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器の小さいクリエイターにならないように

クリエイター(手に職系の人)にとって、「タダでやってくれ」はタブーだ。彼らが持つ知識や技術には、数え切れぬほどの時間と労力、資金が掛けられている。お客さんは表面上のコンテンツやサービスだけでなく、その過程も含めてお金を支払っているのである。

それをタダで享受しようというのは、クリエイターに対しても、お客さんに対しても失礼にあたる。彼らが持つ知識や技術をあまりに軽視しているし、その知識や技術を身に付けるにあたっての苦労も無視している。

僕もライターをしているので、たまに「タダで文章を書いてくれ」と言われることがある。それも「チョチョイとやってくれ」といったニュアンスを含めて。そういうときはやはり頭にくるし、とても残念な気持ちになる。「この人はクリエイターに対して、リスペクトがないのだな」と思う。

しかしここ最近は、「『タダでやってくれ』というやつにはブチギレる」「『友だちだから』といってくるヤツはダメだ」という意見を見かけるたびに、どこか違和感みたいなものを抱くようになった。

なんだか、器小さくない……?

自分たちの知識や技術に対する誇りや、お客さんを大切にする気持ちはわかる。でも「タダでやってくれ」というだけで、怒ったり、貶したりするのはちょっと行き過ぎではないか。

恐らく「タダでやってくれ」と聞いてくる人たちは、クリエイターが持つ知識や技術を軽視している以前に、その言葉が失礼に当たるものだと認識していないように思う。彼らは単に「知らない」だけなのだ。僕らクリエイターが持つ知識や技術にどのくらいの価値があるのかを。

だから、「タダでやってくれ」という人たちに対しては腹が立つこともあるかもしれないが、それが失礼であることを淡々と説明してあげればいいと思う。もっと言えば、クリエイターが提供するものの価値を、非クリエイターの人たちにもっと知らしめる必要もある。身内で「これは失礼だ!」と愚痴をこぼすよりも、外に向けて「僕たちの知識や技術にはこれだけの価値があります」と伝えていくことが大切だ。

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