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日本茶と器を愉しむワークショップ_12月「花のような香りの萎凋(いちょう)煎茶を楽しむ」|EIGHT TOWN

こんにちは。美濃加茂茶舗です。

イベントレポート第7弾は、12月12日(木)に名古屋市鶴舞にあるエイトタウンで開催した「日本茶と器を愉しむワークショップ」の様子をお伝えします。

11月に続いて3回目の開催となった今回のテーマは「花のような香りの萎凋(いちょう)煎茶を楽しむ」。

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講師を務めるのは、お茶をこよなく愛す美濃加茂茶舗の店長であり日本茶インストラクターの伊藤です。

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(先日、日本茶インストラクターとして地紅茶サミットのお手伝いに行った際も会場で色々と大人買いしてきたようです。)

会場は鶴舞駅にあるエイトタウンです。

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奥のガラスの引き戸を開けて、中に進みます。
入ると目の前がレジになっています。そちらで受付をし、ワークショップの費用(1,000円)をお支払いしてから2階にお進みください。

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ワークショップを開催している2階は、隣のサンドイッチとタルトの専門店「ハチカフェ」でテイクアウトした商品を食べていけるイートインスペースになっています。

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月替わりのサンドイッチやタルトが楽しめます。
ワークショップの帰りにお昼ご飯を買いに立ち寄るのもおすすめです。)

さて、今回は2019年最後の回だったわけですが、参加者数が3名と、今までで一番少ない回となりました。

もしかすると「萎凋」というテーマが一般の人には馴染みがなさすぎたのかもしれません。ただ、少人数ならではの雰囲気で、参加者同士でも講師ともじっくりお話いただくことができました。たくさん質問も出て、充実した内容になりました。

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そもそも「萎凋」煎茶とはなにか、を理解するためにはお茶の製造の工程を知る必要がありますので、今回はお茶に詳しい皆様ではありましたが、まずはお茶栽培と製造に関する説明からスタート。

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茶葉は通常の煎茶にする場合、摘み取ったあと酵素の酸化(発酵)を止めるためになるべく早く蒸す工程に移します。

お茶は、茶園で栽培した生葉を加工することによって製品となります。生葉は、摘採した時点から酸化酵素の働きによって変化(発酵)が始まりますが、緑茶は新鮮な状態で熱処理(蒸す・炒る)することで酸化酵素の働きを止めた「不発酵茶」です。

出典:伊藤園「お茶百科

それに対し萎凋煎茶は、収穫後の茶葉をすぐに蒸さずに数時間〜一晩ほど置き、わずかに萎れさせ微発酵させてから加工していくお茶です。そのため花のような香りがするお茶に仕上がります。

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萎凋煎茶は美濃加茂茶舗でお取り扱いがあるわけではないのですが、美濃加茂茶舗の茶葉を栽培していただいている東白川村では馴染みのあるお茶です。今のように機械が発達していなかった頃には、収穫した茶葉をその日のうちに全て荒茶にするための工程に進めることができず、一晩置いておくことがありました。そのために、意図せず、若干“萎凋してしまった”香りの強いお茶ができていたのです。萎凋したお茶は村の人達が自分たち用に愛飲しており、それが東白川村ならではの地元の味わいとされていました。

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大型機械の導入以降、その日中に全ての茶葉を蒸すことができるようになり、萎凋ならではの香りがする煎茶はできなくなりました。しかし、昔ながらの花のような香りがするお茶が、東白川村のお茶の個性だったのではないかとの考えものと、最近ではあえて萎凋の程度を調整し、「萎凋煎茶」を製造していこうという流れがあります。

今回のワークショップでは、そんな背景のもとつくられた東白川村の個性とも言える萎凋煎茶を飲んていただきました。

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(通常の煎茶と比べると、若干茶葉に赤くなっている部分があるのがわかるでしょうか?この部分が萎凋している部分です)

