制作方法・素材・タイトルから作り手の気持ちや思い入れが伝わってくる|あかりアート展入賞者インタビュー 伊藤さん
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制作方法・素材・タイトルから作り手の気持ちや思い入れが伝わってくる|あかりアート展入賞者インタビュー 伊藤さん

岐阜県美濃市が、日本に、世界に誇る文化「あかりアート」。見て楽しい、作って楽しいあかりアートの魅力をもっともっと知って欲しい。

そこで、美濃和紙あかりアート展の入賞者に、あかりアートの魅力やあかりアート作りの楽しさ、上手に作るコツ、あかりアート展を最大限楽しむためのポイントなどを聞く連載企画がスタートしました。

今回お話を伺ったのは、第27回美濃和紙あかりアート展で美濃和紙あかりアート賞を受賞された伊藤さん。

伊藤さんのあかりアート作りへのこだわりや、あかりアートを上手に作るためのポイントなど、これを読めばこれまで以上にあかりアートを楽しめること間違いなしです。


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町並みにマッチしたあかりアートに感動

ー伊藤さんがあかりアートと出会ったきっかけはなんですか?ー

およそ15年前に妻が出展していたため、あかりアート展を訪れました。そのとき、このイベントが美濃市の町並みにマッチしていたこと、そして出展されている作品すべてが手作りということに興味をもったことがきっかけになって、作品を作ってみたいと思いました。

それまで特に制作するという経験はなかったのですが、ちょっとした物を作るのは好きだったということもあって、その翌年から作品を作っています。

作品づくりは妻が先輩なので、途中で意見を求めることはあります。ですが、制作の進め方が全然違ったので、お互い独自の方法で制作していました。

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ーー作品作りにハマるきっかけはどんなものがあったのでしょうか

幸運なことに、初出展でいきなり入選に選んでいただいたことが大きいです。

タイトルは「氷柱」。
まさに氷柱(氷瀑)をイメージして製作した作品で、昼光色の電球に白い和紙が氷の様に表現できないかと考えながら製作しました。

初めて作った作品だったのですが、だいたい思ったように出来上がったのもうれしかったです。


完成したときの達成感と、観に来た方からの生の声が喜びに

ーーあかりアート作りで一番楽しいことはなんですか

完成したときの達成感ですね。

制作するときは、アイデアを出してイメージスケッチを作り、パソコンで図面作成をします。それから和紙やアクリルなどの材料を購入して、制作に入っていきます。

制作中は、作業が進むにつれテンションも上がっていき、夜遅くまで作業してしまうという感じでした。途中、問題も発生して苦労もしましたが、問題が解決できたときはうれしかったです。

それから、これは作っている時ではないのですが、あかりアート展で作品を観てくださった一般の方たちの生の声を聞くのも嬉しいです。「すごいね」「綺麗だね」といって評価してくれているのを聞くとすごく嬉しいですね。

今回(2020)はリモートでしたが、搬入時にある方から「実物を見たかった」と言われた時も嬉しかったです。

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ーー作品に込めた思い、注目して欲しいポイントを教えてください

今回はアクリルを使って面白い表現ができないか、というコンセプトで考え始めました。

球体の部分は、正方形のアクリル板に張り付けた円形の和紙の連続で表現しています。一枚一枚計算し、サイズの違う和紙を張り付けました。

また、球体に温かみを出したかったので、水切りという手法を使い、全て手で切り取りました。
(水切り:和紙独特の「耳」に似せて紙の縁を繊維が出るように切るやり方)

均等にアクリルを配置して、たわまないように固定することには苦労しましたね。

立方体と球体との融合に注目していただけたらと思います。

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大切なのは、和紙の素材感と和紙を通した光の見せ方

ーー作品を作るときに大切にしていることを教えてください

出来るだけ和紙の素材感を大切にして、和紙を通した暖かい光になるように、そして作品全体に光が届くように心がけています。

今回の作品ではアクリルがかなり表に出ていますが、あかりの部分は和紙だけで暖かい光を表現したいと思い、骨組みの部分は見えないように気を付けて考えました。

ーーこれからあかりアートを作ってみたい方は、どんなことに気をつけて作ると上手に楽しく作れると思いますか

和紙と、和紙を通した電球のあかりをいかに見せるかを心がけてみてはいかがでしょうか?

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アクリル板を感じさせず、立方体の中に、タイトル通りふんわりした球体が浮いて見え、命が宿っているよう。


制作方法・素材・タイトルからも作り手の思いを感じてみよう

ーーあかりアート展を楽しむためにどんなポイントに注目するといいと思いますか

どのような方法で作品が作られているのか、和紙以外の素材は何を使っているのか、などを見てみるのも面白いのではないでしょうか。

更に、作品のタイトルも合わせて見ると、より作り手さんの気持ちや思い入れが伝わってくると思います。

今回は搬入の時に皆さんの作品を見る機会があったのですが、一番気になった作品が後になって大賞をとられた方だと知って、びっくりしました。

ほかの方々も毎回いろいろなアイデアで作られていて、毎年いい刺激になっています。

original (4)のコピー

作品No.82「日々うつろう」野津 史花さんの大賞受賞作品

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画像:あかりアート展ホームページより


編集後記

和紙で作られた球体が、立方体の中に浮かんでいるようにも見える今回の作品。

初作品で氷を表現しようとされたこと、今回の作品でアクリルを使いつつ繊細な作業で和紙の暖かさを表現されたお話などを伺い、素材の魅力を引き出すための新しい表現へのこだわりを感じました。

作品全体を眺めた時の雰囲気だけではなく、素材や作られ方・タイトルなど、細部に目を向けることで、作品のさらなる魅力と出会うことができるのですね。

また、作品を見に来た方の声が作者に届くことが、作者の喜びや制作意欲、見ている人の感動の広がりにも繋がっていると知りました。
ぜひ、観に行かれたときは、一緒に観ている方と感動を伝え合ってみてください。作者の方にもその声がきっと届いています。

次回のあかりアート展も楽しみです。


取材=澤田 おさむ / 文=汐口 あゆみ



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