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「土地をしっかり選べば、天変地異の大半は無効化できる(4)」

「物件の立地が安全への鍵です」。そんな話をして来ました。
土地の地名から、その歴史や過去の被災状況、造成の有無…等で、大地の取捨選択はある程度出来たと思います。

自然災害系で注意すべきもう一つは、風です。

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私たちは「空気」の怖さを、中々知り得ません。
「風速〇メートル」がどれほどの強風なのか。
その風で看板や波板が飛ばされたり、
車で風の渡る平野や巨大な橋の上を通過して、ハンドルを取られたり、
映画で乳牛・家屋・トラックが天に吸い上げられたり…

「空気」は普段謙虚ですが、
気圧変動で「家屋をなぎ倒し」「木片を外壁に深く突き立て」たりします。
特に注意して欲しいのが、

①「空気の流れが合流する地点」「山からの吹き下ろしが集中する部分」は、直撃を受けた建物で大気が巻き上がると、それで屋根を剥く事があります。

茨城県取手市井野台の例。
山を回り込む下道と、山からの降り道が二本合流する所に、一軒の民家が建っていました。
台風がその地域を吹き荒れた際、
平地を走る風と山からの吹き下ろしが、そこで鉢合わせたようです。

その家だけ、屋根のトタンが捲られて飛んでいました。
家屋外壁にぶつかり、合体した空気塊に下から煽られて、屋根外装が剝がされたんですね。

保険対象ではあると思いますが、修繕にその後数か月掛かっていたのを見るに、「毎年来る恐怖」としての台風のリスクを感じました。

ですから、物件を見るときにはその地形・建物配置も良く吟味して、
風の通り道に立ち塞がっているような家屋は避けるようにしましょう。

②「木片が突き刺さる!!」

②日本では珍しい例ですが、
2013年9月に竜巻が埼玉県越谷市下間久里~野田を襲いました。。
竜巻の通り道だけきれいに倒壊、破損、ガラス割れ…
そこから「ほんの数メーター」離れた家は無傷だったりしました。

その風力の恐ろしさ、
9×25×2センチくらいの野地板が、
家の外壁(サイディング)に垂直に突き刺さって、ほぼ貫通していました。
人に当たらなくて良かった。そういう威力ですね。

竜巻ばかりはその発生を読めず、予見して避けられない物ですが、
上記①と同様、努めて空気塊の直撃を食らわない立地、
周辺家屋との配置や防風林の有無…を検討するのは防衛策になるでしょう。

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さてこれで、自然災害に対する立地の目利きはお終いです。
次回は土地の歴史で、
「町の発展、その順番を詠む」と題してお伝えします。Stay tuned

(*写真は、屋根の頂点/接合部分、すなわち棟(むね)。
日本家屋ではそこに棟瓦や棟板金を配して、左右屋根の合掌部をつなぐ。

しかし経年で
棟瓦は固定している漆喰が落ちたり、
棟板金は釘の錆や、下地木材が腐食して釘の堪えがなくなり、
台風などで吹き飛ばされてしまう。
屋根の頂点が露出するため、広範に雨漏りし得る。早急に対処が必要)

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