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父は大腸癌、母は認知症 溢れる涙〜自宅での看取り 第4章
腹腔鏡手術を終えた父
「大腸癌初期」の宣告を受け父は腹腔鏡手術をすることになります
全身麻酔の手術ですが、切腹するわけではないので回復も早く、若い人では術後2週間で現場復帰できると、主治医から説明されました
私たちも、それを信じ安心していました
手術は順調に終わり、父は明らかに元気になり 歩行訓練も始まり予定通り2週間前後で退院できるものと信じていました
ところが、原因不明の微熱が続きます
術後 父の病状は悪化する
そろそろ退院かと思っていた矢先
父の病状は良くならず、むしろ面会するたびに元気がなくなりました。
手術は成功し、大腸癌は取り除き転移の心配はない!術後の回復を待つだけのはずでした
しかし手術によって肝臓の働きが低下し機能が低下してしまったのです
微熱が続いたのもこれが原因だったようです
肝臓は人間にとって重要な臓器で、一度悪くなると良くなることはないと言われています
アルコール性肝炎が手術によって悪化してしまったのです
体調がどんどん悪くなりリハビリもしなくなりました
食事もあまり食べなくなりました
負の連鎖が続いていました
生きる気力を失ってしまった父
生きる気力を失ってしまったのです
アルブミンの数値が低下していました。アルブミンの数値が低い場合は肝臓に何らかの異常が起きているか、アルブミンが腎臓や腸管から漏れ出していることがあるそうです。倦怠感や不快感が続き、食欲不振を招くそうです
回復の目処が立たす憔悴していく父の姿がありました
2週間の予定の入院が3ヶ月に及びました
「手術をしなければ良かった」と周りからも言われました
「嚥下障害」の症状が現れ、とろみのある食事しか取れないようになり、ひとりでトイレに行くことも出来なくなりました
3ヶ月経つと転院または退院を薦められる
総合病院では、入院期間3ヶ月は、一つの目安になります。このまま治療を続けるのか?入院が必要な病気なのか?転院して別の治療法にするのか?通院しながらの自宅療養を選ぶのか?
「自宅に帰りたい」 父の訴え
病院側の見解は、本人の「頑張る気力」がない以上、このまま入院していても良くならない。本人が自宅に帰りたいと強く思っていることもあり、自宅に帰り生活を変えることが回復につながるのではないか?
病院としては、これ以上治療を続けることは厳しいとのことでした
退院が決まる
そして、手術から3ヶ月が過ぎた7月の終わり頃
病院から、7月を区切りに退院を考えて欲しい!家庭では、そのための準備をして欲しい!との説明がありました
途方に暮れる私
突然のことで私は唖然としました
認知症の母の世話に明け暮れる毎日なのに
体の自由が効かない父親が退院して帰ってくる
考えただけで気が遠くなりました
3ヶ月も入院していた父は、元気だった頃の父とは別人で、筋肉も衰え自分の力で歩くこともままならない状況でした
その父の面倒を見るのは私?
無理 無理 仕事を辞めない限りとても無理、仕事を辞めたとしても家族だけで介護するなんてあり得ない
私に降りかかった現実はあまりにも残酷で涙が溢れて止まりませんでした
退院カンファレンスチーム
退院に向け急ピッチで準備が始まります 退院カンファレンスチームが発足しました
主治医、看護師、栄養士、リハビリスタッフ、ケアマネージャー、介護施設代表、訪問看護師 そして私
皆が集まり父のことを最優先に考え退院に向けた話し合いがされました
認知症の母を抱え、さらに父の面倒まで?
途方にくれていた私をチーム一丸となり救ってくれたのです
感謝の気持ちとともに、不安な気持ちが少しずつ和らいで行きました
そして父は3ヶ月の入院を終え退院することになります
まだまだ試練の日々は続きます〜
続きは 第5章で