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つまらない仕事も楽しくしてしまうコツ

仕事がつまらない人は結構多いと思います。

究極を言えば、楽しい仕事を見つけて転職できれば一番ですが、なかなかそうもいかない人が多いと思います。お金の問題がありますし、転職するにも、自分に何が向いているのか、どんな仕事なら楽しめるか、転職した先でパワハラにあったりしないか、不安はいくらでも出てきます。

そこで、今回の提案は
「つまらない仕事を、つまらないなりに楽しむ方法」です。

そもそも「仕事が楽しい」とはどういう状態?

そもそも仕事が楽しいとはどういう状態を言うのでしょうか。

(1)没頭

(2)快楽

(3)笑い

大きく三つあります。(3)の笑いについては自分だけで生み出せるものでもないので、今回は(1)没頭と(2)快楽について説明します。

(1)没頭とは何か?

これは、何かの作業に集中して無我夢中の状態で、集中している時間自体が喜びの状態です。フロー体験という言葉が使われることもあります。

例えばゲームに熱中している状態とか、将棋に集中している状態、スポーツをしている最中の状態などが挙げられます

事務仕事でもこの状態になることはあります。

例えば、パワーポイントで資料の作成に没頭する人もいれば、文章を書くことに没頭する人もいれば、エクセルで関数を作ることに没頭する人もいます。

他にもいろんなパターンはあるでしょう。封筒に紙を封入する作業に没頭できる人もいるかもしれませんし、管理職であれば、仕事をどう進めるか次から次へと考えが頭に浮かび、次から次へと部下に仕事割り振るときに没頭に近い状態になる場合もあるかもしれません。

この、何かの作業に”没頭”している時っていうのは、それ自体に夢中になっており、終わった時に振り返ると、楽しかったなと思ったりするものです。

ですので、没頭というのは、仕事を楽しくするために重要な要素になります。

ところが、”没頭”するためには条件があります。
それは、次の3点です。

・難しすぎず、簡単すぎない
・次に何をやれば良いかが分かっていて作業が次から次へとスムーズに進んでいく
・邪魔されない

この3点です。

没頭しづらいサラリーマンの宿命

ただし、サラリーマンにはこの没頭した状態を阻害する重大な問題があります。

そう、3つ目の「邪魔されない」という点です。

一説によると、「サラリーマンは"11分に1回話しかけられる」そうです。(眼鏡のJINS社の方の話)

一方で「物事に集中するためには24分かかる」とも言われています。(同上)

集中するまでに24分かかるのに、11分に1回話しかけられる。

無理ゲーです(^^;

これからやっと集中した状態に入るかどうかのところで、
途中で話しかけられたり
窓口にお客さんが来たり
電話がかかってきたり。

そうすると、当然、人は腹が立ちます。

サラリーマンにとって没頭は難易度の高い挑戦です(^^;

脳内メモリーをMAXで使わない

没頭して作業しようとしていても、話しかけられて集中を遮られてしまう。

しかしながら、対処法はあります。

つまり、遮られても腹が立たないで済む状態にしておくということ。

ではまず、なぜ腹が立つような状態になるのしょうか。
少し掘り下げて考えてみると、
「集中している時に遮られて腹立つ」というのは、
一度に頭の中でいろんなことを考えていて、頭がパンクする寸前になっている状態なのです。
こういう時に話しかけられたり電話がかかってきたりすると、パンク寸前の脳内メモリーが溢れてしまい、頭がパンクしてしまうのです。
当然、話しかけられれば返事をしないといけませんので、作業は中断し、戻った時には「どこまでやったっけ?」となります。
そうして、頭をパンクさせ、脳内メモリーを溢れさせた原因である「話しかけた人」や「電話」に腹が立ってしまうわけです。

逆に言うと、頭をパンクさせないように脳内メモリーに余裕を持たせて集中すれば良いのです。

「没頭」の度合いは多少弱まってしまいますが、少し余裕を持って
「80%没頭」のイメージです。

本当の没頭の少し手前にしておくだけで、話しかけられた時のストレスは半減します。
いっぱいいっぱいで作業してなければ、元の作業に戻った時に「どこまでやったっけ」を思い出すことも多少は簡単になります。

没頭のコツ①作業は細切れにする

脳内メモリーをMAXで使わず、「80%没頭」にしておくとは言っても、具体的にはどうしたら良いでしょうか。

それは、「いろんなことを考え同時に考えることを避ける」
つまり、仕事を「細切れ」にしていくことが対処法です。

例えば
「このデータのうち、ここの部分だけまずやっていこう」
「それが終わったらここをやろう。それを忘れないために見出しだけ先に作っておこう。」
そのように、細切りにして取り組むことです。

「11分に1回話しかけられる説」に基づけば、5分〜10分くらいの作業に細切れしておく必要があります。

もちろん、3分後に話しかけられるかもしれないし、20分の間、話しかけられない場合もありますが、5分とか10分の作業に細切れしておけば
・作業を遮られる前に一つの作業が終わってしまう確率が上がる
・途中で話しかけられて「どこまでやったっけ?」となっても、一つの作業量が小さいので思い出すのが簡単

