米焼酎「kokokaraきたかみ」開発の裏側にあったアツい想い(2021/11/03開催)
※こちらの記事では、noteに未掲載だった、2021年11月3日に実施した「岩手県北上市×鹿児島県大崎町」のファンミーティングの内容を紹介しています。
■ ファンミーティングのテーマ
地域には、事業や地域を盛り上げるにはどうしたら良いのかを日々考え、専門的な知識や技術を掛け合わせてさまざまなアイデアを形にしている事業者さんがたくさんいます。
そのひとつの事例として、お互いの地域が抱える課題について真剣に考え、スピーディに解決に取り組んだ二人の事業者がいました。
今回は、「岩手県北上市と鹿児島県大崎町の事業者が新開発した米焼酎の開発秘話を聞こう!」という内容をテーマに、その二人の事業者の地域を想う気持ちに触れるファンミーティングを開催。
2021年11月に、岩手県北上市のお土産品として販売開始された米焼酎「kokokara きたかみ」ですが、この米焼酎は、北上市から約1300km離れた土地にある鹿児島県大崎町の酒蔵と協力してできた、それぞれの想いが詰まった米焼酎です。
ファンミーティング当日は、北上市の事業者である有馬 司さんと、大崎町の天星酒造に勤める髙屋総一郎さんをお招きして、その米焼酎が生まれた背景をたくさん教えていただきました。
みんなでお酒を飲みながら、事業者さんのアツいお話を聞いたり、感想を伝え合う時間を共有して、心も体もぽっと温かくなったファンミーティングの様子をお伝えします。
■ ゲストと米焼酎のご紹介
米焼酎「kokokaraきたかみ」のご紹介
■ みんなで「乾杯」!!!
まずは、参加者のみなさんへ事前に送った「kokokara きたかみ」を、グラスに注ぎ、オンライン上で乾杯!
髙屋さんからは「お米本来を味わうにはロックがおすすめ」と言われていたのですが、本当にその通りとみんな大絶賛。芋や麦よりも喉越しがよく、スッキリと飲める印象でした。
「香りがいいですね」「食事にもピッタリ」「華やかでおめでたい風味」という感想が飛び交い、中には、この米焼酎に合わせたおつまみを作り、カボスと合わせた飲み方を楽しまれている方もいました。
■ 米焼酎「kokokaraきたかみ」の開発背景
※当日もQ&A形式で進めたので、本レポートもその内容で記述します。
Q1. 二人の出会いのきっかけは?
有馬:5年くらい前になるのですが、ふるさとチョイスが主催している、”事業者勉強会” がきっかけです。当時、その場で、北上市と大崎町のふるさと納税担当だった自治体職員同士が繋がり、お互いに地域を想う気持ちが意気投合して、親交がスタートしました。
Q2. この米焼酎を作ることになった背景を教えてください。
有馬:北上市では、コロナ禍による外食の自粛により、飲食店での米の需要が減少し、在庫が増えたり、米の価格が下落したことで市内の米農家に大きな影響が出ていました。北上市のふるさと納税業務を担当をしていた私は、「このままでは地域の稲作農家が減ってしまう。なんとかふるさと納税を活用して農家を救うことはできないか」と考えていて。それが始まりでした。
髙屋:一方、大崎町では、コロナ禍による飲食店での、酒の提供自粛等により、特産品の一つである芋焼酎の酒蔵が影響を受けていました。
有馬:それぞれ悩みを抱えていたときに、もともと知り合いだった髙屋さんに私から事情を伝えて相談したんです。そしたら、「米焼酎を作るのはどうですか?」とご提案いただきました。
髙屋:有馬さんから相談を受けたときは、大変嬉しかったです。また、天星酒造の焼酎は、これまで岩手県での流通がありませんでした。これを機に、はじめての地域に焼酎をお届けできることとなり、新たな市場開拓へと繋がったことは、コロナ禍の中でも大きな前進になったと考えています。
Q3. この米焼酎の開発において、大変だったことやこだわったことはありますか?
髙屋:実は私たちも、米焼酎を作ることが初めてだったので、苦労はたくさんありました。普段メインでつくっている芋焼酎では、二段仕込みという製法で、最初に米を発酵するところから始まります。ですが、その発酵した米のもろみを、そのまま焼酎にするという発想はなかったんですね。
髙屋:だから、有馬さんからお話をいただいたとき、「米の発酵はずっとやってきているから、米焼酎づくりができないことはないね」と回答しました。ですが、いかんせん、米焼酎をつくるのは初めてでしたので、美味しいものができるかわからない。杜氏と相談しながら作っていきました。
参加者:米焼酎をつくることにおいて、反対はなかったのでしょうか?
