みのりの眼

「生で聴く音楽のあらたな喜びを提供する」 「世の中で知られずにいる素晴らしいものに陽の…

みのりの眼

「生で聴く音楽のあらたな喜びを提供する」 「世の中で知られずにいる素晴らしいものに陽の目を当てる」 このふたつをコンセプトに、個々のアーティストと十分に練り上げたさまざまな内容のコンサートを企画・制作しています。

最近の記事

ベル・エポックの花束 リハーサル2日目

リハーサル2日目、今日はハープが入っての5重奏2曲などでした。 音楽家たちが丁寧に音楽を作り始めて、次第に完成形に近いカタチが浮き出てくる様は、見ていてとても刺激的です。素晴らしいメンバーが集まっているからこそこのスピードで進んでいくんだなと納得もします。 どの曲も美しい😍 コンサートタイトルに偽りなしです❣️ 11月16日の公演、間違いなく至高な音楽が聴けることと思います。 ご予約はお早めに! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ベル・エポックの花束 〜珠

    • ベル・エポックの花束

      「ベル・エポック」ってよく聞く言葉だと思いますが、これはフランス語で「良き時代」という意味です。では何が「良い」のかというと、19世紀末から第一次世界大戦の始まった1914年まで、華やかに繁栄したフランス・パリの都が「良かった」のです。 この時代は伝統的な良さと現代的な発想とが融合することで稀に見る豊かな文化を誇っていて、それは音楽の世界においても例外ではありませんでした。 特にこの時代、木管楽器やハープなどが今に近い形で完成され、それによってまさに時代に相応しい、格段に

      • 100年振りの『ロンサールの墓』

        今年はルネサンス期を代表するフランスの詩人ピエール・ド・ロンサール生誕500年にあたります。 ロンサールは生前高く評価されていたもののその後忘れられて、19世紀の終わりから再評価が進み、それは今から100年前の1924年、つまり生誕400年の年にピークを迎えました。 再評価は文学の世界だけではなく、音楽の世界でも広がりました。ロンサールの詩は楽器とともに語られるよう意図されて作られていたので、もともと音楽との親和性が高かったと言えるでしょう。 そして1924年に音楽雑誌

        • 『ルクーとその時代 vol.1 』終演

          「ルクーとその時代 vol.1」終演しました。 演奏は言わずもがなの素晴らしさ。今回はやはり久しぶりの満席のお客さまにさらに感激しました。 そしてまたうれしかったのは、フライヤーに使ったエミール・クラウスの絵を見て興味を感じてコンサートにいらしたとアンケートに書いてくださった方がいたこと。 「みのりの眼」のコンセプトのひとつにフライヤーに対する拘りがあります。 フライヤーはコンサートの入り口、それもコンサートの一部、だからありがちな情報伝達の手段だけに終わらせない。そ

        ベル・エポックの花束 リハーサル2日目

          倉田莉奈リサイタル『白昼夢』終演

          倉田莉奈コンセプチュアルリサイタル『白昼夢』終演しました。 大勢の皆さまにご来場いただきました。 本当にありがとうございました! 2年間で5回開催した「コンセプチュアルリサイタルシリーズ」、それを元にして制作したファーストアルバム、そしてその発売記念の今回のリサイタル。これで当初計画していたプロジェクトが無事完結しました。 昨日はたくさんCDもお買い上げいただきました。ぜひご自宅でも「コンセプチュアルリサイタル」をお楽しみください。一般流通はもう少しお待ちください。

          倉田莉奈リサイタル『白昼夢』終演

          一途な表現者 山田穣

          ジャズサックスプレイヤーの山田穣さんは、私の中高の2つ上の先輩なのですが、私が中学に入った時、彼は既にチャーリー・パーカーの「ナウ・ザ・タイム」を、たったひとりだけ参加していたブラスバンドの朝練の音出しで吹いていました。 当時からチャーリー・パーカーを吹いていたというのもそうですが、誰も来ない朝練に毎日出てきてひとりジャズを練習する、そんな彼の姿は今にそのまま繋がっているように思います。 彼がプロ活動を始めてからも、私は折に触れて彼のライブを聴きに行きましたが、まさに孤高

          一途な表現者 山田穣

          ギヨーム・ルクー 早熟の天才

          ギヨーム・ルクーという作曲家を知っている方はもしかしたら少ないかもしれません。しかしフランス近代音楽に大きな影響力を持ったセザール・フランクと同じベルギー出身で、フランク最後の弟子として早くからその才能が認められていたルクーの天才は今なお失われていません。 それならばなぜ今彼の名前はこれほどマイナーな地位に甘んじているのか?それはひとえに彼が24歳という若さで夭折してしまったからに他なりません。 抒情的で情熱的であることが特徴として挙げられるルクーの作品は、きっと初めて聴

          ギヨーム・ルクー 早熟の天才

          髙橋望のバッハ

          よく行くお気に入りの珈琲屋さんがあります。東急東横線学芸大学駅の「平均律」というお店です。そこはいつもバロック音楽をかけていて、いつも美味しい珈琲やスイーツをいただきながら、かかっている音楽に耳を傾けています。 ある時、流れていたバッハの平均律クラヴィーア曲集の演奏に意識が集中しました。アーティキュレーション、各声部の弾き分け、リズムなど、全てにおいて考え抜かれていることがよくわかり、しかし決して頭でっかちではなく音楽として前に進む推進力も備えている。このような演奏は一朝一

          髙橋望のバッハ

          倉田莉奈 コンセプチュアル・リサイタル「白昼夢」

          9月23日(祝)午後2時からめぐろパーシモンホール小ホールで、気鋭のピアニスト倉田莉奈さんのリサイタルが開催されます。 これは過去5回、横浜で開催された「コンセプチュアルリサイタルシリーズ」を新たなテーマの下に纏めた、待望のニューアルバム『白昼夢』の発売記念として行うものです。 「コンセプチュアル・リサイタル」とはまさに彼女のオリジナリティが具現化したコンサートで、1ステージ70分の中に小品や中規模の作品を、その都度定めるテーマが立ち昇るようにプログラミングし、曲間を開け

          倉田莉奈 コンセプチュアル・リサイタル「白昼夢」