と言う効果があります。

デメリットとしては、細切れになると「没頭の深さ」が浅くなってしまうことです。例えると将棋の棋士が10手先、20手先まで読んでいる時のような「深い没頭」の状態は、この方法では味わうことができません。
ですが、深みに入っている時に話しかけられ、リセットされてしまうことを考えれば、作業を細切れにしてリスクを下げた方が、結果的には頻繁に「没頭」と「達成」を味わうことができ、つまらない仕事でも楽しくすることができます。

没頭のコツ②付箋仕事術

集中している時というのは、どんどん考えが思い浮かんだりします。

例えば「これやったら、次これやって」
「そういえばあの通知を送らなきゃ」
「あれは今どうなっていたっけ」
など、いろいろ思い出したい、思い浮かんだり、ひらめいたりします。

まさにそれが「没頭」している状態でもありますが、これを頭の中で留めておこうとすると、結局頭の中はパンクしてしまい、脳内メモリーは溢れてしまいます。

頭がパンクしてしまえば結局、電話がかかってくるなどのワンチャンスで没頭状態が台無しになってしまいます。

これを防ぐ具体的な方法は、
「次これをやろう」って思い付いたら、すぐに付箋に書いてパソコンに貼っておくことです。

そうすることによって
付箋に書いたこの部分は今は考えなくて良い!」となります。

これが重要です。

今は「ここだけ考えれば良い」って言う風にして
細切れにした作業に集中するのです。

次のことが思いついたら、それをそのまま頭の中で考えていては、ひと続きの業務になってしまいます。あくまで常に「細切れ」にしておくということです。

細切れにしておけば、仮に話しかけられたり電話がかかってきたりとかしてもそこまで大きな影響はありません。
現在進行中の作業はパソコンを見れば思い出すし、次にやらなきゃいけないことは付箋を見れば思い出すことができます。

逆にいうと、覚えておく必要が無いので、頭の中に余裕ができるのです。

一方で、
「集中してる時にどんどん思い浮かんできたものを、いちいち書いていられない」
「そんなのことをやっていたら余計に集中力切れる」
と思う人もいるかもしれません。

ですが、「付箋に書く」のメリットは没頭しやすくなるだけではありません。それは次のところで説明します。

(2)事務仕事にとっての快楽とは?

「快楽」って言うといろんな概念が入りますが、仕事に関して言えば一番身近なのは「この仕事が終わってスッキリした」、この気持ちが"快楽"(達成感)です。

ステージの上で歌ったり踊ったりするのが仕事ならそれ自体が快楽かもしれませんが、これを見ている人はデスクワークや接客などの仕事をしている人が多い前提で書いています。

つまらない仕事、簡単な仕事でも、快楽を得ることは可能です。

それが「付箋に書く」&「終わったら付箋を捨てる」という方法です。

付箋仕事術は「スッキリ感&プチ達成感」の素

先ほどの通りに作業を「細切れ」にしていけば、一つひとつの仕事の難易度は格段に下がります。

その分、思考が浅いうちに一つの作業が終わってしまうわけですが、それで良いのです。

まずは、作業を細切れにしたら、「すぐに付箋に書く」。

そして、今やっている作業が終わったら、「すぐに次の付箋の作業に取り掛かる」

作業をしている間、どんどん次の作業が思いつくかもしれません。それをどんどん付箋に書いてパソコンのモニターの下や脇に貼っていきます。

そして、取り掛かった付箋の作業が終わったら、「付箋を剥がして捨てる!」

これだけで、つまらない仕事に対しても、終わったときのスッキリ感とプチ達成感を得ることができます

やったことのある人なら分かりますが、付箋を剥がして捨てる瞬間が気持ち良いのです。この瞬間、脳内ではドーパミンが出ています。これがつまり”快楽”であり、脳にご褒美を与えることになります。

「つまらない」という状態は、脳内でドーパミンが出ていない状態です。付箋を使うことによって意図的にドーパミンを出すことができるのです。

言い換えると、「付箋を剥がす」という行為を付け加えることによって、ゲームで敵を倒した瞬間と同じような状態を再現するということです。売れているゲームというのはたいてい、敵を倒した瞬間に効果音が出たり、敵が爆発したり、何らかのエフェクトが加えられています。そうして「敵を倒す」と言うプチ目標を達成した時にドーパミンの出る量を増やしているのです。