まず、通常の煎茶と萎凋煎茶の見た目や香りを比べてもらいます。

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「フローラルな香りがしますね」などの感想が出る中で、店長がまず美濃加茂茶舗でお出ししている煎茶でお茶の淹れ方をレクチャー。

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「宝瓶」という持ち手のない急須のような茶器の使い方、茶葉の量、お湯の温度、湯さましの仕方、蒸らし時間など、美味しいお茶を淹れるために留意すべき点を解説。そして、皆様もいざ実践です。

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ティースプーン2杯分ほどの茶葉をすくって宝瓶(ほうひん)に入れます。
宝瓶とは、取っ手のない急須です。美濃加茂茶舗のお店で使用しているものをワークショップでも使っていただいております。

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一度湯のみにお湯を入れ、そのお湯を茶葉が入った宝瓶に入れます。そうすることで湯のみは温まり、お湯は適温(煎茶では80-85度程度)になります。最後の一滴まで注ぎきることが、二煎目も美味しく淹れるためのコツ。

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ご自身で淹れた煎茶を味わったあとは、いよいよ萎凋煎茶の試飲へ。萎凋煎茶は店長がお淹れして振る舞いました。

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先に飲んだ煎茶と、萎凋煎茶の香りや味を比較。今回お持ちした萎凋煎茶はあくまで「煎茶」なので、萎凋の具合も軽めで飲みやすかったのではないでしょうか。

お茶請けはわらび餅で有名な名古屋市東区の老舗和菓子屋「芳光」さんの上用饅頭。あんこの上品な甘さとお饅頭のしっとり感が素晴らしいです。そしてデザインもとってもかわいい。舌でも目でも幸せを感じます。

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(煎茶は甘い和菓子との相性が抜群なんですよね。
正直、軽く2,3個食べられそうな美味しさです。)

最後は恒例の質問タイム。

「なぜ日本では萎凋茶があまり評価されていないのですか」

「どういうお茶が品質が良いお茶なんですか」

「機械でいっせいに摘むと、茎などの葉以外のものがたくさん混じりそうですがどうなんですか」

など、ざっくばらんに気になっていることを質問していただきました。

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(これまで3回ワークショップを開催していますが、今のところ、
どんな質問にも答えられている店長。次回も頑張りましょう。)

日本茶への理解をさらに深めていただきつつ、今回のワークショップは幕を閉じました。ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

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次回は1/11(土)。初めての土曜開催となります。まだまだご応募受け付けておりますので、よろしくお願い致します。2020年の年始め、美濃加茂茶舗のワークショップで日本茶への学びを深めてみませんか。

🍵次回ワークショップのお知らせ🍵

テーマ:「お茶のいろは」~日本茶の製造方法を知る~」
内容:煎茶、ほうじ茶、抹茶など日本茶には様々な種類があり、見た目も味も全く違いますが、実はすべて緑茶の仲間。栽培方法や製造方法の違いによって区別される様々なお茶を実際に飲みながら、その違いをご紹介します。
日時:1月11日(土)10:30-12:00
定員:10名【予約制】
受講料:大人(中学生以上)1,000円 小学生以下 無料
※価格は全て税抜です

今回から、小さなお子様の同伴も可能になりました。会場にはキッズスペースもありますので、今まで参加が難しかった方も参加をご検討くださいね。

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※熱湯や陶器を扱いますので、お子様が怪我をされないよう十分にご注意ください。

(↑ワークショップのテーブルのすぐ近く、目に見えるところにキッズスペースがあるので安心です◎)

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また来月、お会いできることを楽しみにしております!

講師:伊藤(美濃加茂茶舗店長)
TEXT:松下(美濃加茂茶舗メンバー)


🍵イベント出店のお知らせ🍵
《星が丘テラスのイベントスペースMOGMOGに出店します》

・出店期間:2020/1/7(火)〜20(月)
・営業時間:10:00〜20:00
 ※1/7はプレオープンにつき12:00〜20:00、1/20は10:00〜17:00
・会場:星が丘テラス期間限定イベントスペース「MOGMOG」(名古屋市千種区星ヶ丘元町16-50)

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