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協力隊員が興味ありそうな本の紹介

ドミニカ共和国290日目。

今日は最近読んでいた本の紹介をしたいと思います。

去年のノーベル経済学賞を取った方々の本です。とても面白く、今まで読んだ本の中でもかなりのお気に入りの本です。

おそらく、言いすぎではない位にほとんどのJICA海外協力隊の人は何かしら活動の参考になるのではないでしょうか。本の中には、教育、医療福祉、開発、農業、政治経済などのテーマが取り上げられており、むしろ私省エネ隊員くらいしか直接関係がない職種はないのではと思ったくらいです。

この本を読んで改めて思ったのは、周りの環境の大切さです。私は日本で生まれたから合理的な選択肢を取ることが出来ます。けれど、貧乏な環境の中では周りから見たら「なぜそんな事を?」と思うような選択肢をしばしば取ってしまうようです。その行動原理の記述は、読んだ事のある遺伝子関連の本や脳関連の本との共通点もあり、とても興味深かったです。

世間では、「自己責任か、社会の責任か」と言った議論がたまに起こります。日本社会では、自己責任論が強いと思いますが、私自身も10年以上前であれば、頑張らないやつが悪い。全て自己責任だ。と恥ずかしながら思っていましたが、この本を読むとやはり全てを自己責任という言葉で片付けられないなと思います。ただし全て社会の責任という訳でもなく、答えはその中間にあるのだろうと思います。

この本の中で一番印象に残ったのは、3つの欠陥Iの話です。その3つは、無知 Ignorance, イデオロギー Ideology, 惰性 Inertia。特に私にはイデオロギーにが注意が必要だと思います。しばしばこれが正しいはずだと思ってやるんですが、実はそれは自分のイデオロギーだったという事があります。

以前、同僚が報告書にとても細かい事を書いて欲しいという意見に、そこは担当者が自分の頭で考えるのが大切なので反対したという話をこのnoteに書きましたが、今思えばそれも私のイデオロギーであったのかもしれないと思いました。もうちょっと書き方があったはずです。

最後に少し具体的に本の紹介をば。この本では、マイクロクレジットの有効性であるとか、予防接種を受けてもらうためにはどうするべきかであるとか、子供の生涯賃金を上げる意外な方法であるとか、私の活動国のドミニカ共和国の事例も2件ものすごく短くですが紹介もされています。

経済学にもこんな分野があるんだと驚いたと共に、とても面白かったので、今後も関連する本を読んでみようと思います。

ではでは。また明日。






2019年4月からドミニカ共和国で青年海外協力隊で2年間省エネの活動をしてきます。合宿入所から活動終了までの約800日毎日更新します。