【詩】 120年目の宇宙で

明日きみの許にやっと行こう、
待っているなんて思わないけれど
ぼくがきみを待っていると、
だんだん世界が遠くなっていく気がする
きみには、感覚が無くて、
形が無くて、
声も体温も分からなくなってしまって
きみがきみを知っているならそれでいいよ
これで2人の魂になるねって、
誰にも訳が分からない。
地球上を飛び回る酸素分子は
きみの言葉が溶けたものだけ
ぼくのところへ辿り着く。
だから今吸った空気は
きみから送られた
限りある空気です。

きみが知らない間に、120年もの時間で
世界は色を変えていったけど
きみの色は、変わらなかった
きみをすきな人間が、守り抜いたから。
失われたものなんてひとつもありません。
消え去ったものなんてどこにもないのです

きみは重力からの解放で、いないだけ
きみは重力からの解放で、いないだけ。

都会はいつでも病み上がりで、寝不足
その不健康さで、
自分に光を見つけようとするんだ、人は。
どこにもないよ、そんな光。
あるとしたら、それは、
星が光っているんだ
ぼくらは生まれた瞬間から、
空気と時間と宇宙とが与えられていて
その星が光っているんだ
きみにもあるよ、
きみを光らせるための宇宙。

孤独ですか?
悲しみの中にいますか?
消えてしまいたい夜の中に、
眠れないで泣いていますか?
大丈夫、そう感じている間、
きみは一番生きている。

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