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新潟のアイドルグループ RYUTist のイベントに、無知なまま飛び込んだ話

RYUTistという、新潟のアイドルグループのライブを見に行きました。

タイトルにもある通り、RYUTist自体に詳しいわけではなく、ただの個人の旅行の記録と語り散らかしなので、ご了承ください。。

きっかけ

もう15年も前の話ですが、僕は中学生の頃、Cymbalsというバンドのファンでした。
Cymbalsとは、タイトなドラムにメロディアスなベース、艶やかな女性ボーカルが織りなす、渋谷系と呼ばれるジャンルのバンドです。
ベース担当の沖井礼二さんが作曲しており、他の渋谷系とは違う、それまで僕が聴いたことがないオリジナリティにあふれる楽曲ばかりでした。
ちなみに同世代の渋谷系であるROUND TABLEなどと一緒に名前があがると、「いや、一緒にしないでほしいし…」などと、中二病をこじらせてツウぶっていたのは、本当に恥ずかしい思い出です… 笑

当時愛知県に住んでいた僕は、Cymbalsの演奏を一度生で見てみたくなり、東京に行く計画をたて、宿もとりました。
しかし、その直前にインフルエンザにかかってしまい、行けなくなってしまいました。
そして高校の受験勉強で忙しくなりだした頃に、ついにCymbalsは解散してしまいました。
その後も、Cymbalsのメンバーたちは個々で活躍されていますが、あの三人での演奏が聴けないと思うと以前ほどアツくなれずにいました。
結局一度も三人並んで演奏するところを生で見られなかったのは、今でもとても残念に思っています。

それから15年が経ち、僕の生活もかなり変わりました。
都内で働いて、結婚もして、音楽の趣味も当時から随分と変わっています。

そんなある日、何気なくツイッターで流れていた動画をなんとなく再生しました。
見知らぬ若い女の子たちが、バス停や海辺で歌っているミュージックビデオ。
やさしいピアノの音色と、キラキラしたストリングス。そしてなにより、聞き覚えのあるメロディアスなベース…

涙が止まりませんでした。

RYUTist「黄昏のダイアリー」

あのCymbalsのメンバーだった沖井礼二さんと、当時ディスっていたROUND TABLEの北川勝利さんの仕事でした。(ごめんなさい、今はお二人とも大好きです!)
この事件をジャイアント馬場とアントニオ猪木がタッグを組んだようなものと説明している記事もあり、音楽ファン心をくすぐられニヤッとしてしまいます。

いや、ていうか… なんかボーカルすごくない?

なんと言ってもこのボーカルですよ、みなさん!

歌っているのは「RYUTist」という、二十歳ぐらいの女の子4人の新潟ご当地アイドルグループとのこと。
一般の音楽ファンの僕が評価するのも大変おこがましいですが、歌唱力が抜群なのはもちろん、声は全体的に透明感があって、かと言って気張った歌い方でもなく、とても聴きやすい。
沖井おじちゃん、北川おじちゃんらが作る音楽にもまったく負けていません。

メンバーは、正直普通にいそうな愛想のいい新潟のお嬢さんたちといった印象ですし、全国区のテレビに出ているわけでもなければ、秋元康さんプロデュースでもありません。
それなのに、名曲が出てくる出てくる…
もうね、アルバム「柳都芸妓」なんか正気の沙汰じゃないんですよ。

RYUTistを知らなくても、純粋に音楽だけ聴いてほしくなるCDです。

「夢見る花小路」「恋してマーマレード」で楽しい気持ちにさせてくれると思ったら、「想い出はプロローグ」「涙のイエスタデイ」あたりは艶やかで、何度も聴きたくなる。
全体を通してとても上品だし、これなら電車でうっかりイヤホンが外れていて他の人に聴かれてしまっても恥ずかしくない。
メンバーたちが単なる受け身なアイドルではなく、きちんとプロのボーカリストとして高いレベルで音楽に参加していることがわかり、クリエイターとしてのプライドがうかがえます。
なにやら、メンバーに音楽に知悉した子がいて、彼女がボーカルリーダーとして仕切っているとか… おそるべしRYUTist。

前述の音楽家以外にも、シュガーベイブの村松邦男さん(もうすごすぎて意味不明)など、大御所たちも楽曲提供していて、とにかくやばいんです。
ダウンタウンへ繰り出そうよと歌っていたのは、古町のことだったのかな…

ぶっちゃけもう仕事なんかしなくても一生遊んで暮らせるぐらい成功した音楽家のおじさんたちに、「この子たちと音楽が作りたい!」と火を付けるアイドル、ぜひ生で見たくなりました。

そして新潟へ!

