよ。

 これが地味ながらもなかなか嫌でした。ずっとお腹が空いているんですもの(感覚的に)。
 「どんなものでもいいので食欲があるなら食べてください」とのことで、このときはポテチを食べてました。


4.抗がん剤治療終了 やらない選択肢もアリ

 2回目の投薬は1回目ほど辛くなかったものの、やはり吐き気はあったので抗がん剤治療はここで終了。
 結果、6クール中2クールしか出来ませんでした。担当医さんもこれが限界だと思っていたようです。

 このシスプラチンによる抗がん剤治療ですが、正直どのほど効果があるのか今でもよくわかっていません。
 結局この一年半後に転移していたわけですが、しっかり6クールまで行ったら転移しなかったのかと言われれば微妙なところです。素人なのでよくわかりません。

 がんを患った人の中には、抗がん剤を嫌がって断る方もいるようです。私も副作用には随分悩まされたし、効果もいまいち実感できていないので必ずやれとは口が裂けても言えません。
 なので、敢えて「やらない」という選択肢をとっても全然いいと私は思います。
 一番は信頼できるお医者さんを見つけ、信頼できる意見を聞くことだとは思いますけどね。(私の場合は名医と評判らしい+人柄・相性が良さそうという理由でとりあえずこのお医者さんについていってます)

 私としては面白いネタになったし未知の体験が出来たので、今回の抗がん剤治療は良しとしてます。
 次は経過観察です。
 ちなみに、今回無性に食べたかったものはこってりしたラーメンでした。
 食欲不振がマシだったことが伺えるようですね。多分。


 

 

 


 




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