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【学活】NPO法人GrowUpさんと協働 ネットリテラシーを高める授業

1 自己紹介

私は「社会と学校をつなぎワクワクを作る」合言葉にゲストティーチャーと協働した授業を行っている公立小学校教諭です。ゲストにしか話せない言葉を引き出し、ゲストだからできる活動を考え、ゲストと協働してオンリーワンの授業づくりを行っています。

2 今回の授業は?

「いじめをなくす」ために講演会や研修、授業を行っているNPO法人GrowUp理事長の中島征一郎さんと、インターネットの良さと怖さの両面を児童が理解し、楽しく幸せに現代社会を生きていけるようオンラインで情報モラル教室を行いました。

3 授業での工夫

工夫1 講師による児童を惹きつける自己紹介
工夫2 知識を得るだけではない、生き方や過ごし方を考える展開
工夫3 講師と担任の協働でオンラインに臨場感をもたせる

4 どんな授業だったの?

まずは講師の中島さんによる自己紹介。子どもたちは開始直後から中島さんのお話に引き込まれていきます。誰でも答えられるような簡単な質問から入り、自己紹介をしていきながら、子どもたちは今日はインターネットの話をするんだ~ということを掴んでいきました。
子どもたちが盛り上がったのは、中島さんがスプラトゥーンのマイページを公開した時。子どもたちは、「うぉ~。これはすごい。」「大人でもやるんだね。」「俺なら勝てる。」と様々感想を述べていました。一気に子どもたちの講師に対する興味や親近感が湧いていったのが分かりました。

講師が自己紹介で子どもたちの目線に合わせる。その上で話しを始める。

書くと当たり前のように思うかも知れませんが、これがなかなか難しい。チューニングするようにピタッと子どもたちの周波数に合わせることは、至難の業です。
中島さんはより良いコミュニケーションを考える際に、「メガネ」という比喩を用いています。「あいてメガネ」(子供の気持ちになって何をしてほしいか、何をしてほしくないかを考える)
子どもたちが聞きたい話を自己紹介に入れるというのは、まさに「あいてメガネ」の活用です。

「あいてメガネ」について詳しくはこちら↓↓


次に、インターネットの良さ、怖さについての説明をしていただきました。
ネットの便利さ、相手が分からない怖さ、鍵アカウントにしたとしても記録は残ること、
そして、犯罪を犯すと、未成年であれども、裁判になることなど。。。
こういった部分を脅しではなく、淡々と伝えていきます。
その後、中島さんならではの素敵な発問がありました。


「インターネットで失敗してしまった時、相談できる人はいますか?」

3,4年生の児童は、「親」「家族」という声が多く聞かれましたが、5,6年生は、「いない」「相談しない」という意見も多く聞かれました。中島さんは「近い人だからこそ言いにくいこともある。相談できる人や仕組みはあるので、自分なりの相談先を作ってほしい。」と話してくれました。
失敗しないように「~はだめ。」という話だけではなく、もし失敗してしまったらを考えておく。もしかしたら、今、実は困ったことがあるという児童もいるかもしれない。そのような児童に響く発問でした。その後は、教材文を使った授業へ。教材文を使いながら、相手とのコミュニケーションをどうとるかを考えていきます。中島さんのテンポの良い発問に促され、子どもたちの思考はどんどんと深まっていきます。「自分だったら~」等、自分のフィルターを通して考える設計になっているので、知識の理解にとどまらず、実際の行動に繋がるような理解ができるような授業展開になっていました。教材文を呼んでみたい方はこちら。(現在はバージョンがさらにアップしているようです。)

授業は、オンラインで行いましたが、講師の質問を教室の担任が児童へ問い直し、子どもたちに答えてもらうというような流れで行いました。
子どもたち側からすると、オンライン授業では、先生役が画面に映るだけなので、段々と集中力が減ってくるという実態があります。講師側からすると、オンラインでは子どもたちのリアクションが分からずに、ひたすら画面に向かって話し続けるということがあります。
中継役は、良いタイミングで口をはさみながら授業を進めることで、これらの問題を解消していくことができると感じました。(もちろん、この辺りは講師と打ち合わせをした上で行っています。)


子どもたちの感想
インターネットは危ないところもあるけど、しっかり使えれば便利になる。人の気持ちを考えてインターネットを使うのが大事だと思いました。
インターネットで、喧嘩になりやすいのが初めて知った。 インターネットゲームが10〜15歳からあるのが初めて知った。 僕は13歳からのゲームをしていたのでびっくりした。
楽しいゲームでも危険そうだったらやめる事。 いじめをしない事。ゲームでもインターネットでも危険な事がある。危険だと思ったらやめようと思った。
インターネットは、すごく便利だけど使い方を間違えると、炎上や詐欺になったりすることがわかった。最後のさるくんといぬさんのもの語りを見て相手からは、視点が違うんだと思いました。

児童の感想を編集

5 まとめ

今回は、NPO法人Growup代表の中島征一郎さんと、インターネットの良さと怖さの両面を児童が理解し、楽しく幸せに現代社会を生きていけるようオンラインで情報モラル教室を行いました。
情報モラルの授業をする上で、「知識だけじゃ足りない!」「禁止したって仕方ない!」こういった自分自身の従来の情報モラルの授業に対するモヤモヤが晴れたような授業になりました。中島さんの授業の構想、流れがとても素晴らしかったです。
子どもたちがこの授業をきっかけとして、より適切にインターネットを使ってくれることを願っています。


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