RYUTistを知ってから1週間後の2018年12月9日、ホーム新潟でのライブを見ることに!
東京にも時々来るそうですが、僕にとっては物理的に離れた場所に行って見るという体験も憧れだったのです。
思えば中学時代にCymbalsでできなかった、なにか遠くにある大好きなもののところに、自分の足で行くという体験を取り返したかったのかもしれません。

前日の夜に自宅から新幹線で前乗りし、古町のホテルで一泊してからライブ会場へ行きました。
無知過ぎるのはさすがに失礼かと思い、吉祥寺駅から新潟駅に着くまでの3時間半、SpotifyでRYUTistの曲を聞きながら、関連する記事やウィキペディアで勉強しました。

とはいえ新参者だし他のファンの方からあまり歓迎されないかなと不安でしたが、歓迎してくれるメンションがいくつか来ました。
バスセンターのカレーがおいしいとか、ユニクロが万代シティにあるとか教えてくれた方まで…
みんな優しい!ありがとうございます!!!

RYUTist HOME LIVE #267 『レパートリー人気投票2018 結果発表ライブ』

どうやらこの日は、ちょうど運良く一般投票で人気だった上位10曲が聞ける、激レアなイベントだったようです。
まず、会場に入ったら100人弱ぐらいの規模で、配られるチラシなども手作り感満載だったことに驚きました!

ライブは、テレビとかでよく見る感じのステレオタイプなアイドルの自己紹介(?)から始まって、初心者の僕は「お、おぅ……」っとビビってしまいました。
でもいざ曲が始まると、やっぱり歌もダンスも素敵!
第6位の「涙のイエスタデイ」、こんなにバリバリダンスする曲だったの!?

そして、はえある第1位の曲「カラフルミルク」!
Spotifyにない……!ビギナー無視!(笑)
初めて聞いた曲だったのですが、どうやらメンバーのひとりのお気に入りの曲なんだとか…。
明るく軽快なポップソングで、音の数も少なくて初期に作られた感じがなんとなくしました。
確かにライブで盛り上がれる曲かもしれませんが、こう、著名な音楽家たちが頭をフル回転して作った曲をよそに、「カラフルミルクが一番好き!」と言えてしまうあたりが彼女たちの強さなのかもしれません… 笑

グッズ販売

ライブ終了後、グッズの販売があったのですが、勝手がわからずオドオド…
隣にいた、お客さんから、「欲しいものを伝えたら買えて、サイン券か握手券がもらえますよ!緊張しなくても大丈夫です!」と優しく元気付けてもらえました。

😎「CD、サイン券か握手券どちらにしますか?」
🙎‍♂️「サイン券で…!」
😎「メンバーは誰にしますか?」
🙎‍♂️「?!?!(メンバー聞かれるんだ…。どの子が誰かわからないし、名前すら思い出せないけど…。そんなこと言えない…)」
🙎‍♂️「…ト…トモエさん?」
😎「はい。あともう一人はどうしましょうか?」
🙎‍♂️「…えっと…ユメハさん?」
😎「?」
🙎‍♂️「?」

後ろに並んでいたお客さん、どう思ったんだろう。
もはや誰のサインでも嬉しいから、勝手に選んで欲しかった…

そんなこんなで4人分のサインが入ったCDをゲットしました!
僕がサインをお願いする場所が若干失敗していますが、大切な思い出です。
これを眺めながら新幹線で帰りました。いい旅だった!

まとめ

地方のアーティストの曲を聴いて好きになって応援するというのは初めてでしたが、とても良い体験でした!
東京にいるといろんなアーティストを見に行くハードルが格段に低いです。
だからこそ逆に、「物理的な距離や、時間のハードルが育ててくれる、想いや憧れ」みたいな魅力ってあるんじゃないかなと気づかされる気がします。
そういった意味で、地方に根を張って活動しているアーティストは、首都圏に住む人がなにかの拍子に見つけた時に、より一層輝いて見えるという強さがあるんじゃないかなと思いました。

RYUTist、アイドルファンの方はもちろんですが、ぜひ周りの音楽が好きな人にもおすすめしたいです!
そして、絶対にまたホームライブに行きたい!

(自分メモ)

・柳都芸妓は、「りゅうとげいこ」ではなく、「りゅうとげいぎ」
・夢羽さんは、「ゆめはさん」ではなく、「むぅさん」
・会場は「柳都SHOW!CASE!!」と「新潟SHOW!CASE!!」があるから、間違えるとつらい

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