髙屋:最初は正直、蔵の中では前向きじゃない人もいました。でもやっぱり、有馬さんの熱意に心を打たれて、「絶対やります!」と僕から押し通しました(笑)
有馬:ありがたいことです。一方、僕には、いい悩みがありました。先ほど伝えた通り、米の在庫が余っていたおかげで、農家さんが金賞を取るほど、自信をもてるいいお米を使えたんです。そのため、「どこの農家さんのお米を選抜しようか?」という、ありがたい悩みがありましたね。
Q4. 最後に、この米焼酎の開発をきっかけに、どんな地域の未来を目指したいですか?
有馬:体力はあるのに、コロナウイルスや時代の流れの影響で、存続が厳しくなりそうな農家さんいる。だけど、今回のような焼酎などを作ったりして、生産のラインに安定して乗せられれば、少しでも励みになるだろうと感じています。そしてこれが励みになることで、おじいちゃんが、息子や孫に「俺がこの焼酎の材料をつくっているんだ」という話ができる現象も、まちの中で起こってきたら嬉しい。この米焼酎がそのきっかけになったらいいなと思います。
司会者:その想いは、『kokokaraきたかみ』という品名の由来とも通ずるのでしょうか?
有馬さん:そうですね。北上市が今年(2021年時点)、市政30周年だったり記念イヤーの年になるので、ここからまた1年目をスタートするぞ!という意味を込めています。あとは、困っている農家さんたちが、「ここから頑張る」という意味も込めています。
髙屋さん:今回、お米を1200kg仕入れさせていただいたのですが、今後も北上市で定着すれば、また仕入れさせていただきたいと思っています。そうすれば、農家さんの支援にもなりますし、それが僕たちにとっても売上にな流。そして、特産品も生まれるという、いい流れが作れると思っています。
髙屋:そして、そもそも米焼酎を作るという発想が私にはなかったのですが、このような新しいことが出来るということも知れたし、いい味のものができるとわかったのは、大きい学びでした。今回をきっかけに、地元の近くの農家さんの支援もできそうなので、さらにそのような連携を頑張りたいです。
■ 参加者の声
参加した方々からは、このようなお声をいただきました。
地域を超えたコラボでこのようなすばらしいお酒が生まれたことに感動します
ふるさと納税を通して、日本中に自分の故郷ができたような気持ちに(勝手にですが)なっています。素敵な場を設けていただいたおかげで、どこかで誰かが何か困っていたら全力で応援したくなりました
どのような思いや考えで、皆様方が一つのことを成し遂げ様としているのかも良く理解出来ました。
運命的なコラボで誕生した「kokokaraきたかみ」の船出の瞬間を体験出来たこと、間違いなく一生の思い出になりそうです(^^)
今回ふるさとチョイスのスタッフの方々の意気込みやふるさと愛の貴重なコメントも聞くことができますますふるさとチョイスのファンになりました
■ まとめ
普段はなかなか聞くことができない商品開発秘話を、オンライン工場見学のような形で、実際の米焼酎を飲みながら聞くことができ、とても素敵な時間を過ごすことができました。
ふるさとチョイスがきっかけで2つの地域が出会い、それぞれの個性や特性を生かしながら誕生した今回の米焼酎。
お互いの地域が抱える課題解決について真剣に考え、スピーディに取り組まれた二人の話を聞いていると、お互いが自分の地域だけではなく、相手の地域も元気にしたいという熱意が感じられました。
そして私たちふるさとチョイススタッフも、そんな熱意がある事業者さんに伴走する形で、日々、地域の課題解決のためにできることを考え実行しています。
どんな局面でも前を向き、地域を元気にする取り組みをおこなった二人のように、私たちも、さらに地域の事業者さんを全力でサポートしていきたいと強く思ったと同時に、そこで感じる熱意を、もっともっと伝えられるようなファンミーティングを、今後も企画していきたいと思いました。
■ その他情報
岩手県北上市 ふるさとチョイスページ
鹿児島県大崎町 ふるさとチョイスページ
「本格米焼酎25度「kokokara きたかみ」720㎖×1本」
「本格米焼酎25度「kokokara きたかみ」1800㎖×1本」
「本格米焼酎25度「kokokara きたかみ」300㎖×2本」
プレスリリース