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活動内容と成果と反省と

要請内容は、ドミニカ共和国のエネルギー鉱業省という所で、公共施設の省エネルギーを推進することでした。これは、「公共施設のエネルギー使用量を10%削減する」という大統領の公約に紐づいたものです。

この目標を達成するために私の行った具体的な活動は以下の3つです。

①施設の省エネルギー診断とその省エネ提案
②施設管理者向けのセミナーでのプレゼン
③文書の作成、チェック

私の中ではこれらの活動を通じて同僚のスキルアップを狙うというのが最大の目標でした。それぞれを説明していきます。


①施設の省エネルギー診断とその省エネ提案
 実際に公共施設(省庁、大学)に行って、省エネ診断をしました。省エネ診断の方法は私から見るととても効率が悪く、省エネ方法のアイディアとしても決まりきったものを提案するという形でした。この根本原因としては、省エネのために診断を行っているのではなくて、仕事のため(大統領への報告)のために診断を行っているからと推測しています。

 そんな中で私の行った事としては、効率の良い診断方法をやってそれとなく同僚に見せる。新しい省エネ方法を盛り込んだ報告書を作成する。の2つでした。

 直接的に「○○の方が効率いいからやろう」という提案はせずに見てもらうという形をとったのは、時にはプライドが邪魔をするからです。自分の事を想像しても、言葉もろくに喋れないやつが頭ごなしに技術を教えてきたら反発すると思います。良いとわかっていてもその人がいる限りその技術は使わないという事もあるかもしれません。経験上意外とこのプライドというのは厄介で、今回はそれに気を付けてみた次第です。もちろん質問された時は丁寧に答えるようにしました。

 この方法が良かったのかどうかは知りませんが、いつの間にか以前に私が言っていた事が採用されている事がありました。知識や技術は出所があいまいな時の方が良いこともあると思います。


②施設管理者向けのセミナーでのプレゼン
 日本の省エネついての紹介をするというプレゼンを行いました。大体1回25分ほどです。色々紹介したのですが、反応が良かったのはクールビズの紹介でした。日本はクールビズ着て、設定温度は「28℃」というと紹介すると「そんなのこの国では不可能」という意見が良く出てきました。

 ドミニカ共和国の省庁では結構な確率でスーツ(上着)を着ている人がいて、その人達のために室内の温度が23-24℃ぐらいになっていることがよくあります。じっとしていると寒いです。

 そんな状況ですから、せめて上着を脱いで設定温度を1℃でも上げようと言ってみたのですが、なかなか変えてくれなさそうでした。理由としては、上着着てるのは大体偉い人という事と、28℃とかいう現実とかけ離れた温度設定を最初に紹介したために、「クールビズは不可能」という印象を持たれてしまった事だと思います。伝え方は難しいなと思いました。人間は物事を0か100でとらえがちだと思うので、今後はその中間を伝える時には十分注意して伝えたいと思っています。


③文書の作成、チェック
 日本とドミニカ共和国での省エネ法の違いを説明する書類を作ったり、日本にある省エネ手帳の項目を翻訳して紹介したり、電化製品購入時の省エネのガイドラインの書類を作成したりしました。結構作ったは良いけどその後どうなったのか?という事がよくあったので最初に作成の意図をよく聞いておけば良かったと思っています。


さて、成果をまとめますと
・新たな技術や知識を紹介して、採用をしてもらえた
・報告書を2つ作成し、形としても私の意見やアイディアを残せた

といった所でしょうか。活動自体は1年程度で終わってしまったので、もし任期通りもう1年間活動していたら、私自身がマンパワー化しないように報告書の作成や客先での報告は同僚に任せるという風にするつもりでした。1年間で仕事内容を把握して、もう1年間では私の任期満了を意識して技術をより伝えていくという方針でした。


反省です
・コミュニケーションスキルが足らなかった

多くの隊員がなると思いますが、スペイン語が分からなさ過ぎて、特に配属されて数か月間は同僚と積極的にコミュニケーションを取ろうとしなかったです。もう会話をするのが恐怖でした。今思うと、そんなときでももう少しニコニコしとけばよかったなと思います。これは想定できたことだったので、そういった関係の良い本があれば事前に読んでおきたかったです。


1年間の活動を振り返ると、もっとああすれば良かったとか瞬間瞬間では思いましたが、大きな目でみると、良く悩んで、頑張って、成長できたと思います。反省は日々あったのですが、後悔はないというのが正直な所です。

私自身の活動は、おそらくドミニカ共和国の省エネ自体には全く役に立ってないと思いますが、同僚たちが活躍してくれる事を願っています。

2019年4月からドミニカ共和国で青年海外協力隊で2年間省エネの活動をしてきます。合宿入所から活動終了までの約800日毎日更新します。