これを仕事にも応用するのが「付箋仕事術」。つまらない仕事でも「付箋を剥がす」という行為を加えることによってドーパミンの出る量を増やすのです。

他にも「自分へのご褒美を与える方法」はあります。

例えば「5時15分までに終わらせて、バッティングセンターに行くぞ」とか
「カラオケに行くぞ」と言った目標を立てます。
できれば「スッキリする系」が良いです。例えばバッティングセンターならボールを打った瞬間にスッキリする=ドーパミンがたくさん出るからです。
こう言った目標を自分なりに設定して
「定時で仕事を終わらせる」と「自分へのご褒美」を結びつけると、早く終わらせること自体が楽しくなっていきます。
普通にやると6時30分とか7時までに終わるくらいの量の仕事だなって思ってもそれを
「なんとか定時までに終わらせよう!」
「3時間かかりそうだけど1時間で終わらせよう」
と言う姿勢で取り組むと、終わった後にご褒美が待っているし、だんだん、ご褒美が無くても「早く終わらせよう」ということ自体が楽しくなっていきます。

付箋仕事術は”いっぱいいっぱい”知らず

つまらなくて量のある仕事に出くわした時も、作業を細切れにしてどんどん付箋を貼っていきます。

そうすると、パソコンのモニターの付箋を貼っておく場所が、
いわば「やることリスト」になります。

付箋仕事術はタスク管理術でもあるのです。

付箋で貼ってあることだけやっていけば良いのですから、仕事の難易度自体が下がります。

いつも、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と考えたり、「何をやらなきゃいけないんだっけ」と考え”いっぱいいっぱい”になっている人にとっては、ストレスを大幅に減らすことができます。

”いっぱいいっぱい”の状態の時って、やることを書き出していくと意外に大したことなかったりするものです。

スッキリ感&プチ達成感を味わうこともでき、”いっぱいいっぱい”から脱却し、ストレスも減らす。付箋仕事術は最強です。

ちょい難の仕事を引き受ける

快楽にはもう一つあり、それは「少し難しい仕事を引き受け、達成する」ことです。

これってゲームで言うところの
「雑魚キャラとしか戦ってない」
「自分は"Lv10"なのに"Lv1"の敵しか出てこない」
そういうのは面白くありません。Lv1の快楽には慣れてしまい、足りなくなってしまうからです。

付箋を剥がす瞬間、スッキリ感を味わうことができますが、簡単な仕事ばかりやっているとどうしても大きな達成感を得ることができず、仕事がつまらないと感じてしまいます。

そこで、ちょっと難しめの仕事を頼まれた時、頼まれそうになった時は、積極的に引き受けることも必要になってきます。

少し面倒くさそうな仕事が発生すると、
その職場には「誰がやるんだろう」「誰かやってくれないかな」という空気が漂います。

もちろん、いつもイヤな仕事、面倒くさい仕事を引き受けてばかりいたらストレスになってしまいますが、たまには敢えて引き受けることも「つまらない仕事の毎日」から打開するためには効果があったりします。

人事評価をうまく使うことも良いと思います。

普段、わざわざ難しい仕事を引き受けるのも勇気が要ります。
そこで、人事評価で目標を設定するタイミングで「少し難しい仕事」を目標に入れてしまうのです。

場合によっては課長から「そんな目標立てなくていいよ」と言われるかもしれません。

ですが、現状で仕事がつまらない人の場合、
普通の目標を書いても、つまらない状況は変わらないでしょう。

仮に目標が達成できなかったとしても、若手の場合であれば、目標を達成したかどうかという「業績評価」よりも、責任を持って取り組んだか、仕事をきちんと理解しようとしたかといった「能力評価」の方がウェイトが高く設定されている組織がほとんどです。

高めのの目標を人事評価で設定してしまうというのも、仕事を楽しくする方法の一つです。

雑魚キャラばっかり倒すのではなく、倒せるか倒せないか分からないくらいの敵を設定する。

これも効果的です。

まとめ

・「仕事が楽しい」の要素は「没頭」「快楽」「笑い」

・没頭と快楽のためには、作業を細切れにし、付箋に書く

・定時で帰った後、自分へのご褒美を設定する

・さらに少し難しめの目標を設定する

つまらない仕事も、スッキリ感&プチ達成感を味わうようにしたり、うまく自分にご褒美を設定したりすることで、「すごく楽しい」まではいかなくとも「まあまあ楽しい」とか「つまらなくはない」くらいの状態にはできます。

仕事がつまらないと人生が嫌になってしまいます。ストレスも溜まります。つまらない仕事は、多少なりとも楽しくした方が良くて、そのために工夫することが大切です。

補足〜没頭するために残業すると疲れる〜

また、最後に付け加えておくと、「没頭するために残業する」は絶対にダメです。

絶対に疲れますし、それまでの8時間を無駄に過ごすことになってしまいます。あくまで、勤務時間内に終わらせ、その中で、つまらない仕事を多少楽しい仕事に変えていくことが大事です。

個人的には勤務時間は8時間でも長いと思っています。それをさらに延長し、8時間が終わってから没頭するという生活は、昔の私はやっていましたが、とても疲れますし、プライベートの時間も減りますし、寝る時間も減るし、ストレスもたまります。良いことがありません。

残業しないことは大前提ということだけ、補足しておきます。


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